コンテンツマーケティングの費用対効果(ROI)の計測と考え方

コンテンツマーケティングの費用対効果(ROI)の計測と考え方コンテンツマーケティング
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コンテンツマーケティングといった集客手法を取り入れる際に、最も大切な判断材料となるのが、費用対効果(ROI)でしょう。

コンテンツマーケティングは集客や営業のデジタル化が進む中、従来の集客方法と比べてはもちろんのこと、広告等と比べても、非常に費用対効果高くなるポテンシャルが高くなっています。

今回はコンテンツマーケティングを行う際に発生する費用を洗い出し、またそれによりリターンとして得られる効果をご紹介します。

全体的な費用対効果(ROI)に関しても解説します。

コンテンツマーケティングをしたことがない方でも、基本の部分から解説していきますので、1つずつみていきましょう。

コンテンツマーケティング概要

コンテンツマーケティングとは主に自社から見込み客に対して、有益な情報提供を行い、見込み客、既存顧客との良好な関係を築くマーケティング手法のことです。

具体的には自社でWebメディアを作り、記事を配信してGoogle,Yahoo等の検索エンジンで上位表示させ、アクセスを集めて記事を読んだ見込み客を自社サービス、商品を購買してくれるように誘導したり、資料請求、お問い合わせを獲得するといった形で接点を持ちます。

また、SNS関連のプラットフォームで画像、動画、Webコンテンツ(記事)を配信する手法も増えています。

基本的にはどれか一つだけを行なっている、というケースではなく、検索エンジン、SNSその他のプラットフォームを併用しながら、効率よく自社のターゲットにリーチしていく、という方法が取られていることが多いです。

コンテンツマーケティングの費用対効果とROIの考え方

コンテンツマーケティングの費用対効果について考える前に、「費用対効果」の定義について考えます。

広告マーケティング、集客の世界ではよく「費用対効果」や「投資対効果(ROI)」という言葉を耳にします。

状況によっては同じ意味として使われているケースも多く見受けられ、「いくら投資したらいくらくらいのリターン(利益)があるか」といった意味合いでしょう。

実は厳密にはコンテンツマーケティングは厳密な意味では「費用対効果」として考えるのは適切ではりません。

今回のケースでは費用対効果と投資対効果を以下のように設定します。

費用対効果…その施策の実行中、広告等の出稿中、もしくは出稿終了後すぐに、もしくは短期間で消滅する効果に対してのROI(投資対効果)
投資対効果…その施策の実行中、広告等の出稿中、もしくは出稿終了後もずっと、もしくは長期間持続する効果に対してのROI(投資対効果)

つまり短期的な効果について測定して投下したリソースと比べるのか、長期的な効果について投下したリソースと比べるのかの問題です。

例えば多くの広告メニューのような短期的にしか効果が見込めないような施策は、「費用対効果」で考えて、ブランディングのための施策のような、長期的に会社のイメージを高めてくれることに効果が発揮される性質のものは「投資対効果(ROI)」で考えよう、ということです。

コンテンツマーケティングは費用対効果よりROIの側面が強い

コンテンツマーケティングに関しては費用対効果で考えることも決して間違いではないですが、投資対効果(ROI)で考えることの方が適切であるように思われます。

理由は自社でWeb上に投稿した記事や制作した画像、動画はその後インターネット上に残り、広告のように掲載期間や予算がなくなり次第終了、ということにはならないからです。

また主に使われている検索エンジン経由でのアクセス獲得ですが、これも基本的に保守、改善する必要はありますが、検索上位を獲ってから数ヶ月から数年はそこに残り、継続的に集客をしてくれるのです。

広告等は比較的即効性のある場合が多いので、普及度も高いですが、長期的に集客力を強めるためにはコンテンツマーケティングが欠かせません。

コンテンツマーケティングの費用対効果、ROIを予測できるようになるために、まずはコンテンツマーケティングにかかる費用の内訳を見ていきましょう。

コンテンツマーケティングにかかる費用一覧

いろいろな施策やプラスアルファの部分を足していくと、上限なく追加することができるので、ここではコンテンツマーケティングを始める際に最低限必要な費用をご紹介します。

