「地域活性化のためにPR動画を活用したい」
「町おこしに有効な手段を探している」
日常的に動画視聴を行うようになった今、上記のような思いを持つ自治体に自治体が行う地域活性化の手段としてPR動画が活用されており、実際にPR動画をきっかけに町おこしに成功した自治体も多数あります。
画像やテキストに比べて伝えられる情報量が多く記憶に残りやすいというメリットがありますが、動画をうまく活用できず失敗に終わってしまっては元も子もありません。
初めて自治体動画を作る際に、動画作成で失敗したくない、どうやって制作したらいいのか分からないと、不安を抱える方もいるでしょう。
この記事では、自治体動画制作で失敗を避けるためのポイントについて解説します。
この記事で分かること
→動画制作のポイント
→PR動画で失敗してしまうケースとは
→動画制作の流れと実際のPR動画活用例
自治体の動画制作は目的に合わせて行うべき
「あなたが動画制作を行う目的は何でしょうか?」
多くの自治体の担当者が失敗してしまう理由には、目的を明確にしていないことがあります。
なるべく多くの人に見てもらいたいと思うあまり、誰の心にも響かないような動画になってしまうことも少なくありません。
・移住者獲得のためにリアルな町の暮らしを知ってほしい
・観光に来た際の楽しさを伝えたい
など、明確な目的を1つに絞ることでターゲットに刺さる動画制作を行うことができます。
また、実写動画かアニメーションかなど、動画の目的に合わせた動画の種類を選択することも重要です。
目的に合わせて動画の種類やコンテンツを企画する
明確な目的を決めたら、適した動画の種類やコンテンツを選択する必要があります。
動画はテキストや画像よりも伝達力が高いとはいえ、適切な手法で制作しなければ伝えたいポイントが伝わりません。
例えば、地元の海鮮料理のおいしさを伝える場合には、アニメーションよりも実写で動画を撮り、食べている人の美味しそうな表情を流す方が魅力的に伝わります。
動画の種類には以下の3つがあります。
・アニメーション
自治体のPR動画にはアニメーションが活用されることも少なくありません。
アニメーション動画は他の動画コンテンツに比べて費用を抑えて制作することができます。
実写と違い場所や天候に左右されることも無いので、制作にかかる時間も短いのが特徴です。
アニメーションの場合はご当地キャラ等、地域のブランディングに効果的なキャラクターを活用することができます。
キャラクターを使用することでわかりやすく地域の特産を伝えられ、子供にも親近感の湧くPR動画になるのでキャラクターを活用したい場合にはオススメです。
また、無形サービスなど目に見えないものに関して紹介したい際にも、使い勝手やメリットを視覚的にわかりやすく伝えることが出来ます。
・実写
実写動画の特徴はリアリティさをそのまま届けることができる点です。
地域の祭りやイベントなどの臨場感をそのまま伝えられるため、より多くの視聴者に興味を持ってもらえたり、「実際に見てみたい」と感じてもらえます。
また、言葉では伝わらないような地域の雰囲気や住民の表情などからより多くのメッセージを感じてもらえるような動画にすることも可能です。
エンタメ系のコンテンツ・企画
エンタメ動画を作成することで、話題を呼び多くの人に爆発的に拡散される可能性があります。
特に若い層を中心にSNSなどで注目を集める動画にはエンタメ要素が強い動画も多数見受けられます。
ダンスやゲームなどの要素を取り入れて他にはないような面白い動画を制作し、短期間で大きなPR効果を狙う場合はエンタメ動画がオススメです。
PR動画で失敗するケース
PR動画で失敗してしまうケースには以下の2つがあります。
・作ったもののアクセスが集まらない(動画広告等の企画をしていない)
予算をかけてPR効果の高い動画を制作したとしても、視聴されなければ成果は得られません。
PR動画にアクセスを集める手段を考えておく必要があります。
例えば、動画広告としてプラットフォームに出稿したり、自治体のオウンドメディアにアクセスを集めるなどを行う必要があります。
特にPR動画と動画広告は相性が良いので、動画広告の運用を行うことで多くの視聴者を獲得することが出来ます。
また、SNSでの拡散を行うことも有効です。
SNSでPR動画を拡散することでこれまで地域に関して接することの無かったターゲット層にアプローチが可能になります。
アクセスが集まらずに成果をあげられないという事態を防ぐために動画広告の企画やSNSの活用をしましょう。
・予算が多すぎる、または少なすぎる
地方自治体の場合、予算の確保も重要な課題です。
予算が多すぎた場合には、つい作りこみ過ぎや無駄なオプションを付けてしまい目的に合った効果を得られない場合があります。
一方予算が少なすぎては、必要な要素を盛り込むことが出来ず、こちらも成果を得られない場合があります。
PR動画制作の際に設定した目的に合う、適正予算を準備しましょう。
目安として、動画作成の料金相場は以下の通りです。
実写動画の場合
料金相場 | 動画の長さ | 製作期間 | 特徴 |
30万円~60万円 | 60秒以内 | 約1ヶ月 | キャストは社員で撮影場所は1か所と、なるべく費用を抑えた場合。 発注先は中小企業やフリーランスの場合が多い。 |
50万円~100万円 | 120秒以内 | 約2ヶ月 | ロケ場所を複数選択する場合。 キャストは社員で用意し、表現にこだわると比較的予算が必要。 |
80万円~300万円 | 120秒以内 | 約3ヶ月 | 役者に依頼して、機材と撮影場所を複数用意した場合。 |
