コンテンツマーケティングのデータ分析とPDCA、評価方法を解説

コンテンツマーケティングのデータ分析とPDCA、評価方法を解説コンテンツマーケティング
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オウンドメディアやコンテンツマーケティング用のサイトやアカウントを開設し、記事、コンテンツを投稿したからといってコンテンツマーケティングが完了するわけではありません。

発信したコンテンツは、必ずしも効果が出るものではないからです。

データ分析や検証、リライトなどの改善を行ってこそ、コンテンツマーケティングの真の効果が発揮されると言えます。

そこで今回は、コンテンツマーケティングのデータ分析や評価方法を解説します。

コンテンツマーケティングで分析するデータ

オウンドメディアやブログでコンテンツを発信し始めると、Google AnalyticsやSearch Consoleを使用する機会も増えてきます。

しかし、上記のような分析ツールにはさまざまな種類のデータが蓄積されるため、あらかじめ必要なデータを絞り込んでおく必要があります。

抽出できるデータのなかでも、基礎的で特に重要なものは以下の通りです。

  • 新規ユーザーと既存ユーザー
  • 記事別のページビュー数
  • 自然検索流入数
  • 流入キーワード
  • CV・CVR
  • コンバージョン貢献度
  • 直帰率・離脱率
  • 参照サイト数
  • ソーシャルの拡散性
  • 集客貢献度

それぞれのデータについて詳しく解説していきます。

新規ユーザーと既存ユーザー

Google Analyticsを利用すると、Webサイトにアクセスしたユーザー数を調べられます。

Google Analyticsで扱われるユーザー数とは、一定期間内にアクセスしたブラウザ数です。

ユーザーが利用するブラウザごとに個別のIDが発行され、ユーザー数としてカウントされます。

また、期間内に初めてアクセスした新規ユーザー数も調べることが可能です。

オウンドメディアやブログを運営するうえで、「どの程度のユーザーにサイトを利用してもらっているのか」という指標を知ることは非常に重要です。

ただし、ユーザー数のみの指標であれば、「リピーターが多いのか、それとも新規ユーザーが増えているのか」という点が分かりません。

Google Analyticsではユーザー数を調べるだけではなく、「ユーザー>概要」から、サイトを訪問したユーザーの属性を「既存ユーザー」と「新規ユーザー」に分類できます。

それぞれの割合は%で表示が可能です。

これにより、たとえば「ユーザーの属性がリピーターばかりなので、SEO対策がうまく作用していないのでは」といった仮説、分析が可能になります。

記事別のページビュー数

ページビュー(PV)数とは、特定のページが閲覧された回数です。

Webサイトを利用する同じユーザーであっても、複数ページを閲覧すれば同回数のページビューが加算されます。

たとえば、あるユーザーがWebサイトのトップページから、特定の新着記事をクリックしたとしましょう。

この時点でページビュー数は2回となります。

さらにページビューは、一度ブラウザを閉じた後、同じページに戻ってきた際もカウントされるため、このユーザーが同じ日にもう一度同ページを見た場合のページビュー数は3回です。

上記はサイト全体のページビュー数を表しますが、Google Analyticsでは個別記事ごとにページビューを調べることができます。

「行動>行動フロー>サイトコンテンツ>すべてのページ」の順でアクセスすると、ページビュー数の多い順に特定ページURLが表示される仕組みです。

このデータ分析では、「閲覧数の多いコンテンツページと少ないコンテンツページ」が明らかになります。

閲覧数の少ないページはSEO対策の不備やコンテンツの内容の問題など、何らかの課題を有している可能性がありますが、本来の戦略に合わせて分析を行いましょう。

自然検索流入数

自然検索流入数とは、Webサイトに流入したユーザーのうち、検索エンジンを経由した割合を示します。

つまり、自然検索流入数の割合が多いと、SEO対策が有効に機能しているということです。

Google Analyticsでは「Organic Search」が自然検索流入を表します。「集客>すべてのトラフィック>チャネル」から確認しましょう。

サイト流入の方法には、自然検索のほかに以下のような種類があります。

  • Paid Search:リスティング広告からの流入
  • Direct:ブックマークなどを使った直接的な流入
  • Referral:外部サイトからの流入(被リンク)
  • Social:FacebookやTwitterなどSNSからの流入

検索エンジンを活用したコンテンツマーケティングの場合、自然検索流入であるOrganic Searchがもっとも重要な指標となります。

ただし、サイトの運用方針によってどの流入方法を重視するかが異なるため、決して一概には言えません。

仮にOrganic Searchの割合が低く、なおかつページビュー数も少ない場合は、SEO対策の方法を見直す必要があります。

流入キーワード

自然検索流入数の割合が低いときに役立つのが、流入キーワードです。

流入キーワードを調べることで、狙っているキーワードごとの平均掲載順位が分かります。

平均掲載順位を参考にすれば、SEO対策に不備のあるコンテンツをあぶり出せる仕組みです。

流入キーワードを調べるには、Googleが提供するSearch Consoleが役立ちます。

Search Consoleだとキーワード別の平均掲載順位のほか、インプレッション数やCTR(クリック率)まで分析できます。

CV・CVR

CV(コンバージョン)とは、事前に設定した目標のことで、その達成率をCVR(コンバージョン率)と言います。

たとえば「問い合わせの獲得」や「会員登録」など、CVは特定の成果を表しています。

Google Analyticsを使うと上記のようなCVの設定が可能です。仮に「問い合わせの獲得」がCVだとすると、「問い合わせが完了しました」というページURLを設定することで問い合わせ数やCVRを分析できます。