サイトの構築費用

まずはコンテンツを投稿するサイトが必要です。

コンテンツマーケティング用に新しくWebサイトを制作する場合には製作費として約30万~300万円ほどが相場です。

コンテンツマーケティングを行うためにサイト内でのユーザーの回遊を設計したり、狙ったコンバージョンポイントへユーザーを誘導するためのサイト構成にする必要があります。

アクセスが集まっているのにもかかわらず、コンバージョンが少ないサイトもあれば、少ないアクセスで多くのコンバージョンを集めるサイトもあり、その原因の一つはWebサイトの構成にあります。

費用対効果(ROI)に関わる重要な部分ですので、しっかりと設計をしてから制作するようにしましょう。

一方サイトの制作方法として、既存のコーポレートサイトのサブディレクトリをコンテンツマーケティング用として使う方法もあります。

現在のコーポレートサイトの構成や、既存のサイトがどのような形で開発されているかによって、この方法がが取れるのかが決まりますので、一概には言えませんが、コーポレートサイトの一部を利用してコンテンツマーケティングをしている会社も少なからずあるので、自社によってどちらが良いか各社ごとの判断になると思いますが、どちらにせよ開発費はかかるでしょう、。

また、このサイト制作のタイミングで、ドメインが必要な場合にはドメイン使用料、レンタルサーバを使う場合にはレンタルサーバ使用料がかかります。

費用の相場感としてはそれぞれ月間数千円~数万円の範囲でしょう。

コンテンツ制作費用

コンテンツマーケティングの費用対効果(ROI)をあげる上で最も大切な部分の費用です。

Webサイトに投稿する記事の制作費用は、月間でどのくらいの本数を制作するかによって費用が変わってきますが、量産されたような質の悪い記事ではなく、検索エンジンで上位表示を狙えるようなコンテンツを制作すると、一本当たり2万円~10万円ほどになるでしょう。

もちろん内容の薄い記事や、極端に短い記事を1本の記事としてカウントすると費用は安くなりますが、検索エンジンからのアクセス流入を狙って作る記事であれば、量よりも質を重視し、ある程度のリソースを割いて作るべきでしょう。

業種や会社の規模にもよりますが、月間で4本~12本ほどのコンテンツを制作すると、月間で約10万円~80万円の予算が必要になります。

また、画像や動画の制作も場合によっては必要になります。

画像は記事コンテンツのアイキャッチ画像用として制作したり、図での説明が必要なもの、また文字だけでは読みづらい場合に記事の中に入れている画像もありますし、SNSに投稿する際に使用するような画像の制作も含まれます。

個人ブログや掲示板等でよく見かける、フリー素材を使ってしまうとむしろ企業のイメージが下がってしまうこともあるので要注意です。

動画は必ずしも必要ではないですが、会社のことをアピールしたい際や、戦略的に大切なページ内には動画を入れた方が良いでしょう。

画像、インフォグラフィクス制作費は、記事コンテンツ制作費に含まれている場合もありますが、1枚あたり数千円~数万円の製作費が相場でしょう。

動画は長さ等にもよりますが、30万円~300万円ほどが相場感です。

社内で記事を書いたり画像、動画を制作する場合にも、通常ほぼ同じくらいの人件費がかかってきます。

人材によっては業界のことや自社製品に詳しい社内人材が書くと内容が充実する、といったメリットもありますが、人材の人件費を考えるととても高額になるケースも多くなります。

コンテンツマーケティングのROI(費用対効果)イメージ

細かい数値かつ短期間での費用対効果、またはROIを計算するために、まずは大局的にコンテンツマーケティングでのROIの推移をご説明します。

上述の通り、コンテンツマーケティングは広告等の予算が尽きると反響がなくなる手法とは違い、コンテンツがインターネット上に残り、アクセスを集め続ける限り、継続的に集客をすることができます。

コンテンツマーケティングの時間に対する費用対効果

コンテンツマーケティングの時間に対する費用対効果

コンテンツマーケティングのROI(投資対効果)は上述の通り、長期的に発生する効果全体を考えてそのマーケティング手法を評価するためのものなので、現時点で出ている結果が今後どの程度続き、伸びていくのかということを予測する必要があるため、計測が複雑かつ、不確実性が高くなってしまいます。

