アパレル企業のコンテンツマーケティングのポイント・手法・事例を解説|ファッション業界での活用

アパレル企業のコンテンツマーケティングのポイント・手法・事例を解説|ファッション業界での活用コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングを動画で理解!【基礎からサービス紹介】

アパレル企業において、積極的にコンテンツマーケティングを活用する企業が増えてきました。

新型コロナウイルスによる業界全体の業績悪化やユーザーの価値観の多様化などを背景に、アパレルやファッション企業には大きな変革が求められています。

コンテンツマーケティングは、その変革を支える屋台骨として期待されています。

しかし、メディアの運用戦略やSEO対策など、コンテンツマーケティングには幅広い知識が求められるのも事実です。

知識やノウハウがなければ、コンテンツマーケティングにかける費用や時間をムダにしてしまいかねません。

そこで今回は、アパレル企業におけるコンテンツマーケティングのポイントや手法を解説していきます。

最後には成功事例も紹介するため、自社に最適なコンテンツマーケティングの手法を見つけることも可能です。

アパレル・ファッションとコンテンツマーケティングは好相性

コンテンツマーケティングを活用するのはIT業界が中心になっているようにも思えますが、実はアパレルやファッション業界でも施策を実施する企業が増えています。

ファッションアイテムがあると、各シーズンのトレンド情報やオリジナルコーディネートなどのコンテンツを発信しやすいため、コンテンツマーケティングとの相性は抜群です。

コンテンツマーケティングとは、ユーザーに価値のあるコンテンツを提供することで、見込み顧客の獲得からニーズの育成、ファンへの昇華へとつなげる施策です。

コンテンツには、Web記事や動画、メルマガ、あるいはユーザー自身が情報を発信する「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」などの種類があります。

そのコンテンツをオウンドメディアやSNS、動画配信サイトなどで発信することがコンテンツマーケティングの要諦です。

たとえばブランド専用のオウンドメディアを立ち上げたとしましょう。

アパレル企業のオウンドメディアでは、ブランドの最新情報に加え、ファッショントレンドや街頭スナップ、芸能人インタビュー、スタッフのおすすめといったさまざまな情報を発信できます。

同じオウンドメディアを閲覧する場合でも、ユーザーによって置かれている状況が違うため、商品を詳しく知らない人には複数製品の比較コンテンツを、既存ユーザーにはコーディネートを紹介するコンテンツを提供するなど、読者ニーズに応じて幅広いアプローチが可能です。

上記のように細かいユーザーニーズに適応できるのも、コンテンツ制作に応用しやすいファッションアイテムならではと言えるでしょう。

アパレル・ファッションが利用するコンテンツマーケティング手法とノウハウ

アパレルやファッション企業が利用するコンテンツマーケティングには、以下の2通りの手法が存在します。

  • アパレル×検索エンジン型コンテンツマーケティング
  • アパレル×SNSコンテンツマーケティング

両者はいずれも単独で実施するものではなく、2つの手法を組み合わせてこそ真の効果を発揮します。

よって両方の手法を理解しておくことが重要です。

ここからは、それぞれの手法について詳しく解説していきます。

アパレル×検索エンジン型コンテンツマーケティング

検索エンジン型コンテンツマーケティングとは、オウンドメディアやブログで発信するWeb記事を活用する手法です。

この手法にはSEO対策の知識が欠かせません。検索エンジンでは記事が上位に表示されないと、効果的なアクセスが見込めないからです。

こうした検索エンジンで意図的に上位表示を獲得しようとする施策を、SEO対策と言います。

検索エンジン型コンテンツマーケティングは、消費者の細かいニーズに応じてコンテンツを提供するときに最適です。

消費者のニーズは「AISASの法則」によって細かく分類ができます。

AISASの段階

消費者の状態

行動例

Attention(認知)

ブランドや商品のことを詳しく知らない状態。
消費者は、目的の商品を探すために必要な知識を得ようとする

検索エンジンで「洗濯機 タイプ 違い」や「洗濯機 設置方法」などのキーワードを調べる

Interest(興味)

ブランドや商品のことを知り、興味や関心を持った状態。
消費者は、複数の商品を比較検討して最適な商品を見つけようとする

検索エンジンで「洗濯機 おすすめ」や「ドラム型洗濯機 比較」などのキーワードを調べる

Search(検索)

複数商品の比較を終え、欲しい商品がある程度固まった状態。
消費者は、特定商品のさらに詳しい情報を調べようとする

公式サイトで商品の仕様や具体的な使い方を調べたり、ECモールやSNSで口コミを参照する

Attention(購買)

