自社で保有する動画をTikTokで活用したいなら、「TikTokインフィード広告」がおすすめです。TikTokインフィード広告は、「レコメンド」で画面をスワイプしていくうちに現れる広告で、オーガニックコンテンツと同じような見た目で広告を訴求できます。
計8種類あるTikTok広告メニューのなかで、4種類のメニューがインフィード広告に該当します。TikTokインフィード広告を最大限に活用するなら、広告メニューそれぞれの特徴や料金体系を理解しておくことが大切です。
本記事では、TikTokインフィード広告の仕組みやクリエイティブ制作のコツを解説しますので参考にしてください。
TikTokマーケティングとは
TikTokマーケティングとは、TikTokへの動画投稿や広告を活用してマーケティングを行うことです。TikTokの月間アクティブユーザー数は950万人を超え、いまや企業のプロモーションやブランディングには欠かせない存在となりつつあります。
以下は、そんなTikTokでマーケティングを実施する場合の施策例です。
- TikTokに自社アカウントを開設して動画コンテンツを拡充
- アカウント内でユーザーとの関係性を強化し、WebサイトやSNSに誘導
- 動画を投稿して商品やサービスの認知を拡大
- 広告を発信してプロモーションやブランディングにつなげる
- 「#Challenge」でUGC(ユーザー生成コンテンツ)を増やす など
このようにTikTokではさまざまな施策を実行できます。
ただし、投稿動画を拡充するまでに時間がかかる、TikTokは一般ユーザーアカウント同士で楽しむ環境という傾向が強いことから、マーケティングには広告を活用するほうが効果的です。
TikTokには計8種類の広告メニューがあり、ユーザーとの関係性の強化や他サイトへのアクセス促進などに役立つ「#Challenge」や「Branded Effect」という独自広告も揃っています。マーケティングの目的に合わせて最適な広告メニューを選べるのは、大きなメリットです。
TikTokインフィード広告とは
TikTokの広告メニューのなかでも、アプリ内でのエンゲージメント(いいねやフォローなど)獲得や自社サイトへの誘導に効果を発揮するのが「インフィード広告」です。
そもそもインフィードとは、フィードの内部に広告を表示するフォーマットを表します。
たとえばブログには、「ニュース一覧」や「おすすめ記事一覧」といったフィードがあり、その一覧のなかに広告を掲載することで、広告をコンテンツに溶け込ませることができます。広告に強い警戒感を示すユーザーに対しても違和感なく広告を表示できるのがメリットです。
TikTokのフィードは「レコメンド」のなかにあります。
レコメンド機能を表示させると、自分へのおすすめ動画が表示されます。画面をスワイプする度に次々と新しいおすすめ動画が表示されますが、TikTokインフィード広告はその途中で広告動画が現れる仕組みです。
ユーザーが投稿した動画のフォーマットと相違ないため、TikTokインフィード広告はユーザーに違和感なく広告を訴求できます。投稿動画と同じく動画に対してエンゲージメント(いいねや共有など)が可能で、さらにCTA(行動喚起)ボタンを配置できるのもインフィード広告の強みです。
なお、TikTokのインフィード広告には、「OneDayMax」と「OneDayMax Plus」、「Brand Premium」、「ブランドオークション」という4種類の広告メニューがあります。それぞれの特徴や料金について、以下の項目で詳しく解説します。
広告メニュー | 特徴 | 想定imp | 価格 |
OneDayMax | フィード枠に最長60秒の動画広告を掲載。配信枠はレコメンドの4post目の1日1社限定枠。 | 610万 | 330万円 |
OneDayMax Plus | OneDayMaxの機能に加え、同じユーザーに最大4回まで配信(フリークエンシー)が可能。インプレッション数が拡大。 | 880万 | 440万円 |
Brand Premium | 掲載先や広告フォーマットはOneDayMaxと同じものの、出稿額によって掲載順位が異なる。ターゲティングも可能。 | 60万~ | 42万円~ |
