インフォグラフィックを使うことで、複雑な情報を簡潔に整理し、ユーザーへ端的に情報を伝えられます。複雑なデータや数値を多用する企業にとっては、まさになくてはならないツールと言えるでしょう。
ただし、一からインフォグラフィックを制作するのは、時間も手間もかかり非現実的です。よって画像や動画制作のプロが在籍する、制作会社を活用することをおすすめします。
今回は、インフォグラフィック画像とインフォグラフィック動画ごとに費用相場を解説していきます。
インフォグラフィックスとは?様々なパターン
インフォグラフィックとは、文章や言葉で説明が困難な要素を画像や動画を使って紹介する手法です。本来は、企業のオウンドメディアやブログなどの記事で複雑な文章を分かりやすく表現するために用いられてきましたが、最近ではサービス紹介や会社紹介などにインフォグラフィックを活用するケースも増えています。
インフォグラフィックを活用するメリットは、何と言っても情報を分かりやすく訴求できる点です。たとえば企業では売上や市場シェアといった企業データや、従業員数や年齢構成といった採用データを用いますが、インフォグラフィックを使うことで視覚的に表現できます。
もう少し分かりやすくインフォグラフィックを説明するために、ここではインフォグラフィック画像とインフォグラフィック動画ごとに事例を踏まえて解説していきます。
インフォグラフィック画像とは
インフォグラフィック画像は、よくオウンドメディアやブログなどに使用されます。
たとえば以下の画像は、2019年の紅白歌合戦の演目をインフォグラフィックで表現したものです。
出展:Johnnys Jocee
仮に上記のような膨大な情報を文章に起こそうとすれば、Webページを何度もスクロールしなければならず、ユーザーは煩わしさを感じてしまいます。しかしインフォグラフィックであれば、掲載した画像を一目見るだけで内容が理解できます。
つまり、インフォグラフィック画像はユーザーの理解度を促進できる優れたツールだということです。ユーザーの理解度が増すことでページを最後まで閲覧してもらえる可能性が高くなり、その後閲覧者に特定の行動をとってもらえる可能性、CVR(コンバージョン率)の向上にもつながります。
インフォグラフィック動画とは
上記のインフォグラフィックに映像を加えたものがインフォグラフィック動画です。インフォグラフィック動画は複雑な情報をイラストなどで簡潔に表現するだけではなく、ストーリーを構築してテンポよく見せたり、ナレーションで聴覚的に情報を伝えることができます。
以下の動画は、全研本社が自社の成長戦略についてさまざまなデータを使って解説した会社紹介映像です。
同社は語学事業をメインに展開しているため、「日本の入国者と出国者の違い」や「日本で働く外国人労働者の数」などについて、インフォグラフィックを使って分かりやすく説明しています。
こうした情報はナレーションを駆使して言葉で説明するだけでも事足ります。しかし、ナレーションに合わせたインフォグラフィックを表示させたほうが視覚と聴覚から情報を取得でき、内容に対する理解が深まるでしょう。
企業用の動画では映像の最後にサービスの訴求を行うケースが多いため、全編を視聴してもらうには上記のような細やかな配慮が必要です。
インフォグラフィックの活用パターン
目的に応じてさまざまな用途に活用できるのもインフォグラフィックのメリットです。インフォグラフィックの活用パターンは、主に以下のようなものが挙げられます。
活用方法 | 主な効果 |
サービス紹介・企業紹介 | サービス紹介や企業紹介では、それぞれのメリットや魅力を訴求する。 |
採用サイトへの掲載 | 採用サイトでは数値やデータを公開することもあり、複雑な情報を簡素化できるインフォグラフィックは好相性。 |
SNSでの発信 | TwitterやFacebook、InstagramといったSNSは、情報の拡散力に優れる点が最大の魅力。 |
コンテンツマーケティング | インフォグラフィックで利用するデータそのものをコンテンツにすることで話題性が生まれ、認知拡大やブランディングに役立つ。 |
イベント告知・広報 | 単にイベントスケジュールや新商品のリリース情報を発信するのではなく、映像に乗せて公開することでイベントの内容であったり、新商品のメリットなどを伝えやすい。 |
インフォグラフィックの種類
インフォグラフィックには、表現するイラストや図によって「グラフ」や「年表」、「フローチャート」といった種類に分かれます。特にインフォグラフィックの場合は種類が異なると制作費に差が出ることも多いため、細かい種類を理解しておくことは重要です。
グラフ
出展:https://slidebazaar.com/items/free-3d-pie-chart-powerpoint-template/
グラフとは、あるデータを円グラフや折れ線グラフなどで表現したインフォグラフィックです。企業では複雑なデータを扱うことも多いため、上図のようなグラフをインフォグラフィックに活用するケースが目立ちます。
年表