購入の意思を固めた状態。
消費者は、お得に買える方法や安く提供している店舗などを探そうとする

公式サイトのキャンペーンやクーポンを探したり、店舗ごとの価格比較を行う

Share(共有)

商品を購入し、実際に使用した後の状態。
消費者は、その商品に満足しているときほど、ほかの人にもおすすめしようとする

購入サイトでのレビュー書き込みやSNSでの口コミ投稿、あるいは既存ユーザーが紹介する便利な活用方法などを調べる

たとえばAttentionの段階では商品に対する消費者の知識が乏しいため、商品を利用するための知識やノウハウを発信することができます。具体的には、「濃紺スーツのかっこいい着こなし方」などです。

すると今度はInterestの段階へと消費者のニーズが移行するため、具体的な商品を比較検討できるよう、「濃紺スーツのブランド別比較」といったコンテンツが有効となります。

上記のように検索エンジン型コンテンツマーケティングでは、ユーザーニーズに応じて最適なコンテンツを用意し、徐々に購買意欲を醸成していきます。

購買意欲が最大まで高まった時点、すなわちAttentionの段階で自社商品を訴求すれば、より効果的にプロモーションが可能になる仕組みです。

検索エンジン型コンテンツマーケティングを行うには、ユーザーニーズを捉える記事とその記事を分類・格納できるメディアサイトが欠かせません。

アパレル×SNSコンテンツマーケティング

SNSコンテンツマーケティングとは、FacebookやInstagram、Twitterを使って価値のあるコンテンツを発信する手法です。

また、YouTubeやTikTokなど、動画型のSNSを活用する場合もあります。

コンテンツマーケティングにSNSを活用すると、情報が拡散しやすい点が最大のメリットです。

そのため、新商品のプロモーションやキャンペーンなどの情報を広範囲に伝えたいときに役立ちます。

ここでは、コミュニティ型と動画型のSNSコンテンツマーケティングについて解説していきます。

Facebook・Instagram・Twitter

コミュニティ型のSNSには、FacebookやInstagram、Twitterなどの種類があります。いずれも巨大SNSプラットフォームを構築しており、Facebookの国内アクティブユーザー数は2,600万人、Instagramは3,300万人、Twitterは4,500万人を記録しています。

コミュニティ型SNSの強みは、ユーザーと直接的なコミュニケーションをとれることです。

コンテンツマーケティングにおいて、企業とユーザーとの距離を近付けることは何よりも重要です。その点、FacebookやInstagram、Twitterは、ユーザーとの接点を生み出すツールとして最適な選択肢と言えます。

たとえば、新商品のリリース情報をTwitterに投稿したとしましょう。

すると、その内容がよければ、ユーザーからは「いいね」の形でリアクションが行われます。

また、「待ちかねていた商品がとうとう発売した」ともなれば、自社の投稿がリツイートされる可能性もあります。

企業にとっては、ユーザーからのリアクションを見ながら、リアルタイムで施策の修正や改善を行えるということです。

反対にユーザーにとっては自分たちの役立つ情報が常に発信されるため、SNSを活用したコンテンツマーケティングは双方にとってメリットがあります。

Facebook・Instagram・Twitterによるマーケティングは多くの会社で使われる基本的な手法でしょう。

YouTube・TikTok

検索エンジン型コンテンツマーケティングのように、コンテンツの柔軟性に富むのがYouTubeやTikTokのメリットです。

ユーザーニーズに合わせて細かくコンテンツの種類を変化できるだけではなく、幅広いターゲットにもアプローチができます。

たとえば、商品のことを詳しく知らない人に対しては、製品やサービスのメリットや魅力を訴求する商品紹介動画を、すでに購入を決定した顧客に対しては使い方解説動画といったように、1つの商品だけでバリエーション豊かな動画が用意可能です。

また、さまざまなSNSに掲載される動画広告を利用すれば、能動的に情報を調べるアクティブなユーザーだけではなく、自社のことをまったく知らない潜在ユーザーにもアプローチができます。

検索エンジン型コンテンツマーケティングとの組み合わせにも最適です。

仮にコーディネートの紹介やトレンド情報などの記事からECサイトへユーザーを誘導した場合、ECサイトに商品の仕様がよく分かる動画を掲載しておくと、CVR(コンバージョン率)の改善が期待できるでしょう。

