マーケティングにはさまざまな手法がありますが、Webサイトと動画を組み合わせたマーケティングには多大な効果、メリットがあります。
ホームページと動画を組み合わせて、効果的なマーケティングを行う方法について解説します。
マーケティングは自社ホームページ、Webサイトで行う時代へ
現代は、デジタルマーケティングが必須といわれる時代です。その理由について説明します。
まず1つめに、スマートフォンの普及です。
現代は8割以上の世帯でスマホを持ち、6割以上の個人がスマホでインターネットを利用している時代です(出典:総務省「令和元年通信利用動向調査」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/200529_1.pdf)。
コロナウイルス感染症の感染拡大により、外出自粛の必要が生じたことから、オンラインショッピングの利用率は7割を超え、オンラインショッピングの利用頻度は月2~3回が3割以上となっています(三井住友カード株式会社調べhttps://www.smbccard.com/cashless/knowledge/online_service.jsp)。
インターネットがどこでもつながって、スマホさえあれば好きなときに好きな場所でインターネットを使えるようになったため、ターゲットがインターネットを使って何をしているか、それを分析してそれにあわせたマーケティングを行うことが効果的となります。
2つめに、個人が自由に好きな場所でインターネットを使えるようになったことによって、個人がサービスや商品を購入するルートが多様化したことです。
例えば、SNSで商品を見つけて検索する→口コミサイトで口コミを確認する→店頭に行き購入するという場合もあれば、検索結果で偶然見つけたまとめサイトを見る→商品に興味を持ちECサイトを訪問して購入するという場合もあります。
このように、同じ「商品を購入する」という行動でも、そこにたどり着くためにさまざまなデジタルコンテンツを経由しているため、その動きに合わせたマーケティングが必要となります。
3つめに、個人が情報を入手するメディアの多様化です。
インターネットがここまで発展する前は、テレビや新聞が情報を入手する主な媒体でした。
したがって、テレビや新聞に的を絞ってマーケティングを行えば良かったのですが、現代は情報を入手するメディアの種類が増え、個人が自分の好みや入手したい情報に応じてさまざまなメディアから情報を得るようになりました。
例えばまとめサイト、企業ホームページ、口コミサイト、動画サイト、SNS、個人ブログなど、好きなメディアを個人が選択する時代です。
4つめに、コンテンツが豊富になったことが挙げられます。
インターネットで得られる情報は、文字だけでなく動画や画像、音楽など、さまざまなコンテンツが使われ、伝えたい情報に合ったコンテンツを選択して使う時代になっています。
マーケティングで訴えたい内容に合うコンテンツを選べるかが、効果的なマーケティングになるかどうかを左右します。
このように、デジタル上における個人の行動が多様化したため、個人に合うマーケティング手法を選択する必要が出てきたことから、デジタルマーケティングは必須といえます。
デジタルマーケティングでは、BtoCでもBtoBでもデジタル上における個人の行動を分析し、その行動から顕在的・潜在的なニーズを把握して、それに合ったメディア・コンテンツを活用してマーケティングを行っていきます。
対面の営業と異なり、一度に多くの、しかも見込み度の高い顧客へ営業できるというメリットがあります。
BtoCではもちろんのことテレワークがますます進むBtoBビジネスでも、デジタル上での情報収集や、SNSなどでの情報発信はますます増えていくでしょう。
よって、デジタルマーケティングを活用した営業は今後必須といえますし、デジタルマーケティングを活用した営業を導入する企業も増えていくと考えられます。
各個人に合わせて配信した広告でのアプローチや各ターゲットに合わせて制作されたコンテンツにより、ターゲットにアクセスすると最終的には企業のホームページにそれらのユーザーが集まってくるため、最終的なターゲットの受け皿であるホームページでリッチなコンテンツ(動画)はデジタルマーケティングが進むほど必須になる、と考えられます。(詳しくは後述)
動画の活用は必須に(なぜ動画なのか)
デジタルマーケティングには、WebサイトやSNS,SEO(検索エンジンの最適化)、メールや検索広告など、さまざまな手法がありますが、動画マーケティングは、今後企業にとって必須となるマーケティング手法といえますが、なぜその中で動画の活用は必須なのか具体的にご紹介します。
理由として、YouTubeでは毎日10億時間以上の動画が再生されており、現代ではYouTubeやSNSで動画を見ることが日常となっています。
Wi-Fiの使用でデータ通信料を気にすることがないことも動画を楽しむ人が増えた要因でしょう。
また、動画はテキストに比べ、短時間で多くの情報を伝えることができるメリットがあります。
長いテキストと長い動画を比較したとき、65%の人が動画を見るという調査結果もあり、詳しく伝えたい内容は記事よりも動画にすべきと考えられます。
動画マーケティングの効果は3つあります。
