営業やマーケティングの手法のDX化や、顧客の情報収集や購買行動の変化により、見込み客が情報収集をする段階で接点をもつ必要性がましています。
見込み客へのリーチは、現状インターネット広告が使われることが最も多いと考えられますが、インターネット広告だけではリーチできない見込み客に効率的にリーチできるのがコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングは他のデジタルマーケティングの手法と異なり、結果が出てくるまでの期間が比較的長いという特徴があります。
この記事ではコンテンツマーケティングの期間に対する費用対効果（ROI）や効果を感じるまでの期間、SEO対策に必要な期間といったコンテンツマーケティングのプロジェクト中で発生する事柄の期間を解説します。
コンテンツマーケティングの仕組みも合わせて解説し、どのような構造のどの部分でで時間かかるのか、といったことからわかるように解説していきますので、１つ１つ見ていきましょう。
コンテンツマーケティングの構成要素
コンテンツマーケティングで必要な期間を知るために、コンテンツマーケティングを成立させる構成要素を知ることが大切です。
コンテンツマーケティングにはいくつか種類があり、検索エンジンを活用するケースや、SNSでコンテンツを発信する方法があります。
一般的に取り入れられているコンテンツマーケティングは、記事コンテンツに対して検索エンジン上からアクセスを集める方法です。
この検索エンジン経由でコンテンツマーケティングを行う際には、大まかに以下のような作業が必要です。
- コンテンツマーケティング全体の戦略設計
- SEO対策、SEO戦略
- コンテンツ制作
- 運用（効果改善）
最も大切なのは１の全体の戦略設計ですが、しっかりと戦略を立てても、一定程度の期間は効果が出るまでにかかってしまいます。
具体的には状況にもよりますが、６ヶ月〜１年ほどはかかるケースが多いでしょう。
まずはコンテンツマーケティングの効果が、期間と共にどのように出るか見ていきましょう。
コンテンツマーケティングは期間と共に効果が伸びる
コンテンツマーケティングはその他のWeb広告とは違い、「積み上げ式」のマーケティング手法です。
一度制作したコンテンツは期間が長くなればなるほど費用対効果（ROI）がよくなります。
なぜなら、一般的なWeb広告のように１クリックごとにクリック単価がかかることなく、継続的にアクセスを集めてくれるため、累計の効果がどんどん上がっていく（コンバージョン単価が下がる）仕組みになっているのです。
コンテンツマーケティングの時間に対する費用対効果イメージ
こちらのグラフのように、初期はサイトの制作やツールの導入、コンテンツの制作等に投資がかかりますが、コンテンツの蓄積と共に資産化されたコンテンツが継続的にアクセスやコンバージョンを集め、どんどん効果が良くなるケースが多くなります。
コンテンツマーケティングの効果を感じるまでの期間
コンテンツマーケティングの成果を実感するまでの期間もWeb広告等と比べると長くなっていると考えられます。
こちらの公開されている調査でも、やはり６ヶ月以上の期間を経過して実感している企業が最も多くなています。
効果が上がってくる、またそれを実感する上でも６ヶ月以上を考えておくと良いでしょう。
SEO対策に必要な期間
基本的に記事コンテンツによるコンテンツマーケティングにおいて、獲得アクセス数に最も大きく貢献するのはSEO対策です。
SEO対策には一定の期間、時間がかかりますが、良質なコンテンツを制作して検索エンジン上での上位表示を獲得すると、きちんとメンテナンスを行うことで数ヶ月〜数年間アクセスを獲得できます。
SEO対策でより上位により早く表示させるためには、何よりも良質なコンテンツを制作することが何よりも大切です。
コンテンツの質は「自社ターゲット」の「検索ニーズ」に答えているかがポイントです。
自社商材のターゲット像はこれまで営業やマーケティングをしてくる過程で、社内にペルソナとして設定があるケースが多いですが、そのターゲットがどのような情報を求めて検索しているのかを細かく想定しましょう。
また、制作する記事コンテンツは検索キーワードをを意識したコンテンツである必要があります。
検索ユーザーがなぜそのキーワードで検索していて、どのようなニーズや課題を抱えているかを知るためには、社内のカスタマーサポートや営業といった顧客の近くにいる方から顧客の生の声を集めて、それをコンテンツ制作に活かすことも効果的です。
具体的にどのようなキーワードで検索されているかを調べるにはGoogleキーワードプランナー等のツールを使うことが効果的です。
googleキーワードプランナー
SEO対策に必要な期間とドメイン
SEO対策に関して注意したいのはドメインの選定です。
コンテンツマーケティングはコーポレートサイトを活用してコーポレートサイトの中で行われることもありますが、コンテンツマーケティング用のサイトやサービスサイト内で行われることもあります。
新しいドメインを使う場合でも、既存のサイトのドメインを使う場合でも効果が出るまで数ヶ月はかかりますが、新しいドメインの方がSEO対策の効果が現れるまでに時間がかかると言われています。
