マーケティング、特にWebマーケティング戦略の中でコンテンツマーケティングは高い費用対効果を出すポテンシャルがあるため、Web広告に加えてマーケティング方法として導入する会社が増えています。
一方、コンテンツマーケティングは一般的なWeb広告のように、一定の予算を用意して広告費用を支払えば、ある程度の効果が出る、といった性質ではなく、一定の予算を投下しても全く効果がないということがあり得るマーケティング手法です。
なぜなら、一般的にコンテンツマーケティングで配信するコンテンツへの主要な流入経路は検索エンジンとSNSです。
検索エンジンからの流入にはSEO対策により、自社コンテンツ（Webページ）を上位表示させて、クリックを集める必要があり、SNSもコンテンツが悪ければ拡散されず、アクセスが集まらないこともよくあります。
主要なネット広告のように１クリック当たりでクリック単価が発生するというわけではなく、上位表示されず、拡散もされないまま、全く効果が出ない、もしくは逆に想定以上の効果が出ることもあるのがコンテンツマーケティングなのです。
また特徴として、余程リソースが余っている会社を除いては自社内で全てを行うことがノウハウの面でも工数の面でも困難で、業務のどこかを代行に外注するケースがほとんどです。
今回はコンテンツマーケティングを始める、またはリニューアルの際に代行サービスを導入する際に注意していただき、結果を出すために抑えておきたいポイントを解説します。
ぜひ運用代行サービスを使えこなせるように１つ１つ確認して運用に活かしてください。
コンテンツマーケティングの代行（運用代行）の内容とメリット
コンテンツマーケティングの代行を利用する前にどのような業務が存在するのか、そしてどの部分を代行に任せてどの部分は自社で行うのかの判断をできるようになりましょう。
うまく代行業者を利用した際には自社にノウハウがなくても、工数をかけずに始めることができます。
コンテンツマーケティングにかかる時間は他のWeb集客（インターネット広告）と比べても、圧倒的に時間かかり、マーケティングの部署（担当者）だけでは回らないのが実情です。
始めるハードルの高さから広告ほど浸透していないコンテンツマーケティングですが、企業の集客方法がリアルからWebにどんどん移行し、対面のコミュニケーションがWeb上の情報発信に置き換えられています。
コンテンツマーケティングの業務の種類と範囲を理解して、正しく、自社で行う部分と代行を有効活用できる部分に分けられるように１つ１つ解説します。
始めるにあたっての戦略コンサルティング業務
記事の最初に書いているように、コンテンツマーケティングはかなり高い費用対効果を出すか、逆に効果がいまいちでないか、のどちらかになる傾向が他のマーケティング手法と比べて強く、結果を出すためには戦略や全体の構成を設計する部分が最も大切です。
まず自社商材のターゲットの設定をして、そのターゲットのニーズをリサーチします。
検索エンジン経由でのアクセス獲得を狙うのであれば、自社商品、サービスのターゲットがどのようなキーワードで検索しているかのリサーチを行い、競合他社の施策も含めてSEO等の難易度を測定してコンテンツの制作、方針までを設計します。
運用を始めてからの進捗を管理するためにKPIを決めて、プロジェクトとして無理のないKPIを設定するようにします。
Webサイト制作、ツールの導入
コンテンツマーケティングのコンテンツを投稿するWebサイトが必要です。
Webサイトは既存のコーポレートサイトを利用しすることもできますし、新しくコンテンツマーケティング用のWebサイトを作ることもあります。
また、サイトは記事や画像、動画を投稿、発信するだけでなく、自社サービスや商品をサイト訪問者に効率的に見せるための導線設計が大切ですので、サイトをただ作るだけでなく、サイトの構成も考える必要があります。
また、Webサイトを作成の際にアクセス解析やデータを解析するツールを選ぶ際も、コンテンツマーケティングの「目的の達成」に必要なツールのみを導入するようにしましょう。
純粋にサイトの制作の代行を依頼するだけでなく、目的から逆算して設計をして制作するようにしましょう。
コンテンツの制作
制作したサイトに投稿するコンテンツ（主に記事）の作成の代行を依頼するフェーズでは、上述のターゲット選定とそのターゲットのニーズにあったコンテンツの作成ができるような体制で運営しましょう。
コンテンツは記事の他に画像や動画もあり、それらの制作もコンテンツマーケティングの戦略を念頭において、誰にどのようなコンテンツを見せたいのかを考えて制作する必要があります。
また各コンテンツ種類を決めた上で、調査型のコンテンツ、インタビュー方コンテンツ、解説方コンテンツ、といったようにターゲットユーザーのニーズをどのように満たして、コンバージョンへの導線とするのかもセットで企画する必要があります。
プロジェクト進捗管理と改善
コンテンツマーケティングプロジェクトは始める前に決めたKPIの数値を追いながら、データを見ながらユーザーにどのようにサイトが評価されているかを分析し、その後の方針を考えます。
