TikTokでアニメーション動画を活用してマーケティングする方法とメリット、作り方を解説

TikTokでアニメーション動画を活用してマーケティングする方法とメリット、作り方を解説TikTok

TikTokで投稿動画や広告を使ってマーケティングを実施する場合、実写映像とアニメーション動画の2種類のコンテンツが活用できます。企業の公式アカウントでは実写映像を活用するケースが圧倒的に多いものの、そのなかでアニメーション動画を用いることで他社との差別化が可能です。

実は、TikTokとアニメーション動画は非常に相性がよいことが分かっています。よって投稿動画や広告のクリエイティブにアニメーション動画を活用すれば、効果的なブランディングや集客につながります。

本記事では、TikTokマーケティングにおけるアニメーション動画の活用方法やメリットを解説します。

TikTokでのマーケティングは効果的

TikTokとは、国内の月間アクティブユーザー数950万人を抱える巨大な動画共有プラットフォームです。気になるアカウントのフォローや投稿動画に対する共有・いいねを行うことができ、TwitterやFacebookといったSNSのような機能が使える点に特徴があります。

ショートムービーや広告を駆使しながらユーザーとのコミュニケーションがはかれるということで、TikTokをマーケティングに活用する企業が増えつつあります。TikTokでマーケティングを行う具体的な例は以下の通りです。

  • インフルエンサーを起用して認知拡大をはかる


独自の動画作成ツールが用意されたTikTokは誰もが動画を投稿できる。それだけに渡辺直美さんやHinataさんといったインフルエンサーが生まれやすい。自社の投稿動画にインフルエンサーを起用することで、ブランドの認知拡大につながる。

  • 1日1社限定枠の広告出稿で不特定多数にアプローチ


TikTokの広告メニューには、TopViewや起動画面広告といった1日1社限定枠に出稿できるものが多い。1,000万回以上のインプレッションが期待できる広告枠を独占することで、不特定多数のユーザーにブランドやサービスを認知させられる。

  • ユーザー参加型コンテンツを利用してユーザーとの関係性を強化


独自の広告メニューである#Challengeは、ダンスや歌ってみたなどのユーザー参加型のコンテンツでユーザーとの関係性を強化できる。ドミノピザの「#ドミノチーズ100万」やサントリーの「#ピーカーダンス」など成功事例が多い。

上記の通り、TikTokでは投稿動画と広告を組み合わせることで、自由自在にマーケティングを実施できます。

たとえばドミノピザでは、企業公式アカウントで以下のようなプロモーション動画を掲載する一方で、広告メニューの一つである#Challengeを活用したマーケティングも行っています。

domino-tiktok

(https://www.tiktok.com/@dominos_jp/video/7007351392620776706?is_copy_url=1&is_from_webapp=v1)

では、TikTokでマーケティングを実施するとどのようなメリットがあるのか、以下で詳しく解説します。

エンゲージメント獲得とブランディングを同時に実行できる

TikTokの最大のメリットはSNSのようなエンゲージメント(フォローやいいねなど)を獲得できる点です。多数のエンゲージメントを獲得すれば「レコメンド」に表示される可能性が高まるため、自社アカウントに対する認知拡大につながります。

自社アカウントが多くの人の目に触れると、投稿動画を駆使してのブランディングも容易です。本来、YouTubeなどの動画共有サービスではチャンネル登録者数を増やすために膨大な日数が必要ですが、エンゲージメント獲得とブランディングを両立できるTikTokならより短時間で多数のフォロワーを増やすことができます。

ただし、TikTokは10~20代の若者が楽しめるコンテンツが評価される傾向があるため、大々的に商品やサービスを告知するプロモーションを行う場合には動画を工夫する必要があるでしょう。

ユーザーのアクションにつながりやすい

ユーザーが企業の動画や広告に興味を示しやすいというのもTikTokの特徴です。自社に対する興味・関心が深まれば、Webサイトにアクセスしたりアプリをインストールしたりといったアクションにつながりやすくなります。

ITmediaの取材に応じたByteDance(TikTok運営会社)の田村千秋氏によると、TikTokを利用する人の21%が、アプリ内で見た情報に換気されて検索などの行動を起こしていると言います。これは数あるSNSや動画配信サービスのなかでも高い水準です。
参考:ITmedia

その秘密は、同社が独自に開発した機械学習テクノロジーにあります。TikTokでは、検索や広告のクリックといったユーザーのアクションを分析し、ユーザーの行動に合った最適なコンテンツを表示します。ユーザーの興味・関心に添ったコンテンツが表示されるため、一度でも視聴するとつい最後まで内容を見てしまい、アクションにつながるという仕組みです。

