オウンドメディアで集客マーケティングを行う方法とポイント

オウンドメディアで集客マーケティングを行う方法とポイントオウンドメディア

デジタルマーケティングにおいて重要な集客チャネルの一つであるオウンドメディア。ユーザーのニーズに添ったコンテンツの提供ができるため、ユーザーとの関係性を強化するためには欠かせないツールです。

ただ、オウンドメディアを開設してみたものの集客方法が分からず、なかなかアクセス数が伸びないというケースも珍しくありません。これでは費用対効果がますます悪化してしまいます。

そこで、オウンドメディアで集客を行う方法やポイントについて理解を深めましょう。本記事では3つのポイントに分けて集客のコツを解説しています。

オウンドメディアマーケティングが注目される理由

オウンドメディアとは、企業ホームページやECサイトではなく、企業自ら情報を発信して見込み客の獲得やユーザーとのコミュニケーションをはかるWebサイトです。近年、さまざまな業界でオウンドメディアを活用したマーケティングが行われています。

オウンドメディアの注目度が高まりつつあるのは、以下のような理由があるからです。

広告による集客効果の低下

いまでさえインターネットを利用していると必ずと言ってよいほど目にするWeb広告ですが、その集客効果は年々低下しつつあります。たとえば大手ポータルサイトのディスプレイ広告におけるクリック率は、2000年から2011年の間に10分の1程度にまで低下しています。

オウンドメディア 集客マーケティング

出典:https://www.startrise.jp/columuns/view/4140

その理由として考えられるのは、ユーザーの広告への慣れです。インターネットやWebサービスを利用していると常に広告が表示されることもあり、ユーザーは自ずと脳内で広告をスキップしようとします。事実、最近では広告をブロックできるスマートフォンまで販売されるほどです。

広告の効果が薄まるに連れ、新たな集客手段として注目を集めているのがオウンドメディアです。販売促進を主な目的とする広告とは違い、オウンドメディアではユーザーとのコミュニケーションがメインの役割となるため、ユーザーに嫌悪感を与えずに済みます。

リッチコンテンツを生かしたUXの提供が求められている

オウンドメディアの注目度が高まっている理由の一つに、リッチコンテンツの重要度が年々上昇していることが挙げられます。リッチコンテンツとは、テキストや画像、動画などを組み合わせたコンテンツです。

Web上でさまざまなサービスや新しいアイデアが生まれる昨今。従来のように広告や告知で自社のメリットを発信すれば必ずしも売上につながるわけではありません。数多くの競合他社が存在するなかでユーザーに振り向いてもらうには、体験(UX)を通じたお客様とのコミュニケーションが必要です。

そのUXを提供するためにはリッチコンテンツが必須であり、リッチコンテンツを表現する場としてオウンドメディアが最適だと言えます。

たとえば広告の場合、設定できる文字数や画像の枚数、動画の時間などに制限があり、そのなかでUXを提供するのは困難です。一方のオウンドメディアは表現方法やレイアウトを自由に構成できます。

SNSを効果的に活用するためにはコンテンツが必要

最近ではSNSマーケティングという言葉を耳にする機会も増えました。それほど現代では、WebマーケティングにおけるSNSの重要性が高まっているということです。

しかし、SNSで情報を発信するにしても何かしらの話題が要ります。思いついたことを定期的に発信するのも方法の一つですが、よほど話題性のあるテーマでない限り多くのシェアを獲得することはできません。

そこで重要になるのがコンテンツです。たとえばオウンドメディアで定期的に価値のあるコンテンツを発信していた場合、SNSでその内容を紹介できます。こうしたコンテンツの発信はオウンドメディアだからこそできることであり、従来のホームページにある会社情報や製品紹介ではなかなかユーザーが興味を示してくれません。

SNSの強みを効果的に活用するためには、コンテンツの発信に便利なオウンドメディアが必須だと言えるでしょう。

資金やリソースが不足しがちな中小企業でも使いやすい

オウンドメディアは資金やリソース不足に悩む中小企業でも活用しやすいことから、最近では規模の小さい企業がオウンドメディアを運営するケースも珍しくありません。

ある程度の資金力が求められる広告や、リソースが多いほど多数の情報発信ができるSNSは、予算や人材に余裕のある大企業ほど有利に活用できます。反対に、中小企業で広告から多数のアクセスを獲得したり、SNSで多くのフォロワーを生み出したりするのは容易なことではありません。

