インタビュー形式やイメージムービーなど、アイデア次第でさまざまな表現ができる採用動画。
最近では「かっこいい」や「面白い」といったイメージを採用動画で訴求し、SNSやYouTubeでの拡散を狙う企業も増えてきました。
企業にとっては参考にできる動画も増えてきたため、企画の幅を広められるという意味では大きなメリットと言えます。
そこで今回は、動画制作に役立つ採用動画の事例をご紹介します。
トレンド系や面白い系の事例のほか、新卒向けや中途採用向けなどの種類別に紹介するため、この記事を読むことで自社に最適な参考動画が見つかります。
採用動画は他社事例を参考にオリジナルを制作しよう
採用動画を制作する際に、もっとも重要な要素と言っても過言ではないのが参考動画です。
参考動画の有無により、仕上がる動画の品質は大きく変わります。
採用とは、言わば会社の考え方そのものにあたります。
採用活動を行う際には、企業メッセージなどを発信して会社の独自性を強くアピールするからです。人口減少が続く日本では、会社の考え方にオリジナリティを加えて情報を発信する必要があるでしょう。
しかし、動画制作のノウハウやリソースが不足する企業にとって、コンテンツに独自性をもたらすのは簡単なことではありません。
そこで重要となってくるのが、他社の事例を参考にしてオリジナル動画を制作することです。
現在は数多くの企業が動画を使った採用活動を実施しているため、動画配信サイトを検索したり、あるいは動画制作会社の実績を参考にすると自社のイメージに近い動画が見つかります。
何も参考にせずに動画を制作するよりも、参考動画をもとに構成や企画を練っていくほうが、よりイメージに近い動画に仕上がることは想像に難くありません。
また、制作会社に依頼する場合でも、参考動画があると完成形のイメージを伝えやすくなります。
今回はさまざまな採用動画の事例を紹介していくため、ぜひ参考にしてみてください。
リクルーティングムービーのトレンド系・コンテンツ系事例
採用動画には、かっこいい動画や面白い動画などトレンド系やコンテンツ系と呼ばれるジャンルがあります。
特に最近はスタイリッシュで洗練されたイメージの採用動画を発信する企業が多く、そうした動画を制作することで時代の潮流に乗ることができます。
ここでは、かっこいい採用動画や面白い採用動画、あるいはインタビューを駆使した動画の事例をご紹介します。
かっこいい採用動画
かっこいい採用動画は、スタイリッシュで洗練されたイメージが特徴です。
動画にかっこいい印象を加えることで、「こんな会社で働いてみたい」という求職者の憧れを生み出すことができます。
マクドナルド
上記は、マクドナルドの新卒および中途の店舗スタッフを対象とした採用動画です。
動画の冒頭にはナレーションがいっさいなく、スタッフが働く映像とBGMでイメージ的な動画に仕上がっています。スピード感あふれるスタッフの仕事や気持ちが伝わる心地よい笑顔など、本気で働く従業員の姿にかっこよさを感じ取れます。
イメージ映像を紹介した後は、社員の熱意などが伝わるインタビュー形式へと変化します。抽象的なイメージだけではなく、しっかりとメッセージで同社の強みを訴求している点が特徴です。
加和太建設
上記は、加和太建設が公開したリクルートムービーです。特に現場で働くスタッフにスポットを当て、普段どのような思いで仕事に取り組んでいるかを紹介しています。
加和太建設の動画の特徴は、演出が非常にうまいということです。
基本的な内容は現場で働く社員へインタビューをするものですが、各社員が発するメッセージに合わせて特徴的なテロップが現れます。単に耳で言葉を聞いているときよりも、メッセージに強烈な印象が生まれ、印象にも残りやすくなります。
サワダ精密
サワダ精密は、精密機械部品・生産設備などを扱う兵庫県姫路市にあるメーカーです。
上記の動画にはナレーションがいっさいありません。
しかし、「上を目指す人間であれ」や「自分らしく堂々とあれ」など、力強いメッセージが映像から伝わってきます。実写映像と特徴的なテキスト、そしてBGMと、使用している素材が少なくとも十分に企業メッセージをPRできることが分かります。
面白い採用動画
面白い系の採用動画を制作すると、話題性が高まりやすい点が大きなメリットです。
SNSでの拡散やYouTubeでの急上昇も期待でき、自社のことを知らない求職者にも訴求できます。
ソニーミュージックグループ
