コンテンツマーケティングは効果的なマーケティング手法として、数々の企業で取り入れられています。
コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって有益なコンテンツを配信してアクセスを集め、自社のファンを増やしたり、リード獲得、購入等のコンバージョンを得る事ができる効果的なマーケティング手法です。
従来はGoogleやYahoo等の検索エンジンプラットフォームに記事コンテンツを配信して、検索ユーザーを記事コンテンツに取り込む手法が一般的でしたが、動画を利用したコンテンツマーケティングが多くなっています。
動画は今後もますますマーケティングツールとして必須になると考えられますので、この記事では動画のメリットや基礎的な情報から実際の動画コンテンツマーケティングの事例まで解説します。
コンテンツマーケティングに動画を用いるメリット
コンテンツマーケティングで動画を利用するメリットは多数あり、そのメリットも年々大きくなっています。
まずはなぜ動画なのか、その理由をおさえましょう。
動画は情報量が多い
一般的なコンテンツマーケティングはWebページ上で記事コンテンツを配信する方法です。
記事コンテンツと動画コンテンツの大きな違いの一つは、伝わる情報の量でしょう。
1分間の動画で伝わる情報量は3,600ページとも言われており、記事コンテンツよりも多い量の情報をユーザーに届ける事ができます。
コンテンツマーケティングで重要なのはコンテンツがユーザーにとって有益かどうか、ですので有益な情報を効率的に伝える事ができる動画はコンテンツマーケティングと相性がよいと言えます。
動画は記憶に残る
マーケティングで大切なのは集客や認知獲得、ブランディングでの成果を出す事です。
成果を出すためにはコンテンツが見たユーザーの記憶に残らなければなりません。
「ラーニングピラミッド」という学習モデルでは文章を読んだ際の記憶定着率は10%であるのに対して、動画を視聴した場合には20%となる、としています。
記憶定着率で2倍動画の方が優れていることになり、コンテンツを届けた際に覚えてもらえる可能性が格段に上がるのが動画コンテンツです。
また、上述の通り、動画の情報量はWebページよりも格段に多いため、動画でのコンテンツマーケティングの効果としては自社の伝えたい「多くの情報量」をユーザーに届けて「よく覚えてもらえる」というように考えられています。
これはコンテンツマーケティングやWeb広告、コーポレートサイト内、といったあらゆる場面で動画が取り入れられている理由です。
動画コンテンツマーケティングを行う目的、狙いを定める
動画の利用が必須になるという理由でとりあえず動画を作ってみた、という企業は少なくありません。
しかしの動画制作の目的は何で、ターゲットは誰で、そのターゲットに何を伝えたいのか、といったことをあまり考えずに作った動画は「動画が出来上がっただけ」、という状態になることも少なくありません。
コンテンツマーケティング用動画の用途としては主に以下のようなものがあります。
- 自社商品サービス紹介動画
- 採用動画
- 企業PR動画
- SNSマーケティング用動画
- エンタメ系動画(YouTube等のファン獲得用)
このような用途に応じて、どのような動画の構成にするかを決め、どのように視聴者を集めるかの戦略が必要です。
すでにアクセスの集まっている自社サイトに設置する動画コンテンツなのか、動画プラットフォームからオーガニックでのアクセス獲得を行うのか、アクセス獲得は広告を活用するのかといったことも決めた上でそれに最適化した動画を作るようにしましょう。
次からはこれらのパターンの具体的な種類を見ていきます。
動画コンテンツマーケティングの種類
上記の通り、動画コンテンツマーケティングはそれぞれの企業のビジネスモデルや業種業態、目的に合わせて行う事が大切ですが、ある程度動画の使い方にパターンがあります。
自社の特徴を踏まえて、最適なものを見つけたり、様々な手法を組み合わせながらPDCAを回す事が大切です。
記事コンテンツと組み合わせて使う動画コンテンツ
コンテンツマーケティングの主流は記事コンテンツですが、記事コンテンツと動画を併用するケースがとても多くなっています。