こうしたCVに結び付いてこそ、コンテンツマーケティングを行う意義があります。

よって「ユーザー数やページビュー数が伸びているので安心」と考えるのではなく、しっかりとCVやCVRにつながっているのかという点も確認しておきましょう。

コンバージョン貢献度

Google Analyticsでは、CVを設定するときに「値」を付与できます。

CVの値には目標達成における金額を設定することができ、数値が高いほどCVに対する影響度が高いことを表します。

値を設定しておくことで、「行動>行動フロー>サイトコンテンツ>すべてのページ」から、「ページの価値」としてコンバージョン貢献度をはかることが可能です。

この数値を確認すると、各ページのコンバージョンに対する金銭的な貢献度を分析できます。

たとえば、各ページの最下部に掲載した問い合わせの獲得がCVだったとしましょう。

仮に特定のページのみページの価値の数値が低い場合、「情報量が多すぎて、問い合わせボタンへたどり着く前にユーザーが離脱している」といった仮説が立てられます。

同時に直帰率の項目を確認して数値が高い場合、その仮説が正しいことが立証できるでしょう。

上記のケースでは、記事内の文章量を少なくすることで改善が可能です。

各ページのコンバージョン貢献度を確認すれば、コンテンツページごとのCVの質が高まります。

直帰率・離脱率

ページ単位で表示される離脱率は、そのページでWebサイトを離脱した人の割合を表します。

なかでも、最初に訪れたページからほかのページへ移行せず、そのまま離脱した人の割合を直帰率と言います。

通常、ユーザーは「このサイトには自分に役立つ情報が多い」と思えば、リンクを経由して複数のページにアクセスするはずです。

一方、直帰率が高いということは、ユーザーが「ほかのサイトのほうが役立つ情報がありそう」と考えて離脱してしまっていると考えられるでしょう。

よって離脱率の高いページには、ほかのサイトにはない独自性の高いコンテンツや信頼のある情報を追加する必要があります。

参照サイト数

参照サイトとは、被リンクが掲載されたWebサイトやWebページです。

Google Analyticsで「集客>すべてのトラフィック>参照サイト」の順でアクセスすると、「どのようなWebサイトやページを経由して自社サイトに訪問したか」というデータが表示されます。

一覧で表示される数が増えていると、自社サイトの被リンクを掲載するケースが増えているということです。つまり、自社で提供する情報が、ほかの数多くのサイトで役立っていると考えられるでしょう。

反対に参照サイト数がなかなか伸びないようであれば、コンテンツの作成方法そのものを見直す必要があります。

たとえばインタビューや自社スタッフを活用したオリジナルコンテンツの作成や、公的データをもとにした信憑性の高い情報発信など、ほかのサイトが自社サイトのリンクを掲載したくなるような仕組みが必要です。

参照サイト数、すなわち被リンクの数が増えるとSEOにも効果的です。

被リンクを多数獲得したWebページは検索エンジンからのページランクが高まるため、間接的な検索順位上昇に寄与します。

ソーシャルの拡散性

最近では、情報の拡散にSNSが欠かせないツールとなっています。

検索エンジンからの流入という能動的なユーザーのアクセスを期待するコンテンツマーケティングですが、SNSを活用するとよりアクティブな情報発信が可能になります。

ただし、ソーシャルでの拡散性を分析するには、Google AnalyticsやSearch Consoleではすべての情報を確認できません。

より分析の正確性を高めるには、TwitterアナリティクスやFacebookインサイトなどを活用しましょう。

また、TwitterやYahoo!のリアルタイム検索で拡散状況を確認することもできます。

集客貢献度

オウンドメディアやブログを経由してECサイトでCV(売上や販売数量の増加など)を設定している場合は、集客貢献度を分析するのも方法の一つです。

集客貢献度は、「オウンドメディアやブログを経由し、どの程度ECサイトへアクセスが流れたか」を表します。

Google Analyticsでは、CVに特定のリンクを設定することができます。

たとえばECサイトのURLをCVに設定しておくと、コンテンツページごとにECサイトへ流入した割合やCVRが分かります。

また、ほかにもECサイト側の分析ツールで、参照元を確認する方法もあります。

ただし、分析のたびに参照元を検索するのは手間がかかるため、Google AnalyticsのCV設定のほうが便利なケースも多いでしょう。

コンテンツマーケティングのデータ評価とPDCA

ここまでお伝えした細かいデータは、あくまでデータ分析を行ううえでの一つの指標にしかすぎません。

一つひとつのデータを収集した後、今度はデータ評価を行う必要があります。

ここでは、コンテンツマーケティングにおけるデータ評価の方法を解説します。

データ評価の基本はPDCA

集積したデータを評価するために役立つのが、PDCAと呼ばれるフレームワークです。

PDCAはPlan(計画)からDo(実行)、Check(評価)、Action(改善)へとつながる一連のプロセスを表し、改善を行った後はさらに計画へと戻りサイクルを回転させていきます。

