企業が扱うような複雑なデータを分かりやすく表現するには、今回ご紹介するインフォグラフィックがおすすめです。
特に採用サイトでは売上状況や市場シェアといった企業情報、従業員数や年齢構成といった採用データを掲載することも多く、インフォグラフィックを有効に活用することができます。
インフォグラフィックには画像と動画を使った活用方法があるため、両者を覚えておくと採用効率が向上します。さらに一度公開したインフォグラフィック情報はSNSや動画配信サイト、会社説明会などにも活用できるため、採用活動の幅が広がる点も忘れてはいけません。
そこで今回は、インフォグラフィックと採用サイトとで採用力を向上する方法やポイントについて詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
インフォグラフィックとは
インフォグラフィックとは、文章や言葉では説明が難しい情報を画像や動画を使って表現する手法です。
インフォグラフィックの活用方法で特に多いのが、統計データなどを画像や動画で表すことです。こうした情報を文章に起こすにはどうしても数字を羅列する必要があり、ユーザーにとっては非常に読みづらい内容となってしまいます。しかし内容をインフォグラフィックに直すだけで、ユーザーは視覚的かつ端的に情報を取得できるのです。
もう少し分かりやすくインフォグラフィックを解説するために、ここではインフォグラフィック画像とインフォグラフィック動画の事例をご紹介します。
インフォグラフィック画像
インフォグラフィック画像は、下図のように複雑な情報をイラストやグラフ、表などで表現した画像です。
出典:https://camp.joysound.com/whitepaper/
インフォグラフィック画像は、企業や公共団体などのホームページやオウンドメディアなどでよく活用されています。
仮にホームページやオウンドメディアなどで複雑な情報を文章だけで表現した場合、記事内に構成される文章は非常に多くなり、ユーザーは画面を何度もスクロールして情報にたどり着かなければなりません。
しかし上記のようにインフォグラフィック画像を使って情報をまとめることで、情報量をコンパクトにまとめることが可能です。
インフォグラフィック動画
画像ではなく動画を活用して複雑なデータを簡素化する手法が、インフォグラフィック動画です。
上記の動画では、さまざまなシーンでインフォグラフィックが用いられています。たとえば、「国内の食品ロスの重量計算データ」や「世界の食料支援データ」などです。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=6OrbO7dGHNQ&t=21s
複雑な情報を端的に説明するのはインフォグラフィック画像だけでも十分ですが、さらに動画を活用することで言葉による説明を加えることができます。ユーザーは視覚と聴覚から情報を取得でき、より理解度が促進されます。
また、近年は一般ユーザーが動画を視聴することも一般化しつつあり、時宜に適った動画をマーケティングやプロモーションに活用する企業も少なくありません。
採用サイトでインフォグラフィックを活用するメリット
複雑なデータを簡素化して訴求できるインフォグラフィックはさまざまなシーンに活用できますが、特に採用サイトでの活用が向いています。採用サイトでは、文章や言葉では説明が難しい数値やデータといった情報を扱うからです。
採用サイトでインフォグラフィックを活用するメリットは以下のような点が挙げられます。
- 視覚的な情報訴求で求職者の理解度を促進できる
- さまざまなプラットフォームで活用できる
- SEO効果で採用サイトへのアクセス数を増やせる
- 採用サイトへの投資は費用対効果が高い
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
視覚的な情報訴求で求職者の理解度を促進できる
まず、インフォグラフィックを活用すると、単に文章や言葉で説明したときよりも格段に情報が分かりやすくなることです。端的な情報発信ができれば求職者の理解度が促進され、エントリー率の向上も期待できるでしょう。
たとえば採用サイトでは、年間休日数や育休復帰率、人材定着率などのデータをインフォグラフィックにし、福利厚生の手厚さを広くアピールすることができます。ほかにも設立年数や自己資本比率など会社にまつわる情報や、社員にアンケートを実施して出身大学や休日の過ごし方をデータにまとめるのも効果的です。
さまざまなプラットフォームで活用できる