動画はSNSで拡散されやすいため、多数の顧客に商品やサービスを認知してもらえます。
動画は視覚に訴えることができるため、商品やサービスを利用しているイメージなど、テキストでは伝えにくい内容をわかりやすく伝えることができます。94%が動画を見て商品・サービスをより理解したという調査結果もあります(注4)。
商品購入後のイメージや商品・サービスの利用方法を動画で解説することによって、顧客が動画を見るだけで商品・サービスを利用する体験ができます。商品に関する動画を見た後では、その商品の購入率が44%上昇したことから、顧客が商品購入後について具体的にイメージができると、購入意欲につながり、売上を伸ばすことができるといえます。
このような効果がある動画について、自社ホームページで動画を活用する方法を詳しく次章で解説します。
ホームページ、自社Webサイトと動画の組み合わせ
ホームページ単体・動画単体と比べ、動画をホームページなどの自社Webサイトと組み合わせることで、どのようなメリットがあるかについて説明します。
まず、1つのプラットフォームでマーケティングを行えることから、費用面・管理面でメリットがあります。ホームページと動画を別のプラットフォームで運用する場合、費用や運営の手間が二重に発生しますが、自社ホームページに動画を埋め込んでしまえば、費用を抑えられ、運営・管理も行いやすくなります。
2つめに、これまで動画のメリットでもすでに解説しましたが、テキストや画像のみのホームページに動画を埋め込むことで、テキストや画像だけでは伝わりにくい内容を補完することができます。
具体的な例では、会社概要ページに社員が登場する動画を埋め込むことで、企業が大切にしている理念などがより伝わりやすくなりますし、商品ページに商品を使用している動画を埋め込めば、顧客に商品の使い方や商品を使用する具体的なイメージを分かりやすく伝えることが可能となります。
具体的なホームページと動画を組み合わせるパターンを紹介します。
ホームページと動画を組み合わせることで高い費用対効果を実現可能ですが、動画の製作費は動画の種類やクオリティー、長さによって様々ですので事前に予算感を把握しておきましょう。
Webサイト内で動画を利用するパターン
ホームページ上での動画活用には、いくつかのパターンがあります。
それは、ホームページを訪問した顧客のゴール(最終的に顧客に何をしてほしいか)によって異なるといえます。
ゴールの例としては、「商品購入」や「企業の認知度向上」、「採用活動での学生の応募数確保」などが挙げられます。ここからは、ゴールに応じたホームページ上での動画活用のパターンについて説明します。
サービス紹介ページ+サービス、商品紹介動画制作
サービスや商品を紹介するテキストを補完する形で、動画を掲載するパターンです。顧客のゴールを「サービス・商品購入、問い合わせ獲得」に設定する場合に有効なパターンです。
実際にサービスや商品を使用する様子はテキストだけでは伝わりにくいため、動画を組み合わせることで、商品を使用する具体的なイメージを顧客に持ってもらうことが可能になります。機能が複雑な商品や、webサービスなどの無形商品の紹介にも動画活用が効果的です。
サービス紹介ページに動画を埋め込む方法は王道の動画マーケティングですが、デジタルマーケティングと動画の相性として紹介した通り、企業が広告等を流して自社商材の認知拡大を行った際にターゲットは広告を見た後最終的にはホームページから直接情報を仕入れようとすると考えられるため、最終的な受け皿としてホームページに動画コンテンツを持っておくことで、利用している広告の効果を間接的にあげる効果が期待できます。
会社概要ページ+企業ブランディング動画制作
会社概要について、テキストのみではどうしても堅くなり伝わりにくいため、「こういう会社だと思ってほしい」(他社とこの点で差別化を図りたい)という内容が伝わるような企業ブランディング動画を会社概要ページに掲載するパターンです。顧客のゴールを「認知度向上」に設定した場合に有効です。
動画の「広告」に対する調査ですが、動画広告を見たことが、の企業や商品を「知るきっかけになった」と回答した人が45%。また「好きになった」と回答した人が21%、「購入した」と回答した人が17%となっています。これは動画広告を見た結果ですので、会社概要と企業ブランディング動画を組み合わせることで、企業認知や企業に対する好感度にさらにポジティブな変化をもたらすことが期待できます。
採用、リクルートページ+採用動画制作
採用・リクルートページにおいて、先輩社員が働く様子や「求める人物像」などを表現した動画を掲載するパターンです。顧客のゴールに「学生の応募数を確保すること」を設定する場合に有効です。
学生は動画を見ることで会社に足を運ばずとも会社の雰囲気を知ることができ、学生の応募意欲を高める効果があります。学生が入社前に動画で会社の雰囲気を知ることは、入社後のミスマッチを防ぐうえでもメリットがあります。
また、企業は数々の企業から自社を選んでもらいたいため、動画によって他社との差別化ができることも大きなポイントです。
採用に関してサービス紹介動画と同じく、求職者は企業のホームページ外で情報を得たとしても、最終的にはその企業のホームページで直接情報収集を行うかつその流れは加速しているため、自社サイトを充実させる必要性は高く、動画の採用ページ+採用動画は有効か動画活用方です。