本来は生産管理や品質管理でよく利用されるフレームワークですが、コンテンツマーケティングのデータ評価にも活用できます。コンテンツマーケティングに活用した流れは以下の通りです。

サイクル

具体例

Plan(計画)

・目的につながるKGIを設定

・KGIを達成するためのKPIを設定

・1つのKGIに対して複数のKPIを設定しておく

・ここで設定する数値は目標値であること

Do(実行)

・コンテンツ企画、作成、配信の一連のコンテンツマーケティング

・KGIとKPIの各指標からデータを抽出する

・Google Analyticsからサイトデータを引き出す

・TwitterアナリティクスからSNSデータを引き出す

Check(評価)

・Planの段階で設定した目標値と実際の数値を比較

・目標値に達しないデータは仮説を立てる

・仮説に応じた別の指標を参照する

・サイト全体ではなくページ単体ごとに検証する

Action(改善)

・仮説に応じて改善方法を定める

・その改善方法を各コンテンツページに反映させる

・その他改善施策を実行する

Plan(再計画)

・反映させた結果の検証期間を決める

・実際に運用を行って改善した効果が出るかを検証

・新たにKPIを設定し、再びDo→Checkへとつなげる

・効果が改善されるまでサイクルを繰り返す

KGIとKPIについて補足します。

KGIとは・・・目標を具体的な数値に落とし込んだときの指標です。
KPIとは・・・KGIを達成するための指標で、1つのKGIに対して複数のKPIが設定できます。

たとえば、「100万円の売上を達成する」というKGIを設定したとしましょう。

すると売上を達成するには、「販売数」と「客単価」といった別の指標が必要です。

この別の指標がKPIとなり、「販売数1,000個」や「客単価1,000円」と設定していくことができます。

KGIやKPIには、先ほどお伝えした「ユーザー数」や「ページビュー数」といった分析ツールで取得できるデータが設定可能です。

こうした具体的な指標がないと、「何を基準にしてデータを評価すればよいか」という点があいまいになるため、必ず事前に設定しておきましょう。

具体的な企業でデータ評価を行った場合

では、具体的にデータ評価はどのように行えばよいのか、実際の企業を例に出して独自の分析を行い、解説していきます。

ここで取り上げるのは、インテリアやファッションなどさまざまな北欧グッズを取り扱う「北欧、暮らしの道具店」です。

業界では有名なコンテンツマーケティングをうまく取り入れたECサービスです。

【北欧、暮らしの道具店】
https://hokuohkurashi.com/?mode=grp&gid=300001749

同サイトは本来ECサイトではあるものの、「目に心地よいリビングの秘訣」や「わたしの朝習慣」などオウンドメディアとしての情報発信も行っています。

基本的には、独自性の高い「読み物系コンテンツ」でサイト内の回遊率を高め、商品ページに直接結びつく「お買いものコンテンツ」から売上を獲得する仕組みです。

そのため、以下のような指標をもとにデータ評価をすることができます。

想定される重要な指標例

検証の重要性

読み物系コンテンツの直帰率の低さ

ユーザーを引き寄せるのは読み物系コンテンツの役目なので、読み物系コンテンツの直帰率を下げ、内部リンクからお買いものコンテンツにアクセスしてもらう必要がある

Social流入の割合

本サイトは自然検索よりもSocial流入の割合が高いと思われるため、InstagramTwitterからの流入者数や経路などを調べる必要がある。
また
SNSアナリティクスも活用し、投稿別の流入割合の検証も必須

読み物系コンテンツのCVとCVR

CVにはお買いものコンテンツのURLを設定。
そのうえで
CVを検証すると、「読み物系コンテンツからお買いものコンテンツに移行した割合」が分かる

お買いものコンテンツのCVとCVR

CVには購入完了ページのURLを設定。そのうえでCVを検証すると、「お買いものコンテンツを経由して購入にいたった人の割合」が分かる

コンバージョン貢献度

お買いものコンテンツに掲載する商品の単価をもとに、CVには値を設定できる。
各ページのコンバージョンに対する金銭的な貢献度を分析して、ページごとの順位付けやリライトを行う

 

コンテンツマーケティングのデータ分析やPDCAは多種多様

コンテンツマーケティングのデータ分析やPDCAの回し方はその企業の業種業態や行っているコンテンツマーケティングの手法によって最適な方法を取り入れる必要があります。

自社ビジネスにあった手法を取り入れ、最適な改善施策を行うことが何よりも重要で、効果に直結します。

弊社ではコンテンツマーケティングの企画から制作、運用までワンストップでサービス提供が可能です。

ぜひ一度お問い合わせください。

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