一方費用対効果であれば、その場で出ている計測結果をそれまでの投資合計額と合わせて計算するだけですので、簡潔に計算できてしまいます。

また、複雑に成長率、伸び率等を計算して将来の利益も予測して計算しても、競合が力を入れてコンテンツマーケティングを行ったり、自社がメンテナンスをさぼってしまったり、体制の変更等で思うように運用できなくなることもあるので、そもそも計算をすること自体があまり意味がなくなってしまうという側面もあります。

以下では短期的な費用対効果に限って計測をシミュレーションしていますが、ブランディング効果や長期的な資産性もあるということを認識した上でご覧ください。

効果の測定方法

コンテンツマーケティングの内容や目的、業態により、運用方針が違ってきますので、一概には言えませんが、コンバージョンポイントをどこに置くか、といったことが大切です。

例えばECサイトを運営しており、ECサイトの売上を増やしたい場合にはコンテンツからECサイトへ流入し、購入に至った総件数と、その件数を得るために投下した予算で費用対効果を計算します。

もしくはBtoB企業で商談につなげるために資料請求をコンテンツ経由で得ている場合には、投下した予算とこれまでに得た資料請求数で費用対効果を計算します。

併用してWeb広告を使っている場合には、Web広告経由でのECサイトでの購買と、広告費で計算し、資料請求も同じように計算できます。

例えば広告では月額10万円で10件の資料請求を獲得できていたら、コンバージョン単価1万円

コンテンツマーケティングでコンテンツ制作料等の費用が月額30万円で資料請求が40件であればコンバージョン単価7,500円です。

しかし、これではより厳密な費用対効果は計算できません。

そこで次のようにKPIとする数値を複数用意して、各数値と投下した予算で計算する方法がおすすめです。

コンテンツマーケティングと広告の費用対効果を比較する

デジタルマーケティングの中でコンテンツマーケティングとよく比較されるのがWeb広告です。

一般的なリスティング広告等のクリック課金制のWeb広告とコンテンツマーケティングの費用対効果を比較すると以下のようになることが多いです。

コンテンツマーケティングとWeb広告の費用対効果比較

コンテンツマーケティングは軌道に乗った後はコンテンツが資産として残りますが、Web広告は毎月予算を用意するケースがほとんどであるため、月額予算は一定の場合コンバージョん単価も一定です。

Web広告のクリック単価は年々高くなっている傾向があるため、費用対効果はWeb広告は時間と共に少し高くなることも多いでしょう。

効果測定の数値を分解してKPIを設定する

より厳密に効果測定をしていくためにコンテンツマーケティング、自社商材のKPIをより細かく設定して管理するというテクニックがあります。

KPI(Key Performance Indicator)とは…重要経営指標や重要業績指標と訳され、アクセス解析等の分野では目標に対しての状況を数値で表したものとして解釈されます。

例えばコンテンツマーケティングでは以下のような数値がKPIとして使われます。

  • PV数…ページビュー数。コンテンツページが何回閲覧されたかを指す
  • UU数…ユニークユーザー数。コンテンツページへ何人が訪問したかを指す
  • コンバージョン率…ページが見られた回数に対して、何件コンバージョンがあったかを指す
  • コンバージョン数…コンバージョン(購買、お問い合わせ、資料請求等)が何件あったかを指す
  • 成約率…コンバージョン、例えば資料請求からその後、実際にどれくらい実際の取引になるかを指す
  • 自社商材の売上…コンテンツマーケティング経由でどれくらい売上が立ったかを指す
  • 自社商材の利益…コンテンツマーケティングでどれくらい利益が出たかを指す

サイト内の詳しい数値を分析する際にはさらに細かい数値を追っていくことになりますが、効果測定という形で見るとこれらの数値を見ることでも、十分に細かい効果測定が可能です。

まず、コンテンツマーケティングをする目的は基本的に利益額の増加、だと考えられますので、自社商材が売れるたびにどれくらいの利益が発生するかを把握しておく必要があります。