動画コンテンツを活用したマーケティングは奥が深く、コンテンツの種類や制作方法などさまざまな要素を理解しなければなりません。

以下の記事では、動画コンテンツを使ったマーケティングをより詳しく解説しています。本格的に動画を活用したい場合はぜひ確認してみてください。

【関連記事】
動画コンテンツの活用方法|企業の動画コンテンツを利用シーンと事例を紹介

アパレル企業のコンテンツマーケティング事例

最後に、アパレル企業のコンテンツマーケティング事例をご紹介します。

複数の事例を知っていると、より具体的なコンテンツマーケティングの手法が理解でき、自社ビジネスにも応用しやすくなります。

事例(1)ユナイテッドアローズ(ヒトとモノとウツワ)

人気セレクトショップのユナイテッドアローズでは、オウンドメディアである「ヒトとモノとウツワ」を運営しています。

同社で働く社員に着目した「ヒト」と、独自の選択眼で厳選された「モノ」、そして企業の取り組みなどを伝える「ウツワ」の3つのコンセプトで成り立っています。

単なる商品やコーディネートの商品ではなく、たとえば「コンテンツクリエイター集団kontaktのメディア論」や「江戸時代から受け継がれる京プリントの真髄」など、独自性の高いコンテンツを生み出している点が特徴です。

近年では、ユナイテッドアローズのほかにも、シップスやビームスなどセレクトショップ各社が積極的なコンテンツマーケティングを施行しています。なかでもユナイテッドアローズの事例は、オリジナルコンテンツを企画する際に大いに参考になります。

【ヒトとモノとウツワ】URL:https://taisetsu.united-arrows.co.jp/

事例(2)オニツカタイガー(オニツカタイガーマガジン)

独特な配色や快適性の高いフォルムのスニーカーで人気のオニツカタイガー。「オニツカタイガーマガジン」は、そんなオニツカタイガー(アシックス)が運営するオウンドメディアです。

先ほど紹介した事例は、アパレル業界のなかでも小売業態のオウンドメディアでした。一方のオニツカタイガーはメーカーにあたるため、商品の作り手としてオウンドメディアを運営したい企業の参考になります。

記事のテーマは新商品や新ショップの情報が中心ではあるものの、なかにはインタビュー記事や街頭スナップといった独自コンテンツも用意されています。また、記事と共に動画も掲載し、ページのユーザー滞在時間を伸ばすことでSEO効果を高めています。

【オニツカタイガーマガジン】URL:https://www.onitsukatigermagazine.com/

事例(3)Tabio(公式Instagram)

コンテンツマーケティングにInstagramを効果的に活用するのが、オシャレで手頃な価格帯の靴下を販売するTabio(タビオ)です。

Instagramと言えば、お気に入りの写真を投稿してカタログのように見せることができるSNSです。ただし、単に靴下の画像を並べているだけでは単調な印象は拭えず、効果的なコンテンツマーケティングとは言えません。

その点、Tabioでは写真の撮影方法に変化を加え、ユーザーが飽きないような工夫が凝らされています。たとえば足元だけを拡大した写真もあれば、全身のコーディネートのポイントに靴下を映すような写真もあります。

また、商品の仕様が気になる人は、投稿のなかにあるリンクをクリックするだけで商品ページにたどり着けます。ECサイトとの連携がとれた効果的な事例と言えるでしょう。

【Tabio公式Instagram】URL:https://www.instagram.com/tabio.jp/?hl=ja

事例(4)グローバルワーク(ブランディング動画)

GLOBAL WORK 25th BrandMovie /Summer ver 30sec

コスパの高いカジュアルファッションブランドであるグローバルワーク。上記は、グローバルワークの生誕25周年を記念して制作されたブランディング動画です。

キャストには豪華な俳優や女優を登場させ、注目度の高い内容に仕上がっています。30秒の短い動画ではあるものの、さまざまなシーンで活用しやすいグローバルワークの汎用性の高さが最大限に伝わってきます。

【グローバルワークYouTubeチャンネル】URL:https://www.youtube.com/channel/UC9ZS6jy0op6qoY3kRZTPaTQ

事例(5)ユニクロ(#UTPlayYourWorld)

日本を代表するグローバルアパレル企業ユニクロでは、TikTokを活用し、2019年6~7月に「#UTPlayYourWorld」のキャンペーンを実施しました。

ユーザーは上記のハッシュタグを付け、UTを着用した動画を撮影してキャンペーンに参加できます。応募者のなかから5名のグローバル・インフルエンサーを選出し、世界中のユニクロ店舗や公式SNS、国内テレビCMなどに出演できるという内容です。

最終的に参加者の数は9.5万人を超え、3.3億回を上回る総視聴回数を叩き出して大成功のキャンペーンとなりました。ユーザー参加型のコンテンツを生成できるだけではなく、ユニクロやUTの世界的な宣伝効果も計り知れません。

 

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