自社のサービスや事業を紹介するときや何かを説明、表現したい時には、今回ご紹介するインフォグラフィック動画が便利です。
特に商品の仕様や事業内容が複雑なほど紹介や解説は難しいものですが、インフォグラフィック動画を使えば端的に伝えたいことを訴求できます。
ただし、動画には数多くの種類があるため、必ずしもインフォグラフィック動画が最適な選択肢とは限りません。
よってあらかじめインフォグラフィック動画の特徴やメリットを理解し、最適なタイミングで活用することが求められます。
そこで今回は、インフォグラフィック動画の特徴やメリットを解説していきます。
動画制作の企画時に役立つ動画事例も紹介するため、制作する動画のイメージが湧きやすくなります。
インフォグラフィック動画(インフォグラフィックムービー)とは
動画を制作するうえで相手に伝わりやすい情報発信を心がけることは非常に重要です。
情報やデータを視覚的に訴求できるインフォグラフィック動画は、「情報の伝わりやすさ」を重視して動画を制作する企業に最適と言えます。
そこでまずは、「インフォグラフィック動画とは何か」という点について理解を進めていきましょう。
インフォグラフィック動画とは情報を視覚的に伝える手法
そもそもインフォグラフィックとは、文章だけでは伝達が難しい情報を図やイラスト、写真などを使って分かりやすく表現することです。
たとえば東洋経済オンラインでは、2021年6月29日に公開した「新型コロナウイルス 国内感染の状況」という記事にて、多数のインフォグラフィックを活用して新型コロナウイルスの感染状況をビジュアル化しました。(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)
記事中に掲載されている「検査陽性者数」や「入院治療等を要する者」など、厚生労働省の報道発表資料をもとに独自のインフォグラフィックが公開されています。
こうした情報は文章や数値だけで説明するのは非常に困難です。
新型コロナウイルスの感染状況が一目で確認できることから、Twitterなどでも大きな評判を集めました。
上記はインフォグラフィックをWeb記事に反映させたものですが、このインフォグラフィックに対しさらに動きや音を加えて映像化したものをインフォグラフィック動画と言います。
上記「新型コロナウイルス 国内感染の状況」の記事ではインフォグラフィックを活用した表やグラフが非常に分かりやすいものの、ときには文章で情報を補足しなければなりません。
その点、インフォグラフィック動画は補足文章もナレーションによる言葉で簡潔に伝えられ、さらに重要なポイントには動きまで加えられます。
つまり、インフォグラフィック動画とは、そもそも情報を分かりやすく伝えられるインフォグラフィック画像よりもさらに簡易的な情報伝達が可能と言えるでしょう。
インフォグラフィック動画が注目され始めた理由
インフォグラフィックが近年になって注目され始めたのは、インターネットの普及や技術革新によって情報過多の傾向が進んでいるからです。
総務省管轄の情報通信政策研究所調査研究部の「我が国の情報通信市場の実態と情報流通量の計量に関する調査研究結果」によると、2001年を100としたとき、2009年の情報流通量は198.7の約2倍となっています。(https://www.soumu.go.jp/main_content/000124276.pdf)
一方、2009年の情報消費量は2001年とほとんど変わっていないことから、世の中に出回る情報量が消費量を上回る情報過多が進んでいることが分かります。
さらに現在は、技術革新によってより膨大な情報を発信できることが可能になっており、情報過多の傾向は加速していることでしょう。
そのようななかで自社が発信する情報にアクセスしてもらうためには、ユーザーが興味のあるコンテンツを発信することはもちろん、情報を最後まで見てもらえるよう分かりやすく発信する必要があります。
特に動画では映像を活用する以上どうしても抽象的な情報発信になりやすいため、具体的な説明や解説に向くインフォグラフィックに注目が集まっているのです。
インフォグラフィック動画の特徴・メリット
ここまで、インフォグラフィック動画は、単なる文章や画像よりも圧倒的に情報を伝えやすいという利点を解説しました。また、インフォグラフィック動画には上記以外にも複数のメリットが存在します。
