サービスや商品、ブランドだけではなく、会社そのものを動画でプロモーションする企業が増えています。
企業PR動画を発信すれば消費者の自社に対するイメージを高められるため、間接的な売上倍増やブランディング、ロイヤリティ向上といった効果が期待できます。
ただ、そんな企業PR動画も、具体的な制作ノウハウがなければ作成することはできません。
そこで今回は、企業PR動画を作成する際のポイントや費用、事例などを解説します。
社内に人材やリソースがない場合でも、プロモーションに効果的な動画を制作することが可能です。
企業・会社のプロモーションPR動画の制作・作成のメリット
企業PR動画とは、自社の特徴や魅力を映像で表現する手法です。動画内で紹介する内容は、企業の経営理念から事業内容、沿革、個々の社員の働き方まで多岐にわたります。
以下はそんな企業プロモーション動画をうまく活用した事例です。
上記の動画には企業のこれまでの歩みや伝えたいメッセージ、自社製品の活用方法などが、わずか10分という短い時間でまとめられています。
一般的に企業情報は、複数にまたがるコーポレートサイトページやWikipediaに長い文章で紹介されることが多いですが、大量の情報を詰め込める動画であればより端的に伝えられます。
また、企業PR動画を使うメリットはほかにも以下のような点が挙げられます。
- 企業自体のブランディングに適している
- 採用活動につなげられる
- 他企業との取引をスムーズに行いやすい
それぞれのメリットについては以下で詳しく解説します。
企業自体のブランディングに適している
ブランディングとは、映像や画像、文章などで企業やブランドのイメージを向上させる施策です。
特に動画の場合、自由な発想による映像表現やサウンド演出による印象付けを行いやすいため、ブランディングには最適なツールと言えます。
上記のようなブランディングは、「企業」よりもイメージ戦略が必要不可欠な「ブランド」において活用されることが一般的でした。
しかし、企業そのもののイメージを一新させるような動画を発信することで、その会社に対する消費者からの信頼やロイヤリティを獲得することもできます。
特定のブランドを持たず、企業自体をブランド化させたい場合に最適です。
採用活動につなげられる
消費者や顧客に会社をプロモーションするだけが企業PR動画の役割ではありません。
消費者や顧客以外にも求職者をターゲットにすることで採用活動にもつなげられます。
たとえば、社員一人ひとりにインタビューして現場の生の声を届けたり、ある営業パーソンの1日の仕事風景を動画化して働き方を紹介するなど、多種多様な発信方法があります。
動画であれば求人票には載っていない定性的な情報まで伝えられるため、求職者の自社に対する理解が進み、より効率的に採用活動を行っていけるでしょう。
他企業との取引をスムーズに行いやすい
自社に対する理解が進むことで取引がしやすくなる点も、企業PR動画を活用するメリットの一つです。
初めて取引を行う企業の場合は、まず取引先の情報を集めようとします。
従来であればコーポレートサイトやWikipedia、もしくは口伝てで情報収集を行うケースが一般的です。
ただ、あらかじめ企業PR動画を公開していると、初めて取引する企業でも簡単に情報を集められます。
コーポレートサイトやWikipediaを見るよりも詳しい情報を知ることができ、なおかつ情報収集が短時間で済むため、他企業との取引をスムーズに行いやすくなります。
また、動画を視聴してもらうことで自社に対するイメージを向上できるので、まさに一石二鳥の取り組みと言えるでしょう。
企業・会社のプロモーションPR動画の制作・作成の費用相場
企業PR動画はすべて社内で制作することもできますが、必要なリソースが不足する場合は莫大な費用と労力がかかるため、あまりおすすめはできません。
そこで動画制作会社への依頼を検討してみましょう。
動画制作会社へ依頼すれば社員の貴重な時間を動画制作に費やす必要がありません。
また、社内に必要な人材やリソースがない場合でも動画を制作できます。
さらに動画制作にまつわるプロが企画や開発に携わることで、社内で作るよりも高品質な作品が期待できる点もメリットです。
企業PR動画を制作会社に依頼すると、以下のような費用が発生します。
プロモーション・PR動画制作料金相場表 | |||
動画の長さ | 動画の種類 | 動画の品質 | 料金相場 |
1分未満 | アニメーション | 低 | 10~25万円 |
高 | 25~60万円 | ||
実写動画 | 低 | 20~60万円 | |
高 | 50~100万円 | ||
3DCG | 低 | 80~100万円 | |
高 | 100~200万円 | ||