始めたばかりで、なるべく多くのアクセスを集めようとしている状況であれば良いのですが、上記のようにコンバージョンだけのカウントを行い、その数値を追いかけていると本当に利益につながっているかわからないため、そのコンバージョンがどれほどの成約率を持っているかをカウントします。

例えば、BtoBの会社で資料請求を見込み客から獲得し、商談につなげた際に実際に成約(受注)できる可能性は10回の資料請求中1回だとします。

商材の単価あたりの利益が50万円で、コンテンツマーケティングにかけている予算が月額で30万円で、コンバージョンが月に10件だとした場合、理論費用対効果はプラス20万円になります。

大切なのは各KPIを使ってこれからどのように費用対効果を改善するかということです。

KPIを把握して費用対効果を改善する

運用をした上で一旦出た結果に対して、その結果をKPIに分けて効果の改善を図ります。

例えば上記の資料請求を獲得して商談につなげる企業の場合、より多くの資料請求を獲得したいですが、資料の種類が1種類ではユーザーが何を知りたいのかがわかりません。

自社製品の資料、ユーザーに役立つような情報をまとめた資料、自社製品の導入事例集、といったような様々なタイプの資料を用意することによってユーザーが欲しい情報に当たる確率が上がります。

また、各コンテンツのページによって訴求する資料を変えるということもできます。

極端な例だと、検索エンジンからの流入の際に「◯◯ 事例」のようなキーワードで流入しているユーザーに対しては「〇〇の事例集」のような資料請求を訴求するとコンバージョン率が上がるかもしれません。

また、複数の資料を準備するとどのページからのコンバージョンが商談につながりやすく、どの資料請求の顧客がより理想の顧客に近いのか、といったデータも計測できるようになりますので、どの資料を優先的にダウンロードさせるデザインにしよう、といったサイトの構成変更の施策にも使えるようになります。

商材に関係なく、ECサイト等でも同じです。

例えばその場で購入に繋がらなくても、ECサイトへの会員登録をしてその後のメルマガ等を通じて購入するユーザーや、カートに入れておいて違うタイミングで購入に至るユーザーもいるため、購入だけをコンバージョンとせず、様々なタイミングでのコンバージョンを設定することが大切です。

各ページからのコンバージョン率等のデータを取ることで、そのコンバージョン率の高いページに投入するリソースを増やしてコンテンツを充実させたり、SEO対策を行い、より上位表示を目指す、といったリソースの配分の戦略設計にも役立ちます。

各KPIの数値が出てくると、逆に会社としての売上、利益の目標からどのくらいのアクセスが欲しいかを逆算することもできます。

費用対効果の高いページの表示順位を、特定の検索キーワードであと1番上にあげると、総検索ボリュームから算出してどのくらいいの流入があるかということが予想でき、その結果どれくらいコンバージョンが増え、利益が上がりそうだ、といったことが予想できてプランニングに役立てることもできます。

コンテンツマーケティング×他の手法で費用対効果向上

コンテンツマーケティングは単体で行っても、十分費用対効果が高くなるポテンシャルのある手法ですが、他のマーケティング手法と組み合わせるとさらに効果が上がることがあります。

一例としては、検索エンジン経由でサイトに訪問したユーザーに対してSNS広告を配信するといった手法があります。

コンテンツマーケティングもその他の広告も、コンバージョン率は通常高くて数%です。

つまりほとんどのユーザーはその場ではコンバージョンせずに離脱しているわけなので、それではせっかく得た見込み客からのアクセスがもったいないです。

上のグラフにもある通り、コンテンツマーケティングと広告の効果の出方は特徴が違いますが、組み合わせて使うことによりさらに互いの効果を引き上げるのです。

コンテンツマーケティングの費用効果まとめ

ポイントとしてはコンテンツマーケティングは効果が出るまでに時間がかかるが、出たあとは継続的に集客してくれることが多い、かつ自社サイトなので工夫の余地が大きいです。

他の集客方法との組み合わせも柔軟にできるため、費用対効果をさらに上げていくことも可能です。

最も大切なことは自社商材の特徴、業界、ビジネスモデル、競合状況等によってしっかりと戦略を立ててから始めることです。

コンテンツマーケティングに興味のある方は是非一度、コンテンツマーケティングのプロの弊社にお問い合わせください。

 

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