上記は、2015年に公開された新卒向けの採用動画です。公開日は少し古いものの、そのアイデアは決して錆びることなく、現在の採用動画にも十分に生かせます。
「時代は変わる」というメッセージを、アニメーション映像を使ってユニークに表現している点が特徴です。さらに「ソニーミュージックは音楽だけじゃない」など、しっかりと企業メッセージを伝えている点もポイントです。
エンターテインメントを得意とするソニーミュージックグループらしい動画と言えるでしょう。
ダイフク
上記は、大阪の堺地区を中心に介護活動を行うダイフクの採用動画です。
同社が実施する地域プロジェクト「さぁ介護、堺GO!」の全面的なプロモーションを行って魅力をアピールしています。
「さぁ介護、堺GO!」にダジャレ的な要素を含んでいるように、動画にも千利休を登場させるなどユニークな内容が際立ちます。とは言え、同プロジェクトは高齢化が進む堺市を元気にするため、地域の看護や保育を担う立派な内容です。
動画の内容はユニークながら、堺市の現状を打破しようと模索する真剣な企業の姿勢が垣間見えます。
面白い系の採用動画は、上記のようなギャップを表現できることがメリットです。
ユニークな内容で馴染みやすさが伝わると同時に、「真剣に事業を展開している=安心して働ける」というイメージまで醸成できます。
インタビュー系採用動画
インタビュー系採用動画とは、新入社員や先輩社員のインタビューを通じて働き方や会社の魅力を伝える方法です。
ほかにも社長に直接インタビューすることもでき、誰をインタビュイーに設定するかで視聴者の受け取り方が大きく変化します。
サイバーエージェント
新卒採用向けに徹底してインタビューコンテンツに重点を置いたのが、大手IT企業であるサイバーエージェントです。
上記の動画には、新卒の人に立場が近い新入社員や将来的な先輩となるベテラン社員はもちろん、代表取締役社長である藤田氏も登場しています。
社長による力強いメッセージに加え、新入社員の心温まる共感メッセージなど、立場の違う複数の社員がさまざまな思いを口にしています。
視聴者にとっては数多くの社員の意見や想い、仕事への取り組み方が知れるため、採用活動に大いに参考になるでしょう。
貝印
上記は、商品企画部や開発部、技術部など複数部署の現場で働く社員にインタビューを行った採用動画です。
貝印では包丁や爪切り、カミソリといった刃物製品を製造しており、技術力の高さに定評があります。
社員へインタビューを行うと同時に、働き方の映像を紹介している点が特徴です。
視聴者は映像を見ることで、各部署の社員が普段どのような仕事をしているかを知ることができます。
ソニー
上記はソニーで働く社員に焦点をあてた、若手社員へのインタビュー採用動画です。
若手社員は新卒の求職者ともっとも立場が近く、彼らの意見や熱意を発信することで視聴者からの共感を生み出すことができます。
動画に登場するのは若手社員とは言え、それぞれ情熱にあふれた人ばかりです。
それだけソニーの社内では、若手でも自分のやりたいことを実現できる環境が整っていることがうかがえます。
また、実際に働いている映像を見せることで、動画に動きが加わって視聴者の飽きを防ぐことも可能です。
採用方法別の採用動画事例
次に、採用方法別の動画事例をご紹介します。
採用方法には主に新卒採用と中途採用、アルバイト採用があり、それぞれ動画の内容が異なります。各動画の特徴を理解し、採用方法に応じた最適な情報発信を行いましょう。
新卒採用動画
採用動画を活用するケースでもっとも多いのが、新卒向けの採用動画です。
会社の魅力や強みなどを映像で伝えることで、自社にマッチする新卒の人材が集まりやすくなります。
以下の事例のように、新卒向けにユニークな動画を発信する企業が少なくありません。
アイ・エス・アイソフトウェアー
上記は、ドラマのような構成が特徴的な新卒向け採用動画です。
採用動画によくあるインタビュー形式ではなく、しっかりとキャスティングを行い独自性の高い内容に仕上げています。
「就活に意思が持てない」「仕事に意思が持てない」など、新卒の求職者が陥りがちな悩みをメッセージ化して伝えている点がポイントです。
上記のようなメッセージで視聴者の共感を誘いつつ、「アイ・エス・アイソフトウェアーなら意思を持って働ける」という強い印象を与えています。
日本経済新聞社
上記は、日本経済新聞社が公表した2021卒向けの採用コンセプトムービーです。
コンセプトムービーなのでナレーションはありませんが、動きのある洗練された映像とメッセージ性にあふれるテキストによって印象深い内容が伝わってきます。