また既存サイトであればすでにある程度の知名度や既存の顧客に認知されているケースもあり、他のサイトに自社サイトのURLが貼ってあるといった有利に働く点も多くあります。
一方、失敗するパターンとしてよくあるのは「戦略を立てずに、ただ単に既存のサイトを利用したが、既存のサイトはSEOに弱い構造になっており、そのサイトにコンテンツを投稿し、SEO対策も行って、長い期間待っていたが結局上位表示されることはなかった」というパターンです。
このケースの問題点は、あらかじめ自社のWebサイトが検索エンジン上でのコンテンツマーケティングに適しているかの調査をせず、コンテンツ制作に取り組んでしまったことでしょう。
すでに制作されているサイトがSEOに弱く、そこでコンテンツマーケティングを行ってしまっている場合には、後からSEOのためのサイトの開発を再度行うことが難しく、後戻りできなくなってしまっている企業も多くあります。
加えて、コンテンツマーケティングで大切なことは、サイトに流入したユーザーがきちんとコンバージョンすることです。
コンテンツマーケティングの場合は、問い合わせ、資料請求、会員登録等がある。
ユーザーにコンバージョンを促すために、最適なデザインやコンバージョンを促すボタン、ポップアップ、資料ダウンロード機能の設置などの機能を追加する必要があります。
その際に既存のサイトでは開発に時間がかかりすぎたり、カスタマイズに費用がかかり過ぎるケースがよくあり、結果としてはコンテンツマーケティングに特化したサイトを用意した方が効果的にも費用的にも良いということは珍しくありません。
・コンテンツマーケティングに必要な開発が、既存のサイトでできるのかもポイント
・新規サイトは効果が出るまでにより長い期間が必要になることが多い
効果が出るまでの期間を早めるためにできること
なるべくブランディングや集客効果が早く出るようにするために、できることは全ておさえておくようにしましょう。
効果が出るまでの期間を短縮するためにできることをご紹介します。
始める前に戦略の設計を行う
事前の戦略の設計に関してはすでに解説した、どのサイトを使ってコンテンツマーケティングを行うか、やどのようなターゲットにどのようなコンテンツを制作するか、といった調査をしてから制作を開始してください。
これは後に方針が悪かったことが発覚して、後戻りができなくなったり、やり直すことが無いようにするために必ず必要なことです。
他のマーケティングと比べて、特に長い期間の運用が必要なコンテンツマーケティングで方針がずれていると、とても時間的な損失が大きいため、自社の業種業態に合わせた戦略をあらかじめ設計するようにしましょう。
制作を同時並行で行う
戦略が固まり、制作の段階に入った際に、並行して制作できるものは並行して制作するとプロジェクトが早く進み、結果として効果が出るまでの期間が短縮されます。
サイト制作、コンテンツ制作、ダウンロード用資料制作、といった準備が必要な項目をなるべく早い段階で制作してサイトに投稿、設置することで検索エンジンがサイトを評価するのも早まります。
データを見ながらPDCAを回す
ある程度アクセスが集まってきた後も、効果が伸び悩まないようにデータを見ながら運用して効果をあげていく必要があります。
基本的なデータの項目だけでも以下のような項目があります。
- アクセス数
- ユーザー数
- 検索表示回数
- クリック数
- クリック率
- 離脱率
- サイト滞在時間
- コンバージョン数
- コンバージョン率
こういったデータの各数値は、サイト内のデザインや構成を変えるだけで、大きく数値が変動することもあります。
例えばコンテンツマーケテイング用のサイトであれば、ヘッダーメニューにどのようなページのリンクを貼るのか、サイドバーにはどのような項目を設けるのか、といった様々なパターンを試すことでどのような構成が最も効果が良いのかわかり、効果を上げるための期間の短縮になるでしょう。
構成を試す際には闇雲に試すのではなく、カスタマージャーニーをあらかじめ設計して狙いを持って仮説と検証を行いましょう。
広告を併用する
コンテンツマーケテイング用に作ったコンテンツにアクセス集めるために、インターネット広告を利用するケースも多く効果的です。
良質なコンテンツであればそのコンテンツをSNS広告等を使って拡散させることで、アクセスの獲得や認知の獲得を行うことができます。
SNSでのフォロワーやファンの獲得にも繋がり、コンテンツマーケティングとの相乗効果も見込めるでしょう。
コンテンツマーケティングの期間まとめ
コンテンツマーケティングで効果が出て実感するまでにはやはり3ヶ月〜１年ほどかかるケースが多くなっています。
時間をロスしないために自社のビジネスモデルにあった、コンテンツマーケティングの戦略を設計してからコンテンツを制作することや、SEO対策を行いながらPDCAを回すようにしてください。
コンテンツマーケティングは成果が出るまでの期間が長い分、成果が出だして以降はとても効果が高くなる傾向があります。
コンテンツマーケティングの導入、運用に興味のある企業の方は、ぜひ弊社のコンテンツマーケティング支援サービスにお問い合わせください。