グローバル企業への恩恵が大きい

世界中でサービスを展開する企業ほどTikTokでマーケティングを行う最大の恩恵が得られます。

TikTokを運営する企業はByteDanceで、もともとは中国で生まれました。その後、日本を含む世界中にサービスが波及し、いまや世界の月間アクティブユーザー数は6億8,900万人を記録しています。

また、TikTok広告のターゲティングは、日本はもちろんアメリカや中国、ブラジルといった地域、言語も英語や中国語、ポルトガル語といった海外向けの設定ができるため、グローバルにサービスを展開する企業との相性は抜群です。

TikTokとアニメーション動画の相性

結論から言えば、TikTokとアニメーション動画の相性は抜群です。もちろん実写動画を活用してTikTokのマーケティングを行う企業も少なくありませんが、相性のよいアニメーション動画を活用することでより高い成果が期待できるでしょう。

では、TikTokとアニメーション動画はなぜ相性がよいのか、ここではその理由を解説します。

ショートムービーとアニメーションの相性がよいから

まず1つ目の理由としては、TikTokの仕様であるショートムービーとアニメーションの相性そのものがよいという点が挙げられます。

もともとTikTokでは、投稿する動画の尺が60秒までという制限がありました。2021年7月2日より投稿動画の長さが60秒から3分に拡大されたものの、いまでも60秒以内のショートムービーを投稿するユーザーが大半です。また、TikTok広告においても、出稿する動画広告の長さは9~15秒程度のものが推奨されています。

ただし企業がマーケティングを行う場合、投稿動画である程度自社商品やサービスを説明する必要がある以上、60秒以内の短尺動画ですべての情報を伝えるのは簡単ではありません。その点、アニメーションは実写映像に比べて端的に情報を伝えやすいため、ショートムービーとは非常に相性がよいと言えます。

TikTokの雰囲気とアニメーションは合いやすいから

アニメーション動画を使うことでユーザーから好印象を抱かれやすいという点も理由の一つです。

TikTokのユーザーは10~20代の若者が中心で、おのずと企業紹介やプロダクト紹介といった堅苦しい情報提供は敬遠される傾向にあります。TikTokで人気のあるコンテンツはダンスや一発芸、声真似といった面白みのあるものばかりです。

実写映像とアニメーション動画を比較した場合、後者のほうが柔らかいイメージを表現するのに向いています。愛嬌のあるキャラクターで馴染みやすさを演出したり、硬い印象のある映像でもイラストを活用してポップに見せたりできるからです。

もちろん実写映像でも企画次第でソフトな印象や馴染みやすさを表現できますが、もともと柔らかいイメージを持たせることに秀でたアニメーション動画のほうが効率よくアプローチを行えます。

実写よりもアニメーションのほうが制作費を抑えられるから

最後に、アニメーション動画の制作費の安さもTikTokとの相性のよさにかかわってきます。

実写映像の場合、動画に出演するキャストの出演依頼やスケジュール調整を行ったのち、撮影や編集といった数多くの工程を経由しなければなりません。一方のアニメーション動画は、編集工程のみで映像を作成できるため、キャスティングや撮影といった工程を省略できます。

よっておのずと実写映像よりもアニメーション動画のほうが制作費を抑えられます。

TikTokでマーケティングを実施する場合、なるべく動画コンテンツの制作費を抑えたいケースも珍しくありません。なぜならユーザーのエンゲージメントを獲得するために大量の投稿動画を用意しなければいけない、あるいはTikTokの広告費が高いからです。

たとえばTikTokの純広告を利用する場合、広告メニューによって330万~1,700万円もの高額な固定費が発生します。そのうえ広告の成果を検証しながら最適化を行うためには複数のクリエイティブを用意する必要があり、動画の制作費を含めると数千万円もの予算が必要です。

その点、アニメーション動画であれば1本あたりの制作費を抑えられるため、投稿動画と広告のどちらを活用するにせよ、トータルコストを大幅に削減できます。

アニメーション動画とTikTokでできること

アニメーション動画とTikTokを組み合わせることで、主に以下のような施策が可能になります。

  • 企業・サービスのブランディング
  • WebサイトやLPへの集客
  • TikTokアカウントを基点としたコミュニティ形成

それぞれの施策について詳しく解説します。

企業・サービスのブランディング

ブランディングとは、情報発信によってブランドや商品の認知拡大、またはイメージを向上させる施策です。

アニメーション動画のメリットは、実写映像とは違い非現実的なアイデアでも自由に映像化できる点にあります。よって「ブランドに若々しいイメージを抱かせる」「オリジナルキャラクターで馴染みやすい印象を生み出す」といった表現も容易です。