一度作成したインフォグラフィック画像や動画は、コーポレートサイトの採用ページ以外にも、求人サイトやSNS、動画配信サイトなど多数のプラットフォームで活用できます。情報が露出する機会が増えることで、幅広いターゲットに自社をアピールできたり、エントリー数を増やしたりできる点がメリットです。
各種アンケート調査を行うキャリタスリサーチの「キャリタス就活2020 10月1日時点の就職意識調査」によると、就職活動に関する情報の入手先でもっとも多いのは就職情報サイトで、次点に各企業のホームページ、就職情報会社主催の就職イベントが浮上しています。
出典:https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/10/202010_gakuseichosa_k.pdf
大学のキャリアセンターや友人の口コミなどを参考にするケースもありますが、上位のほとんどはインターネットを駆使した情報収集となっています。
そのため企業にとっては、自社の魅力やメリットをPRできる機会を増やし、なるべくたくさんのWebプラットフォームで情報を発信することが大切です。インフォグラフィックは、情報が露出する機会を増やす大きな一助となります。
SEO効果で採用サイトへのアクセス数を増やせる
ブログやWebページなどでインフォグラフィックを使用するとSEO効果が期待できます。すなわち検索エンジンからの評価が高まり、該当キーワードにおける上位表示とアクセスアップが期待できるということです。
Googleでは公式サイトにて、画像検索においてユーザーから高評価されるビジュアルコンテンツを制作するコツを紹介しています。
【以下引用】
引用元:https://developers.google.com/search/docs/advanced/guidelines/google-images?hl=ja
Webページにユーザーにとって価値が高く、なおかつ独自性の高いビジュアルコンテンツを含めると、画像検索において検索数が向上しやすくなるという仕組みです。そしてページのインプレッション数やCTR(クリック率)が改善した結果、間接的にページランクまでもが上昇する可能性もあります。
日本には約380万もの企業が存在し、そのなかから求職者に自社を見つけてもらうのは至難の業です。よって公開した採用ページや関連コンテンツが少しでも多くの求職者の目に触れるよう、SEO対策も考慮する必要があります。
インフォグラフィックには上記のようなSEO効果があると考えられることから、採用ページへのアクセスアップに最適な手法と言えるでしょう。
採用サイトへの投資は費用対効果が高い
公開した採用サイトやページに対しては、さまざまな形で投資を行うことができます。たとえばテレビCMで大々的に自社の魅力を伝えることもできれば、リスティング広告で能動的な求職者のアクセスを集めることも可能です。
上記のような広告による効果はエントリー数やマッチ率の向上につながるため、非常に効果的な施策と言えます。
しかし、広告にばかり費用を投じ、肝心の採用サイトや採用ページのコンテンツがおろそかになっては本末転倒です。広告から採用サイトなどにアクセスするユーザーでも、最終的に採用サイトの良し悪しでエントリーの判断を行うため、求職者が応募したくなるような情報を用意しておかなければいけません。
その点インフォグラフィックは求人に関するあらゆる情報を可視化できるため、採用サイトのコンテンツ生成に大きな効果を発揮します。
採用サイトでインフォグラフィックを活用している事例
自社でインフォグラフィックを活用するには、まず他社の事例を参考にすることが大切です。複数の事例を見ていくことで動画のイメージが湧きやすくなるため、動画の企画を考える際に大いに役立ちます。
ここでは、インフォグラフィック画像と動画のそれぞれの事例をご紹介します。
インフォグラフィック画像を活用した事例
事例(1)リビエラ
リビエラは、イタリアやスペインから高品質な建築資材を直輸入し販売している企業です。
リビエラの採用サイトでは、設立年数や売上推移といった会社に関係する数字から、社員の出身大学や経歴などの採用データをインフォグラフィック画像で可視化しています。
会社紹介および採用や求人にかかわるあらゆるデータがグラフ化されており、一目でリビエラのことが理解できます。なかには社員の味覚の好みや仕事中の飲みものといったデータも公開されており、求職者には分かりづらい定性情報を知ることができる点も特徴です。
【リビエラ採用サイト】
事例(2)イプロス
