今では、地方から都心に移住する人だけでなく、都心から地方に移住する人や観光に行く人も大きく増加しました。
人口の少ない地方都市にとっては、移住者数を増やしたり地域が活性化するイベントを行ったりして町おこしにつなげたいところです。
地方自治体では予算も限られているので、どのように効率よく地域の魅力を発信しようかお悩みの広報の方も多いでしょう。
そんな中、地域の魅力を伝えるために注目されている方法がPR動画です。
インターネットの普及により動画市場が拡大しており、すでに多くの地域でPR動画を作成し成果をあげています。
この記事では地方自治体PR動画の基礎や活用法、制作費用について解説します。
この記事で分かること
→自治体のPR動画について
→地方自治体PR動画の活用事例
→PR動画の制作費用相場
自治体のPR動画とは
自治体のPR動画とは、地域の魅力を伝えるために作成する広報動画です。
これまでの地域の広報活動は紙媒体が中心でした。
新聞や雑誌へ記事を掲載したりイベントを企画してチラシやポスターを作成したりという形でしたが、インターネットの普及が進むにつれてWEB媒体でのPR活動が増えていきました。
地域のHPを作成したりFacebookやTwitter、Instagramといった各種SNSでの活動を行ったりすることで、より広い地域へのPR活動が可能になりました。
そして近年では動画による情報発信を行うことで効果的に成果を上げる地域が増えています。
PR動画が注目されるようになった要因には、モバイル端末の普及があります。インターネットの普及が進んだとはいえ、自宅でインターネットを利用する主な機器はPCでした。
ですが、スマートフォンやタブレットが全国的に普及したことでPCの使用率を上回り、好きな時に好きな場所で動画を視聴できるようになりました。
モバイル端末の通信速度に関しても全く支障なく動画を再生できる品質であることもモバイル端末の普及に拍車をかけました。
PR動画が注目されるようになったもう一つの要因は動画プラットフォーム市場の拡大です。
動画プラットフォームの代表格であるYouTubeは無料で動画投稿ができる上に、スマートフォンなどから気軽に投稿・視聴ができるので、日常的に動画と触れ合う文化が形成されました。
そしてユーザー数の多いSNSにも動画コンテンツ機能が追加され、短い動画や真似したくなる動画が数多くアップされることから、自治体のPRにも活用し多くの人を巻き込んだ施策を行う自治体が現れました。
動画を活用してPRを行うメリット
自治体の広報活動に動画を活用するメリットを解説します。
PR動画のメリットを理解して、広報活動を効果的に行うための手段の1つとして活用していきましょう。
1、伝えられる情報量が多い
一つ目のメリットは、伝えられる情報量が多いことです。
文章や画像に比べて動画は多くの情報を伝えることができます。
人の情報処理のスピードとして、文章や画像などの視覚を活用した処理量よりも聴覚と視覚を併用して処理する動画の方が受け取れる情報量が多いからです。
また、動画の場合は雰囲気や質感などもリアルに伝えることが出来るので視聴者がイメージしやすいのもポイントです。
動画加工ソフトを使用すれば思い通りの動画に加工することが出来ます。
興味をひくように面白い編集をしたり、見やすいように字幕を入れたりと動画を作りこむことで、伝えたいイメージ通りに視聴者に動画を届けることができます。
2、人の記憶に残りやすい
人は動くものや何度も見たものを記憶する性質があります。
キャッチーなフレーズが何度も流れてくるテレビCMをいつの間にか覚えていたことや、ふと口ずさんでしまった経験もあるのではないでしょうか。
人は文字を記憶したとしてもその定着率は低く、20分後には42%は忘れてしまうと言われており、1日後にはなんと74%も忘れてしまいます。
つまり日常で目にした文字情報は約四分の一しか記憶に残りません。
動画コンテンツの場合は文字情報による記憶の約2倍の効果があります。
人の記憶の仕組みの性質上、動画は記憶に残りやすい特徴を持っているので、PR動画を活用することで効果的に地域の魅力を伝えることができます。
3、SNSとの相乗効果が期待できる
作成したPR動画は、SNSにも活用することでさらに集客効果を高められます。
SNSの拡散力の高さは大きな特徴です。
