アプリのダウンロード数を最大化させたいなら、TikTok広告への出稿をおすすめします。TikTok広告にはアプリマーケティングに最適な機能や仕組みが整っており、短期間でアプリのダウンロード数を向上できます。
ただし、TikTok広告のメニューによってアプリマーケティングの向き・不向きが異なります。TikTok広告を利用する前に、各広告メニューの特徴や性質を理解しておくべきでしょう。
本記事では、TikTok広告を活用してアプリマーケティングを実施する方法や最適なクリエイティブ制作方法を解説します。
TikTok広告はマーケティングに最適なメディア
全世界における総ダウンロード数20億回を記録し、国内の月間アクティブユーザー数950万人を抱えるTikTok。TikTok広告を使えば最大550万人にリーチできるため、マーケティングには最適なメディアと言えます。
ここでは、TikTok広告の特徴や仕組みについて簡単に触れていきます。
そもそもTikTokとは?
TikTokは、誰もが動画の投稿や視聴ができる共有型プラットフォームです。YouTubeやニコニコ動画とは異なり、動画に対していいねや共有、アカウントに対してフォローといったエンゲージメントを行えるため、SNSの側面も併せ持ちます。
また、投稿できる動画の長さが短い点も特徴の一つです。もともとは15秒程度の動画しか投稿できなかったこともあり、TikTokではダンスやリップシンクといった一発芸的なコンテンツが人気を集めています。
よって企業のマーケティングにおいても、大々的に商品の告知を行うのではなく、以下のようなユーザーが楽しめるコンテンツを発信するケースが多くなっています。
(https://www.tiktok.com/@segaofficial/video/7010323261267397889?is_copy_url=1&is_from_webapp=v1)
アプリマーケティングを行う場合でも、「アプリを体感できる」「友達に共有したいと思える」といったUX(ユーザー体験)を意識したコンテンツ制作が重要になってきます。
TikTok広告の特徴
TikTokでは、自社アカウントを開設したうえで投稿動画を活用したマーケティングを実施できます。ただし、自社アカウントの運用は成果が出るまでに時間がかかるため、短期間で成果を出したい場合やより多くのリーチやCV(コンバージョン)を獲得したい場合には、TikTok広告が最適です。
TikTok広告を使えば、TikTokアプリの起動直後の広告枠やインフィード(おすすめ一覧の広告枠など)などに動画広告を掲載できます。広告費が必要になるものの、ユーザー数の多いTikTokのメリットを生かしてキャンペーンの露出機会を増やせます。
TikTok広告のメニュー一覧
TikTok広告で利用できるのは、以下8種類の広告メニューです。
なお、上記の広告メニューを費用の種類別に分かると下記のようになります。
広告メニュー参考表
広告メニュー | 特徴 | 想定imp | 価格 |
TopView | アプリ起動後すぐに表示される1日1社限定枠に広告を出稿。最長60秒の動画。 | 1,520万 | 750万円 |
起動画面広告 | アプリ起動後すぐに表示される1日1社限定枠に広告を出稿。最長5秒の無音動画、または静止画。 | 1,700万 | 600万円 |
OneDayMax | 「おすすめ」フィード4post目の1日1社限定枠に広告を出稿。 | 610万 | 330万円 |
OneDayMax Plus | 「おすすめ」フィード4post目の1日1社限定枠に広告を出稿。 | 880万 | 440万円 |
Brand Premium | 「おすすめ」フィード130post以内に広告を出稿。出稿額に応じて掲載順位が決まる。 | 60万~ | 42万円~ |
運用型広告 | 広告運用中にクリエイティブやターゲティングを変更できる。提示する入札単価によって掲載場所や順位が決まる。 | – | オークション式 |
#Challenge | TikTokの独自広告。ユーザー参加型のダンスや歌などのキャンペーンを告知し、ユーザーとの関係性を強化。 | 1,800万~ | 1,000万円~ |
Branded Effect | TikTokの独自広告。オリジナルエフェクトを作成でき、ユーザーの投稿動画に反映可能。ユーザーは新商品を視覚的に体感できる。 | – | 380万円~ |
- 出稿額固定型
TopView
起動画面広告
OneDayMax/Plus
#Challenge
Branded Effect
- 出稿額変動型
Brand Premium
運用型広告
出稿額固定型は一度に支払う広告費が高額になる一方で、短期間で大きな成果を狙えます。どうしても予算が足りないという場合には出稿額変動型がおすすめです。出稿額変動型の場合は、ターゲティングで配信する範囲を指定できるメリットもあります。
アプリダウンロードでおすすめはTikTok運用型広告