イプロスは、ものづくりに関連するさまざまな製品やサービスなどの情報を探せるデータベースサイトです。情報のデータ化に強みを持つ企業だけあり、採用サイトの情報もインフォグラフィックを使ってうまく表現しています。
公開されているデータは、サイト会員数や出展企業数といった企業情報だけにとどまりません。ほかにも社員の男女比や平均年齢、年収モデルなどもデータ化されており、求人票に掲載されているような情報が視覚的に確認できます。
【イプロス採用サイト】
https://recruit.ipros.jp/about/feature/
事例(3)Yahoo!JAPAN
コミカルなイラストを使って企業のイメージまでうまく演出しているのが、Yahoo!JAPANです。Yahoo!JAPANの採用ページでは、事業や各種制度についてインフォグラフィックで解説されています。
複雑なデータをインフォグラフィックを活用して分かりやすく表現するのはもちろん、個性的なイラストを使っている点が特徴です。インフォグラフィックの情報は視覚的に伝わるものなので、上図のように独自性のあるイラストを使うことで企業独自のイメージを発出することができます。
また、ほかの情報を調べたい人には、「職種一覧」や「エントリーボタン」、「SNS公式アカウント」などのリンクが近くに掲載されており、すぐにアクセスできるよう工夫が凝らされています。
【Yahoo!JAPAN採用ページ】
https://about.yahoo.co.jp/hr/about/infographics/
事例(4)日立ハイテク
特にサイトの作り込みに優れるのが日立ハイテクです。同社は企業情報ページにて、「数字でわかる!日立ハイテク」というインフォグラフィック情報を公開しています。
ページ冒頭には以下のようなインフォグラフィック情報が並び、企業の歴史や売上状況が一目で確認できます。
また、特定の項目をクリックすると下図のような詳細データへと移行する点も特徴です。
単にイラストやグラフを使ってデータを紹介するだけではなく、文章で情報を補完し正確な情報発信を心がけています。求職者にとってはわずか数分程度で日立ハイテクの企業情報を知ることができるため、採用サイトや求人情報との相性は抜群です。
これから採用サイトにインフォグラフィックを活用したい企業にとっては、非常に役立つサイトと言えるでしょう。
【日立ハイテク企業情報ページ】
https://www.hitachi-hightech.com/jp/about/data/
インフォグラフィック動画を活用した事例
事例(1)JR西日本
採用動画にうまくインフォグラフィックを活用しているのが、上記動画を公開するJR西日本です。この動画は21年卒の求職者をターゲットに、「MISSION 想像以上を、創造せよ」というコンセプトのもと開発されました。
インフォグラフィックは動画の冒頭と最後のシーンに活用されています。たとえば同社の事業構造として運輸事業や創造事業などの売上データを可視化し、中期経営計画を踏まえた拡大戦略を解説しています。また、動画の最後では中期経営計画に則ったプロジェクトをグラフ化し、今後どのような事業に注力していくのかを訴求している点もポイントです。
事例(2)武田薬品工業
上記は、武田薬品工業が1946年に設営した「光工場」を解説した動画です。光工場では主に原薬や固形製剤、生物学的製剤を製造しており、上記動画は同工場で共に働きたい人を募集する採用動画となっています。
先ほど紹介したJR西日本のように複雑なデータを扱っているわけではありませんが、この動画では光工場で行っている仕事内容などを紹介するためにインフォグラフィックが用いられています。仕事内容などは言葉だけで説明するのが難しいため、ときおりイラストを交えた解説を含めることで内容が伝わりやすくなります。
事例(3)ビッグモーター
車買取や中古車査定を行うビッグモーターは、20年卒採用向けのインフォグラフィック動画を公開しました。
上記の動画では、主にビッグモーターの事業内容や会社紹介が行われています。そのうえで、企業規模を表すデータであったり、国内ナンバーワンの業績である1日に最高売上台数などを可視化し、自社の魅力やメリットが分かりやすく訴求されている点がポイントです。
インフォグラフィックスと採用サイトを組み合わせて
インフォグラフィックス画像や動画は高まる採用コストを削減する効果的な手法です。
制作の際には自社の採用にあったコンテンツを作り、より効果を出すための施策を考えるようにしましょう。
弊社のインフォグラフィックス画像、動画制作サービスはぜひお問い合わせください。