Twitterであれば、「いいね」や「リツイート」などの機能により、自分をフォローしていないユーザーにも投稿した動画を見てもらえる可能性があります。
Instagramには、爆発的な拡散機能はないですが、インフルエンサーを起用することで多くのフォロワーに動画を届けられます。
TikTokは、楽しい音楽とつい踊りたくなるようなダンスの動画が人気です。
ハッシュタグを設定して多くのユーザーがダンスの真似をすることで多くの人に認知されます。
4「自治体による移住関連情報の提供や相談支援等への地方財政措置」
PR動画による経済効果は国家でも認識されています。
総務省は「地域自立応援施策について」の中で、移住促進のためのプロモーション動画の制作を地方団体の情報発信についての取り組み例に記載しています。
地方自治体は決められた予算の中で広報活動を行わなければいけません。
助成金などをうまく活用してクオリティの高いPR動画を作成できる可能性があります。
出典URL:https://www.soumu.go.jp/main_content/000546627.pdf
地方自治体でPR動画を作成する目的
地方自治体でPR動画を作成する目的は次の通りです。
ブランディング
効果的なPR動画を作成することで地域の魅力を生かしたブランディングを行うことができます。
ブランディングとは、ターゲット層に地域に対して共通のイメージを抱いてもらうための施策を指します。
例えば、日常で使いやすい機能性ウェアといえばユニクロ、など○○といえば△△という風にイメージを持ってもらうことで差別化を生み、ファンを獲得することにつながります。
この地域で良くとれる野菜や名物料理、各地域のゆるキャラなどを全面に出してPR動画を作成することで地域に対するイメージを持ってもらえます。
現在は都道府県ごとに特産や名物を生かしたブランディングは進んでいますが各地域に関してはまだまだ差別化の余地があります。
○○といえばあの都道府県のあそこだ、と思ってもらえるようになれば、PR動画は成功でしょう。
町おこし
地域ごとに、祭りや博覧会、スポーツイベントなど多くの行事が行われています。
これまではポスターを作成して人が集まる駅や広報スペースに設置したり、チラシを作成して家に投函したり街中で配ったりしてプロモーションを行うことが主だったと考えられます。
動画媒体でPR動画を作成し、届けることでより魅力的に行事の雰囲気や面白さを伝えることができます。
地域ごとの特色をより多くの人に知ってもらうことで、より行事が盛り上がり、町おこし、村おこしへとつながります。
地域を活性化させるためにもPR動画の作成は有効です。
移住者獲得
都心での生活に疲れて、のどかな地方に移住を希望する人が増えています。
PR動画を作成することで老後の生活として農業に従事したい方や、落ち着いた地域で生活したい方など移住を考えている方に移住先の候補として興味を持ってもらえます。
その地域の暮らしぶりや雰囲気などは移住者にとっては重要なポイントです。
どうしても文字や画像では伝わりにくいのでPR動画を通してリアルな地域の空気感を知ってもらうことで移住を後押しできます。
その地域に在住している方を起用して、リアルな暮らしぶりや方言などを盛り込むことで自分が暮らしたときのイメージが湧きやすく効果が高いPR動画になります。
観光客獲得
地方の経済効果に大きく関係するのが観光客です。
観光客をどれだけ増やせるかは重要な課題の1つですが、PR動画は観光客の獲得にも効果的です。
観光スポットや名物グルメを多くの人に知ってもらうことはもちろんですが、観光客にオススメの町巡りのルートを提案したり、それぞれのスポットでの楽しみ方を届けたり、地元の人しか知らない情報などを盛り込むことでより魅力が伝わります。
また、文字では伝わりづらい魅力も動画なら伝えられるので、インバウンド効果も見込めます。
地域の伝統や文化に興味を持つ外国の方も多く、海外から日本に来た際や、既に日本に住んでいる方に対して動画を作成すれば、大きな実績につながります。
地方自治体PR動画の事例
話題を呼び、地方の活性化に成功したPR動画の事例をご紹介します。活用例を参考に動画を作成することで成果の高いPR動画にしましょう。
KAGOSHIMA ENERGETIC JAPAN
鹿児島県では、地域の魅力や行事などについて動画を通じて発信していくKAGOSHIMA ENERGETIC JAPANというプロジェクトを2019年から行っています。