ブランドオークション | 広告運用中でもクリエイティブやターゲティングを変更できる運用型広告。入札額によって掲載順位が決まる。 | – | オークション |
TikTokインフィード広告①OneDayMax
OneDayMaxとは、TikTokレコメンド内の4post目に動画広告を掲載できる広告メニューです。掲載枠は1日1社限定の固定枠となっており、固定の広告費を支払うことで24時間その場所を独占できます。
TikTokのユーザーは主にレコメンドを中心に動画を視聴するとされており、その4post目に広告を掲載するということは、数多くのユーザーにリーチできることを表します。事実、想定インプレッション数は610万という高い水準を記録しており、多数のユーザーにアプローチしたい場合に最適です。
掲載する動画は投稿コンテンツと同じように「いいね」やSNSへの共有などを行えます。さらに外部Webサイトやアプリダウンロードページ、TikTokの自社アカウントページのURLを掲載できるため、アクセス促進にも高い効果を発揮します。
広告メニュー名称 | OneDayMax |
広告の掲載場所 | レコメンド内の4post目(固定枠) |
想定リーチ数 | 5,500,000 |
想定インプレッション数 | 6,113,000 |
平均CTR | 1%前後 |
最大フリークエンシー | 1回 |
価格 | 330万円 |
OneDayMaxの料金体系
OneDayMaxの料金体系は、固定費形式です。固定の広告掲載枠を固定額で買い切ります。一度に支払うコストが高額になるものの、費用を支払いさえすれば必ず広告が露出されるのがメリットです。
OneDayMaxの広告フォーマット
OneDayMaxの広告フォーマットは以下の通りです。
項目 | 素材規定 |
動画形式 | MP4、MPEG、3GP、AVI、MOV |
容量 | 500MB以内 |
動画時間 | 60秒(推奨9~15秒) |
アスペクト比 | 縦型動画:9:16、≥540×960px 横型動画(非推奨):16:9、≥960×540px |
ビットレート | 2,500kbps以上 |
OneDayMaxで利用できるクリエイティブ(広告の制作物)は動画です。画像は出稿できないので注意してください。
TikTokインフィード広告②OneDayMax Plus
OneDayMax Plusの仕組みそのものは、OneDayMaxと変わりありません。
OneDayMaxと異なる点はフリークエンシーの回数のみです。フリークエンシーとは、1日に同じユーザーへ広告を配信できる機能で、回数が多いほど同一ユーザーに複数回広告を露出できます。
OneDayMaxの場合はフリークエンシー1回のみですが、OneDayMax Plusは最大4回までのフリークエンシーが効きます。よってOneDayMax Plusのほうが想定インプレッション数が220万回増え、広告の表示回数を増やせます。予算に余裕がある場合、OneDayMax Plusを選んでおいてほうがお得である場合もあるでしょう。
広告メニュー名称 | OneDayMax Plus |
広告の掲載場所 | レコメンド内の4post目(固定枠) |
想定リーチ数 | 5,500,000 |
想定インプレッション数 | 8,761,000 |
平均CTR | 1%前後 |
最大フリークエンシー | 4回 |
価格 | 440万円 |
OneDayMax Plusの料金体系
OneDayMax Plusの料金体系は、OneDayMaxと同じ固定費形式です。
OneDayMax Plusの広告フォーマット
OneDayMax Plusの広告フォーマットは以下の通りです。
項目 | 素材規定 |
動画形式 | MP4、MPEG、3GP、AVI、MOV |
容量 | 500MB以内 |
動画時間 | 60秒(推奨9~15秒) |
アスペクト比 | 縦型動画:9:16、≥540×960px 横型動画(非推奨):16:9、≥960×540px |
ビットレート | 2,500kbps以上 |
TikTokインフィード広告③Brand Premium