その点、オウンドメディアにおける集客は、広告やSNSほど資金力やリソースに依存しません。資金力やリソースよりも知識や技術が求められるSEO対策で集客ができるからです。たとえ多くの記事が用意できないとしても、一つひとつのコンテンツの質を高めることで、集客からブランディングや販売促進へと効果的に発展させることができます。

オウンドメディアの集客手段

では、オウンドメディアを始めた場合、どのような集客手段を活用できるのか、その流入経路について解説します。オウンドメディアの主な流入経路は以下の通りです。

  • SEO(オーガニック検索)
  • 被リンク
  • Web広告
  • SNS
  • 動画共有サービス

SEO(オーガニック検索)

SEOはオウンドメディアでもっとも重要な集客手段と言っても過言ではありません。

GoogleやYahoo!といった検索エンジンからのオーガニック検索を活用し、オウンドメディアの各コンテンツページにユーザーを集めます。そのためにはコンテンツページそれぞれにSEO対策を施し、検索結果で上位(1~10位)を獲得する必要があります。

コンテンツを作成するためには制作費がかかりますが、広告やSNSの投稿と違って一度作ったコンテンツが資産になる点がメリットです。また、検索キーワードにはユーザーのニーズが含まれているため、ユーザーの悩みや課題に対してピンポイントにアプローチできます。

被リンク

オウンドメディアでは、被リンクからアクセスを獲得することも可能です。

被リンクとは、ほかのオウンドメディアやブログに掲載される自社サイトへのリンクを指します。たとえば自社のオウンドメディアに調査データを公開した場合、そのデータとサイトURLがほかのWebサイトで引用されると被リンクになります。

オウンドメディアを運用していると、記事の情報に信憑性を持たせるため公的機関や調査会社のデータを引用するケースも珍しくありません。それだけ役立つデータを公開しているサイトの情報は貴重だということです。そのため多数の被リンクを獲得するためには、独自性を意識してコンテンツを制作する必要があります。

また、被リンクの数が多いWebページは検索エンジンからの評価も高まります。SEOとしても高い効果を発揮し、さらに集客効果を向上させてくれるため、被リンクを意識することは重要です。

Web広告

オウンドメディアは、広告費を投じてリスティング広告やネイティブ広告などからアクセスを獲得することもできます。SEOによる集客は多数のコンテンツを蓄積するために時間がかかりますが、Web広告であれば短期間で集客効果を得られます。

また、ユーザーの属性や興味関心に合わせたコンテンツ配信ができるのもWeb広告の魅力です。たとえば検索連動型広告であれば検索キーワードに基づいてユーザーのニーズを把握できます。ディスプレイ広告だとコンテンツのジャンルに適したサイトに出稿できるため、ユーザーの興味や関心に合わせて効率良く広告を表示できます。

SNS

FacebookやTwitterなどで情報を発信し、そのリンクからオウンドメディアにアクセスを集めることも可能です。ユーザーとコミュニケーションを取りやすいSNSのメリットを活用することで、オウンドメディアに集客後、スムーズにブランディングや販売促進につなげられます。

そのためには各SNSの特徴を理解し、それぞれの性質に合った情報を提供するようにしましょう。

たとえばTwitterは数あるSNSのなかでもユーザー数が多く、情報の拡散力に優れています。そのため、話題性のある情報を発信することで大きな集客効果が見込めます。FacebookやInstagramは画像や動画といったリッチコンテンツに強いため、視覚に訴えかける商品やサービスを扱っている企業に向いています。

動画共有サービス

最近では日常的に動画を楽しむ人が増え、動画共有サービスを活用した集客手段も決して無視できない存在となりました。YouTubeやTikTokを集客チャネルとして活用する企業も増えています。

動画コンテンツのメリットは、短時間で大量の情報を伝えられる点です。Web記事だと1万文字以上を必要とする情報でも、動画であれば30~60秒程度で端的に伝えられます。気軽に視聴できる動画でユーザーの興味を引き、オウンドメディアで具体的な情報を発信するという方法が効果的です。