PDCAを回す過程で当初のサイト内の設計や記事制作の戦略が変わっていくことはよくあるので、データをとってそれを活かすことがアクセスを増やしていく大きなポイントになります。
どのようなデータが欲しいかを明確にしておかなければ、勝手にデータが取れることはないのであらかじめ欲しいデータと計測方法を定めておきましょう。
コンテンツの修正
PDCAを回しながらコンテンツを作成する際に必要になる作業がコンテンツ（記事等）のリライトです。
書いた記事がいきなり成果が出ればそのままでも良いケースがありますが、そうならないケースが多いため、その記事をどのような狙いをもって書いたのか、なぜ効果が出ないからどう変えていくのか、といった過程を管理することが大切です。
ただ単にコンテンツの作成と編集を繰り返して、結局仮説も検証も結果もなかったということが無いような体制にしましょう。
コンテンツが良いか悪いかの評価も、上述したサイト内でとったデータを元に評価するようにしましょう。
SNS、ソーシャルメディアの活用、管理
コンテンツマーケティングのメインのアクセス流入経路が、どのプラットフォームになるかはその企業の戦略次第にはなりますが、基本的に各種SNSはコンテンツマーケティングを行う際には重要なツールになってきます。
SNSの広告と組み合わせてコンテンツの拡散をすることもあれば、SNSから自社サイトに人を流入させる施策に利用されることもあります。
SNS関連の管理工数やSNS配信用のコンテンツ制作、広告の運用、の部分も合わせて行うための業務があります。
コンテンツマーケティング前後の業務
コンテンツマーケティングは基本的にWeb上で顧客候補と接点を持ち、ECでの購入や資料請求、お問い合わせ、といったリードを獲得して、その後の営業や商談につなげるといった流れになります。
自社の商品、サービスはどのような特徴があってリード獲得後にどのように訴求するのか、どのような資料請求をした方にどのようにアプローチするのか、資料請求獲得後の営業は誰がどのような形で行うのが効率的か、といった集客後のことも決めておきましょう。
ECで会員登録してくれた方にはどのような特典を用意してえメルマガにはどのよなコンテンツを配信してファンになってもらうか、といったこともWebサイトに訪問したユーザーのサイト内の回遊データ等を見ることで、考えるヒントになることがあります。
コンテンツマーケティングは見込み客を集めるだけでなく、見込み客のデータを見てどのようなニーズを持っているかを探ることにも役立つのです。
コンテンツマーケティング代行（運用代行）に依頼する際の注意点
ここまでコンテンツマーケティングを、上手く外注して、効率よく代行に依頼するために、コンテンツマーケティングを行う上で発生する主な業務をご紹介しました。
その上で、コンテンツマーケティングの運用代行を実際に発注する際に気をつけるべきポイントやご判断をする際の考え方のをご説明していきます。
弊社のノウハウも併せてご紹介しますので、ぜひご参考にされてください。
Web制作の代行を依頼する場合
コンテンツマーケティング用のWebサイトを構えるのか、既存のWebサイトにサブディレクトリを作って記事等を投稿できるようにするのかを考える必要があります。
月間で数百万、数千万のアクセスをいきなり狙っている、というような大規模なケース以外は０からコンテンツマーケティング用のサイトを、開発する必要はないケースがほとんどだと考えられます。
基本的にはWordpressのようなサイトの作成機能とCMSが無料で使えて、かつ既存のサイトのサブディレクトリでも、新規のサイトとしても使えるので、非常に汎用性が高くコンテンツマーケティングとの相性も良いです。
重要なのはそのサイト内の「設計」で、カスタマージャーニーというユーザーにとって欲しい行動をとってもらうための考え方です。
業種や業態によってサイト訪問者に対して期待する行動は違うため、画一的にどのように設計すべきだ、といったことは言えませんが、ECサイトなのかBtoBなのか、BtoCなのか等々で、カスタマージャーニーの設計が変わってきます。
ただ単にサイト制作代行ではなく、コンテンツマーケティングの一部としてサイトの制作の提供をしてもらうように注意してください。
エンジニア等の開発者とコンテンツマーケティングのノウハウを持った人材が社内におり、手が空いている場合には内製化して、代行に依頼せず、社内で制作するのも問題ありません。
記事制作代行を依頼する場合
サイトは自社で用意があり、記事の制作、作成だけを外注して運用するケースもたまに見受けられます。
冒頭でも紹介しましたが、コンテンツマーケティングは費用対効果が非常に高くなる可能性がある反面、全く効果がないケースがとても多いのが特徴です。
検索エンジンからの流入を見込んでいたとしても、そこそこの検索順位では全くクリックされないことが大半だからです。