WebサイトやLPへの集客

アニメーション動画を使えばWebサイトやLP(ランディングページ)への集客、つまりは広告としての役割を存分に発揮できます。

ユーザーが企業のWebサイトやLPを訪問しようと思うのは、提供する商品やサービスにある程度の関心を持ったからです。しかし、ショートムービーは商品やサービスを紹介できる時間に限りがあり、1つの動画や広告だけでユーザーの関心を醸成するのは簡単ではありません。

一方、アニメーション動画であれば、イラストや文字、ナレーションといった要素で端的に情報を訴求できます。動画の尺が短くても商品のメリットやベネフィットの要点だけ伝えられるため、短時間でユーザーの興味や関心が高まり、効率よく集客を行えます。

TikTokアカウントを基点としたコミュニティ形成

TikTokではユーザーが気軽にフォローや共有を行えるため、企業アカウントそのものが一大コミュニティになり得ます。

たとえば、いいねを押したお気に入りの動画をTwitterやInstagramなどのSNSに共有すれば、自分の友達やフォロワーにも情報が拡散します。情報が拡散するほど自社に対する認知度が向上し、より多くのファンの創出につながるという仕組みです。

先述した通り、アニメーション動画はアイデア次第で自由にコンテンツを生成できます。仮にブランドを象徴する独自のキャラクターを作成したり、クリエイターと共同でオリジナル音源やドラマなどを制作した場合、TikTokと複数のSNSで大きな反響を呼ぶ可能性があります。

TikTok上のアニメーション動画事例

最後に、TikTokマーケティングでアニメーション動画を活用する企業の事例をご紹介します。

事例(1)キュービック

デジタルメディア事業を展開するキュービックは、SNS向けのオリジナルアニメ「モモウメ」のWeb配信を行っています。TwitterやInstagramなどが主な配信先ですが、TikTokでは音楽に合わせたダンスや顔の動きといったアニメーション動画を公開しています。

momoume-tiktok

(https://www.tiktok.com/@momo_and_ume/video/6731964450334706946?is_from_webapp=v1&q=%E3%83%A2%E3%83%A2%E3%82%A6%E3%83%A1&t=1632128422876&is_copy_url=1)

上記の動画は「モモウメ」の専用アカウントで公開されており、すでに36万ものフォロワーを獲得。SNSでユーザーとのコミュニケーションをとりつつ、自社の認知拡大につなげる独創的なアイデアが特徴です。

商品やサービスの大々的な売り込みを避け、全編オリジナルのアニメによってユーザーの興味を惹きつけます。SNSに近いTikTokの特性をよく理解した、優れたアニメーション動画事例と言えるでしょう。

【モモウメ公式アカウント】
https://www.tiktok.com/@momo_and_ume?

事例(2)エイノバ

エイノバは、ネット発SNSキャラクターのプロデュース専門会社です。日本のSNSやインターネットから発信したキャラクターを世界中のユーザーに共感してもらえるよう、事業を推進しています。

同社が運営するアカウントの一つに「うめぼしちゃん」があり、同アカウントでは自作のさまざまなオリジナルキャラクターを発信しています。

umeboshi-tiktok

(https://www.tiktok.com/@umeboshi_chan19/video/6994032173451840769?is_copy_url=1&is_from_webapp=v1)

すでにアカウントのフォロワー数は120万を超え、いいねの数は1,200万を超えました。2020年7月から投稿を開始し、わずか4ヶ月で100万フォロワーを達成した人気アカウントです。TikTokを活用してバズを生み、同社に対する認知を拡大する仕組みが整っています。

【うめぼしちゃん公式アカウント】
https://www.tiktok.com/@umeboshi_chan19?

事例(3)ポケモン

ポケモン社は、TikTokの広告メニューの一つであるBranded Effectをうまく活用したマーケティングを展開しています。

Branded Effectとは、広告主が独自に作成したエフェクトをユーザーの投稿動画に反映させられる広告メニューです。同社の場合は、ARを活用して愛らしいキャラクターの動画をエフェクトに反映させています。

tiktok-animation

参考、出典:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/4189/

これにより、同社が提供するアプリ「ポケモンCafé mix」の世界観や機能などを、アプリを購入する前に体感できます。ユーザーは自分の投稿動画でテストプレイでき、内容が気に入ればアプリをダウンロードするという仕組みです。

アニメーションは投稿動画にも活用できる一方で、上記のように広告と組み合わせることによっても効果を発揮します。

 

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