Brand Premiumとは、TikTokレコメンド内の130post以内に広告動画を掲載できる広告メニューです。掲載順位は出稿額によって決まり、より高額な出稿額を出した広告主のほうが目立つ順位に掲載できます。
最低出稿額は42万円なので、予算的にOneDayMaxを利用するのが難しい場合に最適です。最低出稿額であっても、最低60万インプレッションは保証されています。
また、性別や年齢、ユーザーの興味関心などでターゲティングできるのも特徴です。OneDayMaxは、ターゲティングができないことから不特定多数のユーザーしか狙えませんが、Brand Premiumなら自社に興味のあるユーザーのみに効率よくアプローチできます。
広告メニュー名称 | Brand Premium(ブランドプレミアム) |
広告の掲載場所 | レコメンド内の130post以内(順位変動型) |
想定インプレッション数 | 600,000~ |
平均CTR | 1%前後 |
フリークエンシー | 設定可能 |
価格 | 42万円~ |
Brand Premiumの料金体系
Brand Premiumは、広告を表示させるインプレッション数を買うような料金体系です。1日の最低出稿金額は10万インプレッションで、1,000インプレッション単位で設定できます。
先ほどお伝えしたOneDayMaxとは異なり、一度に大量の広告費を投じる必要がありません。また、運用型広告のように思わぬタイミングで予算をオーバーしてしまう心配がなく、常に予算とのバランスを見て出稿額を決定できるのがメリットです。
Brand Premiumの広告フォーマット
Brand Premiumの広告フォーマットは以下の通りです。
項目 | 素材規定 |
動画形式 | MP4、MPEG、3GP、AVI、MOV |
容量 | 500MB以内 |
動画時間 | 60秒(推奨9~15秒) |
アスペクト比 | 縦型動画:9:16、≥540×960px 横型動画(非推奨):16:9、≥960×540px |
ビットレート | 2,500kbps以上 |
広告フォーマットに関しては、OneDayMaxと同じく動画のみ使用できます。
Brand Premiumのターゲティング
Brand Premiumで設定できるターゲティングは以下の通りです。
大カテゴリ | 中カテゴリ | 小カテゴリ |
通信環境 | 通信環境 | ・Wi-Fi ・2G ・3G ・4G |
キャリア | ・docomo ・au ・Softbank | |
基本情報 | 性別 | ・男性 ・女性 |
年齢 | ・13~17歳 ・13~24歳 ・18~24歳 ・18歳~ | |
地域 | ・日本(47都道府県) ・アメリカ ・中国台湾 ・インド ・ブラジル | |
言語 | ・日本語 ・英語 ・中国語繁体字 ・ポルトガル語 | |
OS | ・iOS ・Android | |
興味関心 | – | ・メイクアップ、スキンケア ・スポーツ、アウトドア ・ファッション、靴、帽子、カバン ・ニュースデータ ・ゲーム ・飲食グルメ ・ペット ・旅行 |
なお、TikTok広告でターゲティング設定を行えるのは、Brand Premiumとブランドオークションのみです。両者を比較した場合、Brand Premiumのほうが設定項目が少ないため、より細かい条件指定を行いたい場合はブランドオークションを活用しましょう。
TikTokインフィード広告④ブランドオークション
ブランドオークションとは、TikTok広告で唯一の運用型広告です。
運用型広告は、広告配信中であってもクリエイティブの内容やターゲティング、予算などを自由に変更できる点に特徴があります。日々の運用成果を見ながら広告の設定を最適化できるため、広告の運用経験が少ない場合に最適です。
TikTokレコメンド内にオーガニックコンテンツと同様の形式で掲載されますが、Brand Premiumと同じように投じた広告費によって順位が決定します。ただしブランドオークションの場合、オークション形式で料金が決まる点に違いがあります。ミニマム予算から広告を出稿できる点が最大のメリットです。