また、記事の内容や分量、方向性はコンテンツマーケティング自体の戦略やカスタマージャーニーと連携している必要があります。
記事をどれくらいの期間で、どれくらいの本数制作するのか、キーワードはどのように狙うのか、といったことを管理しながら発注することが大切です。
「SEO対策をした記事」をライターと戦略の共有をせずに作ることは困難であるため、SEO対策風のことをした記事を量産して、それを会社のサイトに投稿しただけ、といった状態にならないよう気をつけて発注してください。
ライティングの領域でも、記事のポートフォリを決めるマーケターと、１本１本の記事の構成を決めるディレクター、そして実際にライティングをするライターが必要になりますので、どこからどこまでを自社でできるのか、どこからどこまでを代行に依頼するのかを明確に定めましょう。
戦略に沿った記事を作り、その記事により見込み客の課題を深く解決し、自社へ興味を持ってもらえるような内容にしましょう。
コンサルティングを依頼する場合
コンテンツマーケティングに限らず、SEO対策をしたいというニーズはよくありますが、こちらではコンテンツマーケティングのSEOコンサルティングを受ける場合を考えます。
SEO対策のコンサルティングを受けるのに適したケースは自社で戦略の構築と、設計ができていて、その上で記事の配信もしっかりと管理してできているのにもかかわらず結果が出ない時です。
SEO対策というのは一部技術的なことやテクニック的なこともありますが、ユーザー（読者）を満足させる情報を提供すること（良質なコンテンツを制作すること）に尽きます。
コンサルティングを受けて出た課題の解決も、解決策を具体的に実行する実務が伴わなければ解決できません。
利用する場合には戦略も設計もコンテンツも拡散も、狙いと仮説を立てた上で、結果が出ない場合に知恵を借りるという形がおすすめです。
コンテンツマーケティング代行サービス内容
弊社のコンテンツマーケティング代行サービスの内容をご紹介します。
ご紹介した業務を一括で代行いたします、また会社ごとの見積もりにより、一部の業務のみのサポートも行います。
【戦略の立案】
業界、業種、また扱っている商品、サービスに応じて最適な戦略をご提案いたします。
BtoB、BtoCの違い、ビジネスモデルの違いによっても戦略が変わり、各会社によってコンテンツマーケティングを始める理由も違うことを踏まえて、常にカスタマイズした戦略の立案を行います。
また、コンテンツマーケティングが向いていない業態、ビジネスモデルもあるので、そもそも始めるべきか、の見極めも行います。
【サイト制作】
コーポレートサイトのサブディレクトリ、もしくは新規のサイト立ち上げも同様にコンテンツマーケティングの目的達成のためのサイト構成を提案し、製作まで行います。
すでにサイトがある場合には有効活用もできます。
【CRM等のツール導入】
データ分析やCRMツールはかなりの種類がありますが、ただレポートを作るためのツール導入ではなく、目的のために必要なデータを獲得するための導入を行います。
【キーワード、競合調査】
同業他社、競合がどのような情報を発信していて、どのようなコンテンツのポートフォリオを組むべきかを設計する部分でコンテンツマーケティングの成否が分かれると考えています。
貴社の強み、特徴をコンテンツに落とし込み、そのコンテンツを誰に届けるかを設計します。
【コンテンツのディレクション】
記事制作や動画制作で大切なのは「目次」の部分です。
コンテンツを誰に届けて自社のことをどうアピールできるかを意識してコンテンツの構成作成、編集を行います。
【コンテンツの制作（記事、画像、動画）】
制作が必要なコンテンツは基本的には記事、画像、動画ですが、サイト内の画像なのか、SNSで拡散させるための画像、動画なのか、によって最適化したコンテンツの制作を行います。
記事の作成はSEO対策を含め、目的意識を持った記事作成を行います。
【資料、ホワイトペーパー制作】
主に記事を制作し、サイトに流入した読者むけに訴求する資料請求やホワイトペーパーの制作を行います。記事の内容に合わせたホワイトペーパーを企画、制作することで、コンバージョン率が数%改善して数倍のコンバージョン数になることもあります。
【データ分析、振り返り】
常にデータでKPIの達成や仮説と検証を行い、情報の共有を行います。
とったデータからユーザーの動向を分析することで次の打ち手をご提案し、費用対効果の向上に努めます。
【セミナー、キャンペーン開催、企画サポート】
顧客のメールアドレス等のデータが揃うと、メルマガの配信やセミナーへの招待等もできるようになります。
顧客と継続的にコミュニケーションをとり、コンテンツマーケティングの効果をさらに引き上げます。
コンテンツマーケティング代行のまとめ
コンテンツマーケティングの代行を依頼する際の業務とポイントを解説しました。
各業務の内容を理解した上で効果的に代行サービスを利用できるように、是非参考になれば幸いです。
コンテンツマーケティング代行サービスに関してはぜひお問い合わせください。