1分~3分未満 | アニメーション | 低 | 25~55万円 |
高 | 65~150万円 | ||
実写動画 | 低 | 50~90万円 | |
高 | 80~200万円 | ||
3DCG | 低 | 150~250万円 | |
高 | 250~350万円 | ||
3分以上 | アニメーション | 低 | 40万円~ |
高 | 85万円~ | ||
実写動画 | 低 | 95万円~ | |
高 | 200万円~ | ||
3DCG | 低 | 200万円~ | |
高 | 350万円~ |
上記のように、動画の長さや種類、品質によって制作費が大きく異なります。
よって事前にどのような動画を作りたいかを企画しておき、予算に合わせて最適なプランを組むことが大切です。
仮に、できる限り費用を抑えて品質の高い動画を制作したい場合、制作会社への発注時に次のような工夫を行うことができます。
- 社長や社員インタビューなど、社内の人材を活用してキャスティング費用を抑える
- 撮影場所をオフィスや作業現場に設定して撮影費を抑える
- 編集や細かい加工は社内で行い、ノウハウが不足する作業のみ制作会社に任せる
上記のような工夫をすると費用を最小限に抑えられます。
特に初めて動画を制作する場合は費用対効果をイメージしづらいはずなので、初回のみコスト面を重視して成果をはかるという方法もおすすめです。
動画の製作費に関してはこちらよりお見積もりが可能ですので、ご利用ください。
動画制作会社に依頼した場合の企業PR動画制作手順
企業PR動画を動画制作会社に依頼した場合、以下のような手順で進めていきます。
- お客様の要望をヒアリング
- ヒアリングした内容に沿ってシナリオ設計
- 絵コンテ作成
- 素材作成
- 映像編集
- ナレーションの追加
- 試写
- 動画完成
たった1つの動画を制作するだけでも上記のような複雑な工程を挟むため、社内にノウハウやリソースが不足する場合は膨大な作業時間を要します。
よって初めて動画を制作する場合は、動画制作会社に任せたほうが無難と言えるでしょう。
動画制作会社に依頼する場合でも企画書が必要
動画制作会社に依頼する場合は丸投げでも構わないというイメージも強いですが、事前に企画書を用意しておくことをおすすめします。
企画書を用意しておいたほうが制作会社が動画の方向性を理解しやすくなり、よりイメージ通りの作品に仕上がるケースが多いからです。
企画書に盛り込む内容は、少なくとも「目的・KPI・利用シーン・ターゲット・予算」の5つの要素を検討しておきましょう。
細部まで企画の内容にこだわることで動画の質を高められます。
どうしても企画のアイデアが湧かないという場合は、ヒアリングの際に動画のイメージを具体的に落とし込むことも可能です。
また、ベンチマークとなる他社の動画があるとイメージを明確にしやすくなります。
企業プロモーションムービー・PR動画の制作・作成のポイント
企業PR動画を制作する場合のポイントは以下の通りです。
- プロモーションを行う目的を定める
- 目的に沿った利用シーンを決める
- ターゲットやペルソナを設定する
それぞれのポイントについて以下で詳しく解説します。
プロモーションを行う目的を定める
まずは、「何のために企業PR動画を発信するのか」という目的を定めていきましょう。
明確な目的がないまま動画制作を進めてしまうと、その動画で伝えたい内容がぼやけてしまい、期待した視聴者からの反応(サイトサクセスや製品の購入など)が得られない恐れがあります。
企業PR動画を発信する目的としては、「企業イメージを向上させて間接的な売上につなげる」ことや、「自社の取り組みを詳しく説明して優秀な社員を獲得する」などが挙げられます。
目的が明確になっていると動画の利用シーンやターゲットなども決めやすくなります。
目的に沿った利用シーンを決める
目的が決まった後は、動画の利用シーンを想定していきます。
利用シーンとは、たとえば「公式サイトの採用ページに動画を掲載する」、「SNSの投稿に企業PR動画を添付し、企業イメージを広く伝播する」といった、動画の具体的な活用方法のことです。
動画はYouTubeで公開したり自社サイトに埋め込んだりする活用方法がありますが、場所を限定せずに掲載しておけば必ずしも効果が出るというものではありません。
利用シーンによって動画の効果や役割が大きく異なるからです。
仮に公式サイトに埋め込んだ場合は一部の検索ユーザーしか対象にできませんが、文章や画像といった充実したコンテンツと共に自社の魅力をアピールできます。
SNSの場合は高い拡散力が期待できるでしょう。このような利用シーンごとの動画の役割をよく理解したうえで、最適な活用方法を考えることが重要です。