広告メニュー名称 | ブランドオークション |
広告の掲載場所 | レコメンド内(順位変動型) |
価格 | オークション形式 |
ブランドオークションの料金体系
先述した通り、ブランドオークションはオークションによって料金が決まります。
オークションとは、複数の広告主が掲載枠をかけて入札額を競い合う方式です。より高い入札額を提示したほうがレコメンド内の目立つ順位を獲得できます。Brand Premiumのように最低インプレッション数が保証されておらず、あまりにも低い入札額を提示すると広告が表示されません。
ただし、広告配信の目的に応じてAIが入札額を自動的に最適化してくれるため、限りなく少ない予算で広告の露出機会を増やせます。また、実際に費用が発生するのは、広告の「インプレッション」や「動画視聴」が発生したタイミングのみなので、TikTok広告のなかでもっとも費用対効果の高いメニューだと言えます。
以下はブランドオークションの課金形態(実際に費用が発生するタイミング)です。
目的 | 課金形態 | 概要 |
リーチ獲得 | CPM (Cost Per Mille) | 広告が1,000回表示される度に料金が発生 |
動画視聴数の増加 | CPV (Cost Per View) | 広告動画が2秒または6秒再生された時点で料金が発生 |
ブランドオークションの広告フォーマット
ブランドオークションの広告フォーマットは以下の通りです。
項目 | 素材規定 |
動画形式 | MP4、MPEG、3GP、AVI、MOV |
容量 | 500MB以内 |
動画時間 | 5~60秒 |
アスペクト比 | 縦型動画:9:16 横型動画:16:9 正方形:1:1 |
ビットレート | ≥516kbps |
ブランドオークションのターゲティング
ブランドオークションでは、Brand Premiumよりも詳細なターゲティングが可能です。
大カテゴリ | 中カテゴリ | 小カテゴリ |
通信環境 | 通信環境 | ・Wi-Fi ・2G ・3G ・4G |
キャリア | ・docomo ・au ・Softbank | |
デバイスプライス | ・無制限 ・特定の範囲 | |
システムバージョン | ・iOS8.0~ ・Android4.0~ | |
基本情報 | 性別 | ・男性 ・女性 |
年齢 | ・13~17歳 ・13~24歳 ・18~24歳 ・18歳~ | |
地域 | ・日本(47都道府県) ・アメリカ ・中国台湾 ・インド ・ブラジル ・タイ ・マレーシア など15種類 | |
言語 | ・日本語 ・英語 ・中国語繁体字 ・ポルトガル語 など30種類 | |
OS | ・iOS ・Android | |
興味関心 | – | ・メイクアップ、スキンケア ・スポーツ、アウトドア ・ファッション、靴、帽子、カバン ・ニュースデータ ・ゲーム ・飲食グルメ ・ペット ・旅行 など15種類 |
行動 | – | ・動画視聴完了 ・いいね ・コメント ・シェア |
カスタマイズ | カスタムオーディエンス | ・指定 ・除外 |
類似オーディエンス | ・指定 ・除外 |
TikTokインフィード広告に合った動画を制作
インフィード広告のクリエイティブを制作する場合、TikTokのフィード、すなわち「レコメンド」部分の構造に合わせることが重要です。
TikTokレコメンド内の動画はすべて縦型レイアウトです。インフィード広告では横型や正方形の動画も使えますが、運営側から推奨されていません。横型や正方形の動画はレコメンド画面で上下に余白が生まれてしまい、インパクトに欠けるからです。
そのため、できるだけ運営側に推奨されている縦型動画を使用するようにしましょう。
また、自社のマーケティングに合わせたクリエイティブ制作も必須です。
TikTokインフィード広告で推奨されている動画の長さは9~15秒なので、その短期間でユーザーがアクションを起こせるよう、「気になった人はいいねをタップ」や「公式サイトで詳しく見る」といった具体的なCTA(行動喚起)を訴求するとよいでしょう。
TikTokの広告に関して活用に興味をお持ちのかたはぜひ、一度ご相談ください。