アプリダウンロード獲得が目的の場合、上記8種類の広告メニューのなかでも特に「TikTok運用型広告(TikTok For Business)」がおすすめです。TikTok運用型広告には、アプリマーケティングに向く機能や施策が整っているからです。
ここでは、TikTok運用型広告の仕組みや特徴について詳しく解説します。
TikTok運用型広告の仕組み
TikTok運用型広告とは、クリエイティブやターゲティング、予算といった設定を広告運用中でも柔軟に変更できる広告メニューです。
先ほどお伝えしたTopViewや起動画面広告といった広告メニューは「純広告」と呼ばれ、固定の掲載枠に広告を出稿できます。また、最初に設定したクリエイティブやターゲティングなどの要素は、配信期間が終了するまで変更することはできません。
一方の運用型広告は、リアルタイムの成果を見ながらいつでも設定を変更できるため、常に広告効果を最大化できる点にメリットがあります。また、掲載場所に関しても固定の広告枠がなく、出稿金額によって変化する点が特徴です。
なお、TikTok運用型広告では、配信前の面倒な設定も必要ありません。ユーザーデータを蓄積して検証する高度なAIが搭載されており、各キャンペーンの目的や目標値などを自動的に最適化してくれるからです。「初めてWeb広告を運用するので不安」という場合でも、安心して利用できる仕組みが整っています。
TikTok運用型広告の配信先
TikTok運用型広告の配信先は以下の3つです。
- TikTok
- Buzz Video
- Pangle
TikTok以外に複数の配信先に広告を出稿できるのは、TikTok運用型広告のみです。それぞれの配信先の特徴について解説します。
TikTok
TikTok運用型広告は、TikTokのインフィードに広告が掲載されます。TikTokのインフィードは主に「おすすめ(レコメンド機能)」のなかにあり、ユーザーが画面をスワイプするうちに広告動画が表示される仕組みです。
動画のフォーマットは以下の形式が対応しています。
- 9:16縦型動画
- 1:1スクエア動画
- 16:9横型動画
上記のうちおすすめなのが、9:16縦型動画のフォーマットです。TikTokの動画はスマートフォンで見る以上、スクエア動画や横型動画では画面の上下が見切れて視聴しづらい印象を与えてしまいます。できるだけ画面一杯に表示できる縦型動画を活用するようにしましょう。
Buzz Video
Buzz Videoとは、ユーザーの興味や好みをAIが判別し、各ユーザーに最適化された動画を表示させる動画共有サービスです。この仕組みはTikTokにも活用されているため、両者は同じようなアプリにも思えます。
しかし、両者には大きな違いがあります。
TikTokは限りなくUIがシンプル化されており、自分で動画を探さなくとも勝手に好みの動画が再生されていきます。よって流行に敏感な若者から高い支持を集めています。
一方のBuzz Videoは、「アイドル」や「バラエティ」、「スポーツ」といったジャンルが用意されており、自分の好みからカテゴリーを深掘りしていくニュースアプリのようなUIが特徴です。自分の趣味嗜好を知り尽くした大人のための動画共有サービスと言えます。
Buzz Videoのコンテンツは横型動画と縦型動画に分かれているため、YouTubeに投稿するような16:9横型動画でも自然に溶け込みます。また、1つのバナー広告に最大10枚の画像を表示できるカルーセル広告を出稿できる点も魅力です。
Pangle
TikTok運用型広告がアプリマーケティングに向く理由の一つが、このPangleに広告を出稿できることにあります。
Pangleとは、TikTokが運営するモバイル広告プラットフォームです。世界中のアプリの広告価値を最大限に高めることを目的に誕生。Pangleに動画広告を在庫しておくと、TikTokやBuzz Video以外に国内の多様なジャンルのアプリに広告を掲載できます。
配信先のアプリカテゴリーは以下の通りです。
- 漫画:26%(カテゴリー全体に占める配信先の割合)
- ハイパーカジュアルゲーム:21%
- 放置系育成ゲーム:17%
- バブルパズル系:9%
- 楽曲:7%
- 謎解き:5%
- その他:シミュレーション、アクション、スポーツ、数独など
また、広告フォーマットに関してもアプリダウンロードを獲得するための最適なものが揃っています。
- 動画リワード広告
ユーザーがゲーム内で使うライフや通貨、アイテムなどを入手するために視聴を必要とする動画広告。広告を視聴(あるいはスキップ)すると、ユーザーはライフやゲーム内通貨といったリワードを獲得できる仕組み。アプリ配信会社のユーザー維持率の増加につながりやすい。 - フルスクリーン動画広告
アプリをプレイ中に自然に表示させる縦長動画。リッチでダイナミックな画面でユーザーにインパクトを与えられるため、ブランドの認知拡大に効力を発揮する。長時間あるいは連続でプレイするようなアプリゲームに最適。 - ネイティブ広告