Webサイトの記事コンテンツの補完的な役割で、記事上、サイドバー、記事下、といった部分にそのトピックに関する動画を埋め込んでおく事で、検索ユーザーにもうまく動画を見せる事ができます。
せっかく検索エンジン経由で接点を持ったユーザーなので、上述の通り情報量の多くて覚えてもらいやすい動画を見せる構造にしておく事が大切です。
各記事ごとに動画を制作する必要はなく、特定のトピックに関する記事用に1本動画を制作するケースや自社の商品やサービス紹介動画を作ってコンテンツマーケティング用Webサイトに埋め込むケースも多いです。
動画があることにより、サイト内でのユーザーの満足度が向上しその後の会員登録や資料請求、問合せ等のコンバージョンに繋がる可能性も高くなります。
YouTube等の動画プラットフォームでのコンテンツマーケティング
YouTubeやTikTokといった、動画関連プラットフォームでのコンテンツマーケティングも増えています。
特にYouTubeを活用している企業は多く、自社チャンネルで登録者を集めようとする動きも盛んです。
YouTubeではSEO対策が必要な記事コンテンツマーケティングとは違い、おすすめ動画として興味のあるユーザーに自動的にリーチされる可能性があるため、場合によっては記事コンテンツよりもアクセスを集めやすいケースもあります。
また、FacebookやInstagramでも動画の配信は可能です。
FacebookやInstagram等に記事コンテンツ、画像コンテンツ、動画コンテンツと伝えたい内容や必要に応じてコンテンツのツールを使い分けて配信するコンテンツマーケティングも効果的です。
広告と組み合わせた動画活用
広告と動画を組み合わせて広告効果をあげることは、もはや当たり前になってきています。
YouTube広告やTikTok広告といった動画広告だけでなく、ネイティブ広告、記事型広告、といった広告内で動画を効果的に使うケースがあります。
ランディングページ(LP)内での動画の活用も効果的で、例えばリスティング等でも顕在的なニーズを持っており、すぐにでもコンバージョンしそうなターゲットだけでなく、情報収集程度のターゲットでも動画コンテンツによって説得、営業ができるため、コンバージョンにつなげる事ができるでしょう。
動画制作の種類
達成したい目的や自社のコンテンツマーケティングの戦略に応じて、動画制作の種類も念頭に置いておきましょう。
よく使われる動画の種類には以下のような種類があります。
- アニメーション動画
- インタビュー動画
- キャスティング型動画
これも自社に合わせたものを選ぶ必要がありますが、よくあるケースとしては自社商品やサービス紹介動画では、メリットや特徴や仕組み等が伝わるようにアニメーション(モーショングラフィクス)動画を制作する事が多いです。
このモーショングラフィックスは理屈を伝えるのに適しているため、商品紹介、サービス紹介、動画広告でよくつわれます。
ユーザーを目的に導く
目的を達成し、アクセスを集める戦略も立てて制作した動画で、最終的にはユーザーに狙った行動をとってもらう必要があります。
このユーザーを狙った行動(コンバージョン)に誘導する仕掛けをCTAと呼びます。
動画コンテンツマーケティングの事例
動画コンテンツマーケティングは記事コンテンツマーケティングよりも全体的な世界観や、企業のイメージ、方向性に影響されます。
既に良い形で、優れた動画のコンテンツマーケティングを行なっている事例を見ていきましょう。
クラシコム社の事例
クラシコム社の運営する「北欧、暮らしの道具店」のYouTubeチャンネルでは生活の様子そのものをコンテンツ化して配信しています。
クラシコム社のビジネスモデルは雑貨や日用品等をECで販売する形ですので、動画の視聴ユーザーを視聴後にECサイトに誘導するようなCTAも設定されています。
動画の雰囲気も生活感、親近感があり、企業やECサイトのイメージと統一されており、ブランディングにつながっています。
また、記事コンテンツでのコンテンツマーティングも同時に行われており、記事コンテンツで獲得したファンが動画コンテンツを見たり、その逆もあると考えられます。