ホームページ内で動画を活用するメリット
多くの企業がホームページ内で動画を活用する理由を具体的にメリットとしてまとめて紹介します。
コンバージョン率が上がる
コンバージョン率とは、ホームページを訪問したユーザーのうち、企業がホームページで顧客に達成してほしい行動にどれだけのユーザーが到達したかを表すものです。
例えば、商品を販売しているホームページであれば、訪問したユーザーのうち、どれだけのユーザーが商品を購入したかを表します。
認知度UP、ブランディング
ホームページ内の動画で、企業の理念やビジョン、商品・サービスの特徴を動画にすることで、視覚的に企業イメージを顧客に伝えることができ、動画はSNS等で拡散しやすいことから、企業の認知度が上がるというメリットがあります。
また、動画が持つ印象がそのまま企業イメージとなり、「顧客にこう思ってほしい」というブランディングが可能になります。
ブランディングのような抽象的なイメージが大切なことに対するアプローチにも効果的です。
サイト滞在時間増加(SEO対策)
ホームページに動画を活用することにより、顧客が動画を1分間見れば、ホームページに1分間滞在したということになります。
滞在時間はSEO(検索エンジン最適化)に直接的な効果はないといわれていますが、ホームページ内の動画をきっかけに顧客がホームページを巡回し、さまざまなページを見ることで、「良質なWebサイトである」と評価され、検索順位が上がる可能性があります。
ホームページ、Webサイト内の利用に最適化した動画制作
ホームページやWebサイト内に動画を埋め込む場合、「Youtubeなどの外部リンクで埋め込む場合」と、「ホームページに直接埋め込む場合」の2パターンがあります。
どちらのパターンを採用するかによって、動画サイズや外部リンクではロゴが表示されることなどが異なるため留意しましょう。
また、広告動画と異なり、動画を見てもらうことだけが目的でなく、ホームページ内のさまざまなページを顧客に訪問してもらいたいことから、動画によってホームページの表示が極端に遅くなることは避けなければなりませんので、技術的な面やホームページの現状の構造との兼ね合いも考えて制作する必要があります。
そして特に重要なのは、動画によって「誰に何を伝えるか」「顧客に何をしてほしいのか」という目的を定め、その目的に合った動画を制作することです。
顧客が動画を見た後、次にどのページを見て、最終的にどのページにたどり着いてどのような行動を起こしてほしいのか、カスタマージャーニーを予め設計しておくことが重要です。
動画の種類にもアニメーション、イラストを利用したモーショングラフィックス動画や実際の人や商品を出す実写の動画もあり、自社の目的に合わせて動画の制作、企画を行いましょう。
サイトで動画をうまく活用している事例
最後に、Webサイトで動画をうまく活用している事例について紹介します。
1.ダスキン
ダスキンのホームページは、サービス紹介ページにサービス紹介動画を掲載し、サービス内容がイメージしやすい構成になっています。
(出典:ダスキンホームページhttps://www.duskin.jp/merrymaids/tetsudai/)
2.Payme
Paymeは「給与即日払いサービス」を行う会社で、文字のみでは伝わりにくいサービス内容について、モーショングラフィックスを活用した動画により、テンポの良さでわかりやすくサービスを伝えることに成功している事例でと言えます。
(出典:Paymeホームページhttps://payme.tokyo/)
3.霧島酒造
会社概要ページに企業ブランディング動画が掲載されている良い例です。雄大な自然を映した映像と、お酒を飲む人々の笑顔、壮大な音楽からは、自然を大切にし、飲む人々を笑顔にするお酒づくりへのプライドを感じさせます。
(出典:霧島酒造ホームページhttps://www.kirishima.co.jp/company/)
4.タカラトミー
タカラトミーは、採用ホームページに採用動画を掲載している良い例です。動画には会社の内部や、社員が働く様子、社員へのインタビューが盛り込まれており、動画によって、入社後の自分を想像でき、志望意欲が高まる効果があります。
(出典:タカラトミーホームページhttps://www.takaratomy.co.jp/company/recruit/)
ホームページ×動画は企画〜制作〜運用まで
Webサイトと動画を組み合わせてマーケティングをする方法について説明しました。
ホームページ内の動画の活用は、企業にとって多くの可能性をもち、今後も増えていくマーケティング手法です。
ただし、ホームページ内の動画によってプラスの効果を得るためには、動画の目的を明確にすることが必要です。
企業における動画の活用例で紹介したように、目的が「商品・サービスの購入」なのか「企業の認知度向上」なのか「優秀な人材の採用」なのかによって、動画を掲載するページ、動画の内容・長さなどが異なります。
目的に合わせた企画を立案し、最適な形の動画制作を行い、実際に制作した動画どのように見られており、どのような効果が出たか、またどのように改善できるか、といったことをデータを活用して運用を行うことが重要です。