鹿児島の雄大な自然を生かした海産物を使った料理や地域で開催されている祭り、一度は行ってみたくなるような美しい自然などのコンテンツが投稿されています。
自然の魅力が最大限伝わるように4K動画になっているようです。
山梨県小菅村
地方自治体のPR動画では異例の100万回再生を記録したPR動画です。
ターゲット層は若者でゾンビが登場するゲームの舞台として小菅村を設定し、村人がゾンビに扮しと移住者と戦うという斬新なストーリーです。
リアリティに優れ、ついドキッとしてしまう冒頭シーンは、動画の初めで視聴者をつかんで離しません。
見終わった時には村のPRもできているためクオリティの高いPR動画の事例です。
いばキラTV
全国初の自治体公認バーチャルユーチューバーとして茨城県の魅力を発信している「茨 ひより」チャンネル名「いばキラTV」は、すでにその活動による広告効果が2億円を超えています。
「茨ひより」は茨城県の観光情報を伝える公式アナウンサーという設定で登場しており、「茨城らしいほどよい田舎っぽさとあざとすぎない可愛さ」が魅力的で若年層を中心に人気を博しています。
自治体PR動画の制作費用相場
自治体のPR動画の制作費用はどれほど必要なのでしょうか。どのような動画を作るのか、自分たちで作るのか、業者に依頼するのかで費用は変わってきます。
職員が撮影・編集を担当する | 数千円~数万円程 |
代行業者に依頼 | 数十万円~数百万円程 |
タレントやエキストラを起用 | 数千万円程 |
また、動画制作の費用はアニメーションと実写、長さでも分かれます。
プロモーション・PR動画制作料金相場表 | |||
動画の長さ | 動画の種類 | 動画の品質 | 料金相場 |
1分未満 | アニメーション | 低 | 10~25万円 |
高 | 25~60万円 | ||
実写動画 | 低 | 20~60万円 | |
高 | 50~100万円 | ||
3DCG | 低 | 80~100万円 | |
高 | 100~200万円 | ||
1分~3分未満 | アニメーション | 低 | 25~55万円 |
高 | 65~150万円 | ||
実写動画 | 低 | 50~90万円 | |
高 | 80~200万円 | ||
3DCG | 低 | 150~250万円 | |
高 | 250~350万円 | ||
3分以上 | アニメーション | 低 | 40万円~ |
高 | 85万円~ | ||
実写動画 | 低 | 95万円~ | |
高 | 200万円~ | ||
3DCG | 低 | 200万円~ | |
高 | 350万円~ |
タレントやエキストラの起用、CGなどの高度な情報処理技術を活用する際は、高額な費用がかかります。ぜひ参考にしてみてください。
制作をしたい動画に合わせてこちらのシミュレーターで料金を計算して費用感を把握しましょう。
長野県小諸市で制作されたPR動画「小諸がアツ・イー」は職員が撮影から編集まで行っています。
ほとんど費用をかけずに4万5千回以上の再生回数を記録し、「ぐろーかるCM大賞」でコスパ賞を獲得しています。
例えばこの「小諸がアツ・イー!本篇」は出演、撮影、編集を職員が行い、小物なども全て手作りで行われ、1万円以下の低予算で制作されています。参考:https://deal-always.com/local-government-pr-video
まとめ
現代では観光場所や移住場所について、スマートフォンなどで日常的に調べるようになっています。魅力的に地域の魅力を伝えるためにPR動画は欠かせません。
目的を意識して企画を行うことが最も重要です。
リアルな地域の雰囲気を伝えたい場合は特に、タレントの起用なども必要ないので予算もそれほど必要ありません。またはアニメーションで表現する方法もあります。
そして、PR動画を制作する際は、目的を1つに絞りましょう。
観光客を増やしたい、移住者を増やしたい、町おこしをして地域活性化につなげたいなど目的に合わせて動画を作成しなければ効果はありません。
制作の方法や構成も変わってくるのでまずは、地域の課題を明確にするところから始めましょう。
地域の広報活動がうまくいかず悩んでいる場合には、自治体のPR動画を制作してみてはいかがでしょうか。
弊社では動画の企画、制作、その後の運用までワンストップでサポートいたします。
ぜひお問い合わせください。