ターゲットやペルソナを設定する
「誰に向けた発信なのか」という点を意識することも、企業PR動画の制作には重要なポイントとなります。
すなわちターゲットを明確にするということです。
情報を発信したい相手をはっきりとさせておくことで、動画の内容や方向性を定めやすくなります。
ターゲットを設定する場合は、属性を細かく絞り込んだ「ペルソナ」を意識することが大切です。
たとえば30代女性が主なターゲットだとしても、OLとして働く独身女性なのか、専業主婦なのかという属性が異なるだけで企業PR動画の戦略は大きく異なります。
そのため、性別や年齢以外にも「職業・年収・家族構成・住んでいる地域・趣味・自社サービスとの接点・ニーズ」の7つの項目を設定しておくようにしましょう。
ターゲット層という幅広い概念ではなく、「1人の顧客像」に焦点をあてることがポイントです。
企業・会社のプロモーションPR動画の事例
最後に、企業PR動画の優れた事例をご紹介します。
事例(1)昭和電工
「昭和電工」は、石油化学やカーボン、セラミックス製品を提供する化学メーカーです。
上記の動画は、そんな昭和電工の事業や研究開発を紹介するイメージムービーとなっています。
実写映像の中にセンスのあるCGを組み込んでいる点が特徴です。
動画の中で流れるBGMと組み合わさって洗練されたイメージが伝わってくるため、企業全体のイメージアップにつながっています。
事例(2)リノベ不動産
「リノベ不動産」は、中古で購入した物件をすぐにリノベーションしたい人の夢を叶えるワンストップソリューションサービスです。
中古不動産を一新してすぐに活用できるため、貸付事業としても利用できます。
上記の動画は、リノベ不動産の事業やサービス内容を具体的に紹介する企業PR動画です。
代表取締役社長が自ら動画に出演し、事業やサービス内容を丁寧に解説している点が特徴で、キャスティングのコストを省けるだけではなく、視聴者に企業の信頼感を与えることもできます。
事例(3)IHI
「IHI」は、エネルギーや社会インフラ、産業機械などを扱う総合重工業メーカーです。
船や飛行機、ビル、橋など、私たちの生活に欠かせない重工製品の製造および販売を行っています。
この動画で特徴的な点は、モーショングラフィックスという特殊なアニメーション映像を活用していることです。
「IHI」というロゴ自体に動きを加え、同社で扱っているインフラ製品や産業用機械などを表現しています。
実写では表現が難しい重工製品ですが、アニメーション、特にモーショングラフィックスであればイメージ次第で容易に映像化ができます。
莫大な撮影費まで削減できるため、コストを抑えつつおしゃれな映像を制作したい場合に最適な手法です。
事例(4)Google Cloud Japan
企業PR動画をうまく採用活動につなげている事例が、「Google Cloud Japan」です。
同社ではBtoB向けにIaaSやデータウェアハウスなどのサービスを提供しています。
動画では、Google Cloud Japanで実際に働いているプロジェクトチームを紹介。
一人ひとりの社員が普段どのように顧客と接しているのか、チームでどのような会議を行っているのかといった具体的な働き方を映像で表現しています。
その結果、動画を見た視聴者は、求人票や採用ページだけでは知り得ない「企業の中身」を知ることが可能です。
特に社会経験のない新卒者にとっては入社後の具体的な働き方がイメージできるため、エントリー率の向上につながります。
事例(5)SEKI
「SEKI」は、総合印刷や広告宣伝にかかわる企画やデザイン制作を行う企業です。
和用紙を扱うメーカーとして明治41年に創業し、その後約110年の年月を経るに連れて大規模なメディアコンテンツ企業に成長しました。
そんなSEKIが求める人材は、「考える人」です。上記の動画を見ることでSEKIが求める具体的な人物像が見えてきます。
約30秒ほどの短い動画ですが、企業のメッセージが短時間に集約されています。
事例(6)まなびポケット
企業で扱っているサービス内容に焦点をあてて動画を制作しているのが、教育クラウドプラットフォームを展開する「まなびポケット」です。
同サービスを導入することで、学校や学習塾などで簡単にデジタル教材を配信できます。
この動画でも、先述したモーショングラフィックスが活用されています。
ナレーションに合わせてイラストやテキストが自由自在に動くため、まるでアニメを見ているような楽しさを味わえます。
企業のPR・プロモーション動画を制作する際には事前の企画や制作後の運用が最も大切です。
弊社では企画、制作、運用までトータルに提供を行います。お気軽にお問い合わせください。