出展:https://www.lucidchart.com/pages/ja/examples/timeline-maker
企業の沿革や商品の歴史などを紹介するには、年表を使ったインフォグラフィックが有効です。上図のように過去に起こった出来事を簡易的な図で表現できるため、淡々と文章を並べるよりも情報を端的に理解できます。
ダイアグラム
出展:https://www.slidemembers.com/ja_JP/view/Diagram/%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0-11650
ダイアグラムとは、ある情報をイラストや幾何学的なモデルを使って表現する手法です。非常に抽象的なイメージやアイデアも具体的に表現することができ、企業のサービス紹介や会社紹介に向いています。動画を使えば、さらにBGMやナレーションを付け加えてブランドイメージの向上にも寄与します。
地図
出展:123RF(https://jp.123rf.com/photo_60334349_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9C%B0%E5%9B%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9-%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E8%A6%81%E7%B4%A0%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%A4%E3%80%82%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9-%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%80)
企業の事業紹介などに欠かせないのが地図によるインフォグラフィックです。上図のように世界地図のイラストを使うだけで、自社のグローバルネットワークを端的に表現できます。また、地図と人物のイラストを使って拠点ごとの従業員数を紹介したりするなど、アイデア次第でさまざまな表現が可能です。
フローチャート
出展:https://www.slidemembers.com/ja_JP/view/Diagram/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%
物事の流れや一連のプロセスを解説する場合には、フローチャットを使ったインフォグラフィックが効果的です。一連のプロセスを言葉や文章で説明しようと思えば、プロセスが複雑なほど情報量が膨大になります。一方、インフォグラフィックだと上図のように視覚的に内容を理解でき、ユーザビリティが大きく改善します。
インフォグラフィック画像の費用、料金相場表
インフォグラフィック画像の場合、画像のみを専門として事業を行っている企業は少なく、Webサイト制作会社かチラシ制作などを専門とする総合デザイン会社に依頼することが一般的です。また、上記のような制作会社でもインフォグラフィックを扱っているとは限らず、個人のクリエイティブオフィス等に外注をするケースも珍しくありません。
外注方法、制作方法、用途、クオリティー等の要素によって料金は大きく異なりますが、インフォグラフィック画像の大まかな相場は以下のようになっています。
画像の種類 | 料金相場 |
グラフ | 8,000~50,000円/1枚 |
年表 | 10,000~80,000円/1枚 |
ダイアグラム | 20,000~90,000円/1枚 |
地図 | 10,000~55,000円/1枚 |
フローチャート | 10,000~60,000円/1枚 |
グラフ
インフォグラフィック画像のなかでは、グラフがもっとも料金相場が安くなっています。
ほかのインフォグラフィック画像に比べて制作が容易で、必要な工程も少なくて済むからです。利用する軸の数やデータの種類が簡素なほど料金が安く、複雑になると料金が高額になります。
年表
年表もグラフと同様、ほかのインフォグラフィック画像に比べて工程数が少なく、費用も比較的安価で済みます。
年表以外にも料金表や工程表など、制作会社によって対応する内容が異なります。
ダイアグラム
インフォグラフィック画像のなかで特に高価なものがダイアグラムです。ダイアグラムでは、たとえば取り扱い説明書や構造図、分析図などイラストを多用するケースも珍しくありません。よって制作に手間がかかる分、費用も高くなります。少なくとも1枚につき2万円程度の予算を考えておいたほうがよいでしょう。
また、制作内容にもよりますが、ほかのインフォグラフィック画像に比べて制作日数も長くなりがちです。
地図
制作内容によって制作費に大きな幅が生まれるのが、地図を活用したインフォグラフィック画像です。たとえばシンプルな世界地図や日本地図を使用するだけであれば、1枚10,000円程度でも制作ができることがあります。