YouTubeの概要欄には、日本経済新聞社の採用ページへのリンクも掲載されています。
気になる人はすぐに公式サイトにアクセスできるため、コンバージョンに結び付きやすい施策と言えるでしょう。
森下仁丹
上記は、「オッサンたちへ」という直接的なメッセージに特徴がある新卒採用動画です。
社会人として十分に経験を積み、なおかつ情熱を失わずに次のキャリアに挑戦しようとする人材を、森下仁丹では独自に「第四新卒」と名付けています。
上記の動画は、そんな第四新卒向けにメッセージが発信されている点が特徴です。
一般的に新卒を表す言葉は、25歳以上の就労経験のない(または3年未満)第三新卒までとなっています。
一方で森下仁丹のように独自の用語を生み出し、それを強烈なメッセージとして込めることで映像に独自性が生まれています。
中途採用動画
厚生労働省が2019年に公表した「中途採用に係る現状等について」によると、小規模会社(従業員5~299人)の中途採用比率は2017年度で76.7%にも達します。
全体で見ても65.3%の高い水準を有しており、特に中小企業で効果的に中途採用が行われていることが分かります。
参考:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000557900.pdf)
よって中途採用向けに採用動画を発信する企業も増えています。新卒採用動画との違いは、中途採用動画のほうがより求めている人物像をはっきりと描いている点です。
NTT西日本
上記は、NTT西日本が公開した中途採用向けのショートムービーです。
「中途半端な思いではない採用はじめています。」というコンセプトで、テレビCMのようなブランディングを主体として内容に仕上がっています。
「野望のある人」や「意思の強い人」など、30秒という短い時間ながらも求めている人物像が明確な点が特徴です。
Suprieve
中途採用向けにユニークな動画を発信しているのが、Suprieveです。Suprieveは、大阪・東京を拠点に教育や人材開発向けの企画・システム開発を担っています。
インタビューを行ったのは、実際に中途採用を行っている担当者です。
中途採用を志す人にとってはこれから実際に顔を合わせるであろう人たちであり、彼らの業務内容や仕事に対する熱意など、気になる部分を聞くことができます。
アルバイト採用動画
種類は少ないですが、企業によってはアルバイト向けに採用動画を発信する場合もあります。
マイナビの2020年1月の調査ではアルバイトが不足している企業の割合は7割を超え、人材不足が加速する企業にとって採用動画は大きなPR材料となります。
参考:ITmediaビジネスオンライン(https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2001/31/news083.html)
スターバックス
上記は、「スターバックスで働くということ」をコンセプトにした店舗スタッフ向け採用動画です。
冒頭に登場するのは、2012年にスターバックスに入社した現在のストアマネージャーです。
スターバックスでは店舗で働く従業員を「パートナー」と呼び、ストアマネージャーは彼らパートナーを束ねる存在となります。
このストアマネージャーの女性は、「パートナーがブランドを創っている」という考えを持ち、普段から一緒に働く従業員を大切に扱っている様子がうかがえます。
アルバイトにとってはこれから先輩になる人でもあり、「こうした人のもとで働きたい」という意欲を生み出すことが可能です。
ディスクユニオン
上記は、東京や大阪を中心にCD・レコードなどを販売するディスクユニオンの採用動画です。
動画の内容はインタビュー形式で、主に店舗で働くスタッフの日々の思いを紹介しています。
常に音楽に囲まれながら働いている店舗スタッフの思いや熱意などは、音楽好きにとって気になるところです。
「スタッフ採用動画」という名称で発信することで、アルバイト以外に正規社員向けの動画としても活用できます。
採用動画は自社に合わせた企画をしよう
採用動画は自社の特徴と、自社の採用ターゲットに合わせて内容を企画し、制作することが大切です。
また採用動画も自社サイトやSNS、動画広告と用途も多く複雑になってきています。
弊社では採用動画の企画、制作、運用までワンストップで提供可能です。
採用動画をご検討の際にはぜひお問い合わせください。