- 文章では理解が難しい表や数値を多用する企業にとって最適
- SNSとの相性がよく情報の拡散性に優れる
- 間接的なSEO対策に寄与する
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
文章では理解が難しい表や数値を多用する企業にとって最適
インフォグラフィック動画を活用することで、もっとも恩恵を受けるのは企業と言っても過言ではありません。企業では、表や数値などインフォグラフィックを用いると説明が容易になる要素を多用するからです。
たとえばソニー損保が公開した以下のインフォグラフィック動画を見てください。
上記の動画では、日本で販売される車の一生についてあらゆる平均データを用いて解説を行っています。「日本の年間生産台数」や「車の使用年数」など、動きのある映像で分かりやすく発信されていることが分かるでしょう。
ほかにも企業の沿革を紹介する場合、歴史の長い企業ほど文章にすると膨大な情報量となり説明が困難になります。
そこで表形式で簡潔に説明すると分かりやすいのですが、インフォグラフィック動画ではさらに言葉や映像によって説明を補完できます。
上記のように企業でインフォグラフィック動画を活用することで、情報の信頼性を高めたうえで商品紹介や事業紹介などが可能となります。
SNSとの相性がよく情報の拡散性に優れる
ユーザーとの円滑なコミュニケーションに最適なSNSですが、投稿する情報量に限りがあることが難点です。
基本的にSNSでは、Webサイトのように大量の文章を発信することはできません。
一方、インフォグラフィック動画であれば投稿に添付するだけで、複雑な情報でもよりシンプルな発信が可能です。
情報にアクセスするためには動画を視聴するだけでよく、ユーザーにとってはハードルが下がる取り組みと言えます。
SNSにインフォグラフィック動画を掲載した際に期待できるのが、情報の拡散です。
冒頭でお伝えした東洋経済の記事もSNSで広く拡散された通り、内容が理解しやすくユーザビリティの高い動画ほど情報が広範囲に伝達される傾向があります。
間接的なSEO対策に寄与する
動画や画像にかかわらず、インフォグラフィック要素を持ったコンテンツをWebに公開すると間接的なSEO対策に寄与します。
つまりインフォグラフィックを埋め込んだWebページの検索順位が上昇しやすいということです。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、基本的にユーザーに役に立つWebページほど検索結果の上位に表示させようとします。
ユーザーに価値のあるコンテンツが上位表示されるほど彼らの満足度が高まり、結果的に検索エンジンの利用者が増えるからです。
もちろんインフォグラフィックを活用するだけで上位表示を獲得できるわけではありませんが、SEO対策の一助になりえるという点を理解しておきましょう。
特にWebサイトなどへのアクセスを増やしたいときには大きな効果を発揮します。
インフォグラフィック動画の人気の用途
一概にインフォグラフィック動画と言っても、用途によって動画の内容は大きく変化します。
そのため、あらかじめ用途を限定し、適切な情報発信を心がけることが大切です。
企業でインフォグラフィック動画を活用するのは、主に以下のようなシーンとなります。
動画の用途 | 動画活用の効果 |
企業のサービス・商品紹介 | 企業では競合製品と自社製品の違いを数値を使って訴求することも多く、データを簡潔に伝えられるインフォグラフィック動画が向く。 |
企業の事業内容・会社紹介 | 売上額や拠点数、企業の歴史など会社紹介では数値などの複雑なデータを使用することが多い。 |
地方自治体による移住者募集 | 地元の移住者の推移など、地方自治体でもインフォグラフィック動画を活用すると地元に住むメリットが伝えやすい。 |
イベント告知 | イベントの開催日程や開催場所などを伝えるだけであればポスターやチラシでも十分だが、インフォグラフィック動画を活用するとさらにプロモーション映像を利用したイメージの訴求や話題性の提供に結び付けることができる |
コンテンツマーケティング | 他社にはない独自のコンテンツ(オリジナル映画やアニメ、MVなど)を制作して企業やブランドに対する話題性を高める |
インフォグラフィック動画の事例
最後にインフォグラフィック動画の活用事例をご紹介します。
