コンテンツマーケティングはその他の様々なマーケティング手法と比べて、マーケティング施策としての効果がかなり高くなるケースもあれば、かなり低くなるケースもあります。
コンテンツマーケティングの効果計測については、様々な視点がありますが、コンテンツマーケティングの構造と効果の出方を理解することで、効果を出すための判断ができるようになります。
コンテンツマーケティングの基礎から解説していきますので、1つ1つ見ていきましょう。
コンテンツマーケティングの仕組み
コンテンツマーケティング自体は明確に定められた「定義」はありませんが、一般的に以下のように解釈されます。
一般的に利用されているコンテンツマーケティングは、自社でWebメディアを保有し、記事コンテンツを制作し、検索エンジンからターゲットを集める形です。
インターネット環境やその他のインフラが整ってきて、動画でのコンテンツマーケティングも取り入れられることも多くなってきました。
動画のコンテンツマーケティングは、YouTubeやTikTok等の動画プラットフォームに動画を配信するパターンだけでなく、記事コンテンツの中に動画コンテンツを混ぜる手法もあります。
コンテンツマーケティングの効果とは(目的に対する効果)
コンテンツマーケティングの効果というと、その企業がコンテンツマーケティングを行っている目的によって効果も様々です。
ブランディング認知やリードの獲得といったように、コンテンツマーケティングを行う目的もいくつか種類があります。
こちらの調査で分かる通り、基本的には新たな顧客の獲得と、既存顧客とのコミュニケーションが主な目的になっているようです。
最も多いのは新たな顧客獲得ですので、新規顧客獲得の際のコンテンツマーケティングの効果について解説します。
コンテンツマーケティングで顧客を獲得する効果
コンテンツマーケティングでは基本的に以下の順番にそって顧客を獲得します。
- ターゲットがサイト(コンテンツ)へアクセスする
- CTAに対してターゲットが反応する
- 実際に顧客になる
実際には上記のステップの間に様々な施策や工夫、ノウハウがあり、顧客を効率的に獲得していくのですが、大まかに分けてこの3ステップです。
まず1のコンテンツに対するアクセスが多いほど、ターゲットとの接触回数が多いことになりますので、当然顧客の獲得に対しては有利に働きます。
その次にターゲットがCTAに反応します。
最後にCTAに反応したターゲットに対して実際に注文や契約をしてもらうところで、一連の集客の流れとなります。
実際にシミュレーションをすると、だいたいどれくらいのアクセスで、どれくらいの顧客獲得になるかが分かります。
- 月間アクセス数…10,000アクセス
- コンバージョン率(CTA)…0.5%
- 成約率、受注率、購入率…5%
この例で計算すると10,000アクセス×0.5%=50件(リード獲得)となります。
そこから実際に買い物、契約成立する可能性が5%なので、
50件×5%=2.5件の顧客獲得となります。
アクセス数はコンテンツマーケティングに対してどれほど投資したかによって変わります。
コンバージョン率はそれが資料請求か、サービスページを見てもらうだけか、といったCTAの内容によります。
もちろん成約率もECでの買い物か、BtoBの大規模なものか、によって変わります。
業界やビジネスモデルによって大まかな予想は立てることができるため、効果の見積もりもしやすくなります。
コンテンツマーケティングは適切な方針で時間をかけて
コンテンツマーケティングはその他のWeb広告によるマーケティングと比べて、導入してから効果が出るまでに時間がかかります。
一般的には3ヶ月〜1年ほどかかり、予算を用意して配信すると、すぐに反響のあるWeb広告とは効果の出るタイミングも異なります。
コンテンツがSNSで拡散されたり、検索エンジンで評価されたりする時間はかかりますが、効果が出始めてからはどんどん効果が良くなっていく傾向があります。
その理由の一つは制作したコンテンツはインターネット上で残り続けるため、継続的にコンテンツが集客をしてくれるため、資産として残りやすいためです。
こちらはコンテンツマーケティングのコンバージョン単価と、Web広告のコンバージョン単価の、推移のイメージをグラフ化したものです。
Web広告は他社の参入でクリック単価が上がり、広告費がなくなれば配信は停止されるため、費用対効果はほぼ一定です。
コンテンツマーケティングは効果が出始めてからは過去のコンテンツも集客を行うため、費用対効果がどんどん高くなります。
効果が出るまで、時間がかかるため他の施策と並行で早めに取り掛かるとよい
コンテンツマーケティングの費用対効果(ROI)を上げるために
効果を出してマーケティング施策としての費用対効果を上げるためのいくつかのポイントを紹介します。
コンテンツマーケティングは自社メディア(サイト)全体、もしくは自社で作ったコンテンツを利用して集客する方法ですので、自由度が高く、様々な施策が取れる点も効果を高めやすい理由の1つです。
質の高いコンテンツを制作する
コンテンツマーケティングで最も大切なのは、戦略の設計とコンテンツの内容です。
戦略はその会社のリソースや、ビジネスモデルによって様々ですが、コンテンツに関してはどの企業も共通して「ターゲットに評価されるコンテンツ」を作るべきです。