しかし、会社や店舗へのアクセスマップといったように、路地や周辺の建物を詳細に表現する場合には費用が高額になってきます。それだけ制作アイデアの幅が広いということなので、他社のさまざまな事例を参考に詳しい内容を考えておきましょう。
フローチャート
フローチャートは構造がシンプルで、イラストも最小限に抑えることも多いため、費用は比較的安くつきます。制作会社によって料金は異なるものの、大まかな相場は約10,000~60,000円ほどでしょう。
インフォグラフィック動画の費用、料金相場表
インフォグラフィック動画は、全編をアニメーションのみで表現したものがほとんどです。インフォグラフィックでは映像にイラストを使用することが多く、アニメーションとの相性が抜群だからです。
ただしアニメーションと言っても、なかには「スライドショー」や「モーショングラフィックス」といった種類があり、それぞれ費用相場が異なります。また、動画の長さや品質によっても料金が変化する点に注意が必要です。
表現手法 | 動画の長さ | クオリティ | 費用相場 |
スライドショー | 1分未満 | 低 | 10~35万円 |
高 | 15~50万円 | ||
1分~3分未満 | 低 | 15~40万円 | |
高 | 20~55万円 | ||
3分以上 | 低 | 20~45万円 | |
高 | 25~60万円 | ||
モーショングラフィックス | 1分未満 | 低 | 25~50万円 |
高 | 35~70万円 | ||
1分~3分未満 | 低 | 50~80万円 | |
高 | 70~120万円 | ||
3分以上 | 低 | 80~140万円 | |
高 | 100~230万円 | ||
ホワイトボードアニメーション | 1分未満 | 低 | 35~65万円 |
高 | 40~80万円 | ||
1分~3分未満 | 低 | 50~80万円 | |
高 | 60~110万円 | ||
3分以上 | 低 | 70~110万円 | |
高 | 100~150万円 | ||
キャラクターアニメーション | 1分未満 | 低 | 50~80万円 |
高 | 70~110万円 | ||
1分~3分未満 | 低 | 80~120万円 | |
高 | 100~150万円 | ||
3分以上 | 低 | 100~170万円 | |
高 | 150~230万円 |
スライドショー
スライドショーとは、マイクロソフトのPowerPointのように画像やイラストを順序通りに表示させる手法です。簡単に言えば、あらかじめグラフィックス素材を用意し、それを順番に並べるだけで済むため、ほかのインフォグラフィック動画よりも手間が少なく費用も抑えられます。
ただし映像が単調になりやすいため、BGMやナレーションを加えたり、ときおり動きのある映像を加えるといった工夫が求められます。
モーショングラフィックス
モーショングラフィックスは、本来は動かないはずのイラストや文字、図形などに動きを加えて表現する手法です。上記動画のようにグラフィックス素材に動きを加えることで、スライドショーのような単調さがなくなり、視聴者が飽きる可能性を抑えられます。
動画の内容によって費用に大きな幅が生まれやすいのも、モーショングラフィックスの特徴です。たとえば動画のなかに多数のイラストを使用したり、人物イラストの表情や指先など細かい表現をしたりすると料金が高騰しやすくなります。
ホワイトボードアニメーション
ホワイトボードアニメーションとは、真っ白な下地に手描きでイラストを描くように映像を表現する手法です。
実際に人が絵を描いているような雰囲気があり、作品に独自性を持たせることができます。あらかじめ設定した順序に従って各イラストが完成していくため、手順を解説するフローチャートと非常に相性のよいインフォグラフィックです。
キャラクターアニメーション
キャラクターアニメーションでは、企業独自のキャラクターを生み出して映像に登場させます。独自性の高いキャラクターを使って消費者の認知を獲得すると、「○○商品と言えばこの企業」といったようにイメージを定着させることができます。
しかし、オリジナルキャラクターは一からアイデアを絞り込む必要があるため、非常に高額な制作費がかかるのも事実です。キャラクターアニメーションを活用する際は、予算に余裕がある場合にしましょう。
実写動画を組み合わせる場合
インフォグラフィック動画では、アニメーションに実写映像を組み合わせることもできます。馴染みやすいアニメーションと企業の信頼性などをアピールできる実写映像は好相性で、動画全体の質を向上させることが可能です。
映像に含めるアニメーションと実写の割合にもよりますが、実写映像を使った場合は上記の料金相場表に加えて約10万~50万円ほどの追加費用がかかります。費用に幅があるのは、動画の内容によって利用する機材や必要なスタッフ数などが異なるからです。
上記の相場が高額に感じる場合は、撮影工程を省けるアニメーションのみで制作するようにしましょう。
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