自社独自の雰囲気や良質なコンテンツでマーケティングが行われている好例でしょう。
モンスターストライク
モンスターストライクは人気アプリゲームですが、YouTubeでの動画コンテンツマーケティングを行なっています。
ゲームユーザーが楽しめるようなコンテンツが配信されており、ゲームユーザーがよりゲームに興味を持つような工夫されたコンテンツが配信されています。
アプリゲームは主にスマートフォンにダウンロードして利用しますが、使い続けてもらうことにも大きな効果があると考えられます。
アプリゲームの種類はかなり多いため乗り換えられるリスクも大きくそれを防ぐためにも、アプリの中以外での接点を持つことで、長い間使い続けてもらえる可能性も高まります。
アプリのダウンロードユーザーに効率的にアクセスしていると考えられ、チャンネル登録者数も100万人を超えており、アプリダウンロード数の増加との相乗効果もあるでしょう。
デリッシュキッチン
デリッシュキッチンは料理動画を配信しているWebサイトを運営しています。
料理をしたい人がデリッシュキッチンを利用することで、レシピの確認をしたり視覚的に作り方を確認でき、動画と文章をうまく組み合わせたコンテンツでユーザーを集めています。
YouTubeも同時に活用してコンテンツを配信しています。
元々Webサイトで動画コンテンツがあるため、YouTube等の動画プラットフォームでコンテンツを効率よく利用している形です。
また、Facebook、Instagram、TwitterといったSNSでも動画コンテンツの配信を行なっています。
ネット環境の改善で動画の視聴体験が良くなっていることもあり、SNS経由でも動画が見られています。
Facebook、Instagram、Twitter、YouTubeといったSNSでコンテンツを見たユーザーと接点をもつことで、デリッシュキッチンWebサイトの方にも一定のユーザーが流れ、新規ユーザーの獲得にもつながります。
動画のコンテンツマーケティングを行う際には、各SNSを使いこなすことも大切で、制作した動画コンテンツがSNSでスマートフォンで見られた場合にどう見えるのか、といった想定をしておくこともポイントです。
サイボウズ社「アリキリ」
動画のコンテンツマーケティングはリクルーティング関連の領域で使われることも多くなっています。
サイボウズ社の「アリキリ」では既存の働き方に対する疑問が投げかけられています。
内容もアニメーションが使われており、コンテンツとして楽しみながら見る事ができます。
会社が従業員や社会全体の「働き方」に対して真剣に考えている事が伝わり、会社のブランディングとしての効果も大きく、採用ブランディングができている企業は長期的に人材が自社に集まってきます。
type
typeはエンジニアの転職サイトです。
typeのターゲットとしてはエンジニア人材で、自身のキャリアアップといったことに関心を持っていると考えられます。
typeのYouTubeチャンネルではビジネスパーソンが気になるトピックを著名人にインタビューする形式で配信しています。
転職をすぐに考えているわけではない潜在的なターゲットに対してもリーチする事ができ、長期的に自社転職サイトを利用してもらえる効果があると考えられます。
コンテンツマーケティングの動画利用まとめ
コンテンツマーケティングで動画を利用することは、あらゆる企業に対して今後もますます必須になっていきます。
しかし戦略のないまま制作した動画が効果を発揮することはありません。
動画コンテンツマーケティングを行うにあたって、最も大切なことは自社のビジネスの構造やマーケティング戦略にあった動画を企画、制作することです。
また特徴として動画コンテンツは資産性が高く、制作した動画はインターネットを通じて長い間顧客に情報を届けます。
またSNS等の動画プラットフォームでも、先行企業の方がフォロワーやチャンネル登録者を集めやすいため、早期に参入することで同じコンテンツでも投資対効果が良くなりやすい、という特徴もあります。
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