さまざまな事例を知っておくと、動画を企画する際にアイデアの参考になるので便利です。
事例(1)マクロミル
上記は、インターネット調査で国内ナンバーワンのシェアを誇るマクロミルの事業内容紹介動画です。
「年間20,000件の調査実績」や「5,000社以上のクライアント」など、インフォグラフィックの映像を用いてデータを可視化しています。
単に文字や数値だけで実績を紹介されるより、具体的な映像を用いて説明されたほうが理解が深まります。
また、映像は全体的にアニメーションを活用し、ナレーションの内容が視覚的に理解できる点も特徴です。およそ4分弱の動画ですが、上記の映像を見るだけでマクロミルの事業内容のほとんどを理解できます。
事例(2)エックスモバイル
「もしもシークス」はエックスモバイルが提供する格安SIMです。上記は、同サービスのインフォグラフィックを活用したプロモーション動画となっています。
インフォグラフィックの利点を活用し、自社サービスのメリットにつながるデータを解説している点が特徴です。
たとえば「日本での携帯普及率」や「世界における携帯を保有する人数」など、数値やグラフの要素をアニメーションで伝えることで視聴者の理解度の促進をはかっています。
事例(3)SPinno
「SPinno(スピーノ)」は、販促業務におけるデータ共有やデザイン編集、業務整備などを効率的に行えるクラウドサービスです。上記は同サービスを紹介するインフォグラフィック動画となっています。
この動画では、同サービスを導入しないときにどの程度コストが増すかという点をインフォグラフィックを使って解説しています。
映像だと動きのある数字やイラストによってコスト削減効果が分かりやすく、サービスのメリットを端的に伝えることが可能です。
事例(4)東京都下水道局
東京都下水道局は、下水道の仕組みや役割について分かりやすいインフォグラフィック動画を発信しています。普段は思いもかけない下水道の役割を理解してもらい、水を大切に使ってもらうことが目的です。
この動画の特徴は、子供でも理解できるように細かい工夫が凝らされている点です。
たとえば動画に含まれるテキストにルビをふったり、子供でも分かる簡単なイラストを使用するなど、細かい配慮を行うことで視聴するターゲット層を広げることができます。
事例(5)埼玉県
埼玉県のYouTube公式チャンネルでは、「自殺予防キャンペーン」の一環としてインフォグラフィック動画を発信しています。
自殺に関するデータをインフォグラフィックによって伝え、最終的に県内の自殺者数を減らすことが目的です。
単なる文字や数字だけではなく、表やグラフなどに動きを付け、複雑なデータを視覚的に理解できるよう工夫を行っています。
事例(6)WE Sendai
上記は、仙台市の市民たちが集まって街の課題を解決するプロジェクト「WE Sendai」のプロモーション動画です。
実写映像とアニメーションを組み合わせ、非常に質の高い内容に仕上がっています。
特に路線情報を解説する際にはインフォグラフィックが効果的で、非常にオシャレな背景とBGMによって同プロジェクトに対するイメージも向上しています。
事例(7)住友商事
上記は、住友商事の事業内容や企業理念などを解説する会社紹介動画です。
この動画では、自社の拠点数や従業員を紹介するときにインフォグラフィックを活用しています。
世界65ヶ国、計140拠点を持つ住友商事の巨大さが、具体的な数値やインフォグラフィックを使ったデータで一目で理解できます。
住友商事は総合商社にあたるため、扱っている製品が多く事業内容を説明するのは決して簡単ではありません。
しかし、インフォグラフィックやアニメーションを活用することで、映像のイメージから事業内容を把握することが可能です。
また、全体的に非常にソフトな印象に仕上がっており、「大企業=堅苦しい」というイメージを払拭できるメリットもあります。
インフォグラフィックス動画の制作は企画から
インフォグラフィックス動画(モーショングラフィックス)は様々な表現ができ、1本の動画でビジネスやプロジェクト等の目的に対して大きな効果をつくることができる動画です。
何を誰に伝えたいのか、何のために伝えたいのかを考えながら、動画の企画を行い、制作した動画をどこで使うか、を考えて企画を行うことがとても大切です。
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