ニュースアプリの「記事一覧」や記事コンテンツの内部に溶け込むように配置する広告。広告の体裁を各アプリのデザインやフォーマットに合わせられるため、広告感の薄い訴求が可能。同時にLP(ランディングページ)を制作する必要があるものの、高いクリック率が期待できる。 - プレイアブル広告
近年特に注目を集めている、ユーザーが実際にアプリゲームを体験できる広告。コンシューマーゲームの体験版に近く、ゲームの触り部分だけをプレイしてもらうことによってアプリダウンロード数の増加につなげる。高水準のCTRとCVRを同時に実現可能。
TikTok運用型広告の課金方式
TikTok運用型広告の料金については、オークションによって金額が決定します。オークションとは、複数の広告主が入札額を提示し、掲載先をかけて競い合う料金システムです。
なお、入札額に関しては、広告の出稿によって「リーチ」か「動画視聴数」のどちらの成果を基準にするかによって課金方式が異なります。
対象となる成果 | 課金方式 | 費用発生地点 |
リーチ | CPM (Cost Per Mille) | 広告が1,000回表示されるたびに費用が発生 |
動画視聴数 | CPV (Cost Per View) | 動画広告が2秒または6秒視聴されるたびに費用が発生 |
また、入札タイプに関しては、3つの種類から自由に選べます。この入札タイプは「アプリイベント最適化(AEO)」と呼ばれており、アプリ内の特定のイベントを最大化するよう自動的に入札単価を調整できる仕組みです。
- 直接アプリイベント入札
設定されたアプリイベントの目標単価で獲得できるよう、システムが自動調整して配信を最適化する。インストール単価への最適化は行われない。 - 一段階入札
設定されたインストール目標単価で獲得できるよう調整しながら、アプリイベントの獲得をシステムが自動的に最適化する。明確なCPI目標を維持しながら、アプリイベントの効果を最大化した場合に向く。 - 二段階入札
設定されたインストール目標単価とアプリイベント目標単価の両方をシステムが自動的に調整し、配信を最適化する。明確なCPI目標とアプリイベントCPA目標の両方を同時に満たしたい場合に向く。
こうしたAEOを使える点も、TikTok運用型広告がアプリマーケティングに向く理由の一つです。
アプリダウンロードを獲得するためのクリエイティブ制作のコツ
グラフィックやコピーなどで構成された、広告として制作されたコンテンツを「クリエイティブ」と呼びます。TikTok広告でアプリをダウンロードしてもらえるかどうかは、このクリエイティブの内容次第です。
この章では、アプリダウンロードを獲得するためのクリエイティブ制作のコツを解説します。
CTRとCVRを意識する
アプリダウンロード獲得を目的とする場合、重要なKPI(計測可能な目標値)となるのが「CTR(クリック率)」と「CVR(コンバージョン率)」です。クリエイティブを制作するに際して、このCTRとCVRを意識した企画作りが欠かせません。
KPI | 数値を高める方法 | 具体例 |
CTR | アプリの内容理解を深める | たとえばゲームの場合、ストーリーやキャラクターといった複数の要素から、伝えたい訴求部分を一つに絞り込む。訴求ポイントを絞り込んだほうがユーザーの理解が深まり、クリックを誘引しやすい。 |
クリック誘引の仕組みを導入 | 「広告上でタップ遊びができる」など、ユーザーが広告を自然にクリックできる仕組みを含める。 | |
CVR | 話題性を付与する | 「コラボ」や「ガチャ」、「イベント」といったユーザーから人気の高い要素を含めることで、コンバージョン数の向上が期待できる。 |
動画への没入感を高める | 動画を9:16縦型動画にするだけでも広告への没入感が向上する。 |
複数のクリエイティブを制作して効果を比較する
TikTok運用型広告のアカウント構造は、大分類である「キャンペーン」の下に中分類の「広告セット」があり、小分類の「クリエイティブ」は広告セットの配下に存在します。そのため、1つの広告セットに複数のクリエイティブを設定できます。
クリエイティブは細かい要素が異なるだけで大きく成果が異なるため、一つのクリエイティブを配信したからといって必ずしも効果が出るわけではありません。日々の広告費を無駄にしないためにも、あらかじめ複数のクリエイティブを用意しておき、それぞれの効果を比較しながら最適なクリエイティブを見極めることが重要です。
こうした検証を行うことをA/Bテストや多変量テストと呼びます。キャッチコピーやテロップなど、要素ごとに変更を加えた2つのクリエイティブを検証するのがA/Bテストです。一方の多変量テストは、要素のまったく異なる2つ以上のクリエイティブを同時に検証します。
最初のうちは、広告セットのなかに少なくとも3つ程度のクリエイティブを設定し、効果を検証しながら内容を最適化していきましょう。
弊社では動画制作から、運用までワンストップで承っております。
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