コンテンツの質に対する考え方は、そのコンテンツをどのようなニーズを持った誰に向けて制作しているのか、を考える必要があります。
例えば検索エンジン経由でのアクセス獲得を狙って、記事コンテンツを制作するとします。
まずはターゲットがどのような検索キーワードで検索しているか、を調査するようにしましょう。
Googleのキーワードプランナー等を利用して、自社の業界や商材周りの情報がどのようなキーワードで検索されるかを簡単に知ることができます。
例えば「〇〇 方法」「〇〇 使い方」といったキーワードで自社商材が検索されているとします。
検索者は利用法が知りたいわけなので、しっかりとその利用法を分かりやすく伝えるようにしましょう。
自社の商材の売り込みをするような内容にしてしまうと、使い方を知りたいユーザーは離れていきますし、結果的にSEO効果も見込めず、アクセスが集まりません。
利用法を紹介しながら、自社商材であればより使いやすい、利用しやすいといったポイントがあればユーザーのニーズを満たした上で記述すると良いかもしれません。
場合によっては文字だけで伝わらない部分では、画像コンテンツ、動画コンテンツを制作し、よりユーザーにとって分かりやすいコンテンツにするようにしましょう。
一方、エンターテイメント性の高いコンテンツを制作する場合には、ユーザーが自分でも予想していないような記事、動画、を制作することを考えましょう。
伝えたい内容によって様々なコンテンツのツールを使い分ける
サイト内のCTAを充実させる
アクセスを集めることと同じく効果改善に影響するのに大切なのは、コンバージョン率を上げることです。
コンバージョン率を上げるために大切なのはCTAの種類を増やすことです。
サイト内に流入したユーザーは、各自違うコンテンツを見ているはずですので、同じCTAだけではユーザーの反応は薄くなってしまうと考えられます。
CTAの種類には代表的なものだけでも以下のような種類があります。
- お問い合わせ
- 電話お問い合わせ
- サービス資料請求
- 事例集等のコンテンツ型資料ダウンロード
- ホワイトペーパー
- ECサイトへ移行
- ランディングページへ移行
- 見積もり依頼
- 申し込み
- セミナー、ウェビナー予約
他にも業種、業態によっては工夫次第で色々とCTAの制作ができると思われます。
特に「コンテンツ型資料ダウンロード」に関しては、工夫のしどころです。
自社内にある情報やノウハウ、役立つ情報をまとめて資料化し、サイト内でダウンロードできるようにすると、効果が出るケースが多いです。
また全ページに同じCTAを設定するよりも各ページに最適なCTAを設置するべきでしょう。
例えば全部のページの最下部にお問い合わせボタンを設置するよりも、事例を紹介した記事コンテンツの下には事例集のダウンロードCTAを設置する、といった形でそのコンテンツと相性の良いCTAを設置するようにしましょう。
コンテンツに応じたCTAを作り、費用対効果の向上を図るべき
コンテンツマーケティングと広告を合わせて効果UP
上記のグラフで、コンテンツマーケティングとWeb広告の費用対効果を比べていますが、コンテンツマーケティングとWeb広告は組み合わせて使うことで、さらに費用対効果を向上させることができます。
コンテンツマーケティングを自社サイトで行う場合、自社のコンテンツを見たユーザーに対してSNS広告等を配信することができます。
コンテンツマーケティングのコンバージョン率は1%以下から高くても数%が相場ですので、ほとんどのユーザーはせっかく自社との接点を持ったにもかかわらず、離脱しています。
一度自社のコンテンツを見ているユーザーは自社のターゲットである可能性が高いので、インターネット広告でリターゲティングをすることで効率的に広告を利用することができるようになります。
コンテンツマーケティング運用を効率化する
コンテンツマーケティングは戦略設計、コンテンツ制作、運用改善、と導入から運用まで様々な業務が発生しますが、全てを社内で行うことは非効率であることが多いです。
コンテンツマーケティングの戦略設計ができる人材はいるのか、コンテンツ(記事、画像、動画等)の制作は誰が行うのか、Web制作は誰が行うのか、データの計測運用はどのように行うのか、といったことを考える必要があります。
かなり大規模に数億円単位の予算を用意する場合には、コンテンツマーケティングの全業務に必要な人材やリソースを自社で準備して大々的に投資をする、という形も問題ありません。
また、社内リソースは極力使わないようにほとんどの業務を外注して、外注のマネジメントだけをする、といったケースもあります。
例えばコンテンツ制作のための情報提供は自社で行い、コンテンツの制作作業自体は外注する、といった自社の強みと外注の効率化をミックスして、うまく運用している会社もあります。
外注するメリットとしてはコンテンツマーケティングのノウハウや、効率といった面もありますが、分業という面で考えると良いでしょう。
自社の商材に最も詳しいのは自社ですし、そのコンテンツを活かしたマーケティング部分を外注すると、得意分野に集中できコンテンツマーケティング全体として効果が高くなります。
ぜひ弊社のコンテンツマーケティング支援サービスについてもお問い合わせください。