オウンドメディアで集客・マーケティングするポイント

オウンドメディアで効果的な集客ができれば、それだけ多数の見込み客を獲得できる可能性が高まります。以下の方法を基にオウンドメディアの集客効果を高めていきましょう。

目的とペルソナを明確にする

オウンドメディアを運営するうえで最初に決めなければならないのが、運用目的とペルソナ(誰にコンテンツを発信するのか)です。目的とペルソナを定めることでユーザーの心に刺さりやすいコンテンツ制作が可能になります。

そこで、どのような目的やペルソナを設定できるのか、以下に具体例をまとめました。

目的の例

・製品やサービスの認知度を向上させる

・製品やサービスの良いイメージを広める

・顧客獲得のために購買意欲を高める

・既存客のロイヤリティ向上やファンの獲得

・メディア事業の独立化や広告収益の向上

・求職者向けの情報発信による採用活動の効率化

ペルソナの例

【提供する製品:化粧品】

・氏名:斉藤 洋子

・性別:女性

・年齢:28

・居住地:東京23区内

・職業/年収:IT企業の事務/300万円

・学歴:中堅私立大学卒業

・性格:明るく社交的、1人でいると落ち着かない、自己主張が弱く他者からの頼みは断れない

・仕事上の課題:残業が多くなり帰宅時間が遅い、就寝時間が遅く肌への悪影響やトラブルを心配、日々忙しく美容に割ける時間が少ない

・情報ニーズ:自社商品の存在は知らないがどのような化粧品があるのか種類や自分への適正といったニーズは存在する

AISASの法則に従ってコンテンツを制作する

オウンドメディアでは、検索キーワードに合わせて潜在層から顕在層までさまざまなユーザーにコンテンツを提供できます。コンテンツを提供する際はユーザーのニーズに適った情報提供が必要ですが、購買行動プロセスであるAISASの法則に則るとコンテンツ制作が行いやすくなります。

AISASは、インターネット上でユーザーが商品を認知してから購買に至るまでのプロセスです。以下のプロセスに沿って商品やサービスの購買へと結びつきます。

  • Attention(注意)
  • Interest(興味・関心)
  • Search(検索)
  • Action(購買)
  • Share(情報共有)

たとえばオウンドメディアを介してフォーム作成ツールを販売するとしましょう。するとAISASの法則にコンテンツを照らし合わせた場合、以下のような情報の提供ができます。

購買プロセス

コンテンツのテーマ

コンテンツの内容

Attention(注意)

フォーム作成の基礎知識を解説

Webデザインに入力フォームを設置するための方法や手順、必要なシステムなど基礎知識を解説してユーザーのリテラシーを高める。

Interest(興味・関心)

フォーム作成のポイント、作成ツールの必要性やメリットを解説

より使いやすい入力フォームをデザインするための具体的な方法やポイントを伝える。そのうえで効率良くフォーム作成できるツールがあることを伝え、自社が提供するサービスと関連付ける。

Search(検索)

フォーム作成ツールおすすめ10選を紹介

自社サービスを含めた10種類のツールの比較表や各ツールのメリット・デメリットなどを解説する。自社サービスを宣伝するよりも、あくまで認知してもらうことが目的。

Action(購買)

○○(自社サービス)の機能や価格、口コミを解説

自社サービスを認知し、それに興味を示したユーザーが対象。自社サービスのメリットやベネフィットを訴求して購買意欲を高める。

Share(情報共有)

購入者に対するアンケート

実際にサービスを購入した顧客にアンケート用のメールを送付。口コミを取得して消費者の声として新たなコンテンツに活用する。

PDCAを回転させて改善を行う

オウンドメディアの運用を行ううえで意識したいのが、効果の検証とコンテンツの改善です。オウンドメディアの集客効果を向上させたり、ユーザーとの結び付きをいま以上に深めるにはPDCAサイクルを回転させる必要があります。

たとえば定期的に記事の古い情報を新しく更新するだけでも、SEOとして効果的に機能します。ほかにも検索順位が低いようなら、キーワード出現率の調整や関連キーワードを含めるといった改善が有効です。ページ離脱率が高い場合には、思い切って不要な情報を排除し、読みやすい文字量に調節するといった方法もあります。

GoogleアナリティクスやSearch Consoleなどの便利なツールを駆使し、検証と改善を繰り返しましょう。

オウンドメディアを利用したマーケティングや集客を検討の方はぜひ、弊社のオウンドメディア構築、運用サービスまでご相談ください。

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