300万円~ | 120秒以内 | 約3ヶ月以上 | より本格的な動画を作成する場合。 |
アニメーション動画の場合
料金相場 | 動画の長さ | 制作期間 | 特徴 |
30万円~50万円 | 15秒~30秒 | 約1ヶ月 | イラストを組み合わせて制作する場合。 |
30万円~80万円 | 30秒~60秒 | 約1.5ヶ月~2ヶ月 | 簡易的なアニメーションやオリジナルイラストを使用する場合。 |
50万円~200万円 | 60秒以上 | 約3ヶ月 | より凝った編集を施した場合。 |
200万円~ | 60秒以上 | 3ヶ月以上 | フレームバイフレーム方式でクオリティの高い映像を作成する場合。 |
各種カスタマイズ等の動画制作メニューの料金見積もりはこちらで確認できますので、ご活用ください。
自治体PR動画の事例 3~5
・宮崎県小林市「移住促進PRムービー」
宮崎県小林市の移住促進PRムービー「ンダモシタン小林」です。フランス人の視点から小林市の自然や食事、人の温かみを伝えています。
動画の最後にはちょっとしたネタばらしも含まれていて、美しいさや魅力を伝えると掃除にエンタメ要素も含んだ動画となっています。
移住を検討している方にとっては、その土地の文化や食事、住みやすさに関して不安を抱いていることが多いでしょう。
小林市が制作したこの動画では、移住者の視点からストーリーが進む点や食事や自然などあらゆる要素について触れているため、1分半ほどの動画を観ただけでも小林市をよく知った気持ちになります。
・栃木県日光市観光PR動画「RE:NIKKO」
栃木県日光市の観光PR動画では定番の日光だけでなく、春夏秋冬によってそれぞれ違う魅力や楽しさを伝えています。
実写ムービーを活用することで特にナレーションや解説が無くても、観光地の和気あいあいとした雰囲気や、滝や山で行うことが出来るアスレチックやキャンプの自然に触れる魅力がリアルに伝わってきます。
観光スポットは約40か所紹介されており、日光に行った経験がある方でもまた行きたいと思えるような動画になっています。
・磐田市PR動画「ペペぺい ぺぺぺい!うれしっぺい!」
こちらは、親しみやすいアニメーションと耳に残るフレーズの歌が特徴のブランディング動画です。
歌と踊りはすぐ真似できるように作られており、字幕もひらがなで表記されているため子供から大人まで楽しめます。
そのうえ地域の特産や生産ランキングなども盛り込まれていて磐田市の特徴や魅力も伝わってきます。
・長野県小諸市PR動画「小諸がアツ・イー!」
「制作費わずか9500円」という費用を抑えたにも関わらず高いクオリティが話題になりました。
企画、出演、編集、撮影など全て自治体で行ったというので驚きです。
ストーリー構成がわかりやすく、女子アナウンサーがさらわれてしまうというハプニングから、観光地や地域の特産を紹介しながら、小諸市地産地消推進キャラクター「こもろん」が救出を行うという流れになっています。
・愛媛県松山市短編アニメ「マッツとヤンマとモブリさん」
最後は短編アニメとして制作されたPR動画「マッツとヤンマとモブリさん」です。
愛媛県松山市を舞台に3人の子供が繰り広げる冒険物語となっており、観光名所やご当地グルメなど魅力が詰まった動画になっています。
シリーズの声優として松山市出身のタレント「友近さん」やEXILEの「白濱亜嵐さん」などが担当しており、注目を集めました。
アニメとしても面白いストーリー構成になっているので、あっという間に10分が過ぎてしまうような感覚で松山市の魅力を知ることが出来ます。
自治体PR動画の制作の流れ
動画制作を行う場合、どうしても予算が用意できない場合や自治体で制作したいという要望がない限りは制作会社に依頼するのが一般的です。
制作会社に依頼をする前に、いくつか準備しておくと良いものがあります。
・依頼前に準備しておくとよい項目
2,予算額、動画の長さ
3,明確なターゲット層
4,参考になる動画
5,配信予定の媒体
1,動画制作を行う目的
動画制作で失敗しないために、動画制作を行う目的を明確にしておきましょう。
目的が明確になることで、目的に合った予算や動画の長さ、種類や配信媒体を選択出来ます。
自治体であれば、地域のブランディング、観光客の増加、移住者の獲得、町おこし・村おこし等があります。
2,予算額、動画の長さ・種類
目的に沿った予算を準備しましょう。もちろん費用をなるべくかけずに高い質の動画を作成することも可能ですが、外部の協力や内部での動画制作のノウハウなどが必要になります。
動画の長さ・動画の種類はどうするのかを予算額と照らし合わせながら、事前にある程度明確にしておく必要があります。
3,明確なターゲット層
誰に向けた動画なのかを事前に明確にしておくことで誰にも刺さらない動画になってしまう事態を防ぎましょう。男性向けなのか女性向けなのか、子供に見てほしいのか大人に見てほしいのかなどによって、内容やストーリー構成が変わってきます。
4,参考になる動画
制作動画としてイメージしているものに似ていたり、参考になる動画を提示することで制作会社とイメージを共有しやすくなります。
思っていたものと違う動画にならないためや、修正工程を減らすためにもお手本になる動画を準備しておきましょう。
ここからは、動画制作を依頼した際の実写動画とアニメーション動画の流れについて解説します。
実写動画制作の流れ
1企画(約1週間~2週間)
動画制作にあたって制作会社との打ち合わせを行い、企画を作成します。
2絵コンテ
どのような動画になるのかをわかりやすく絵などでシナリオ化します。
3キャスティング・オーディション
動画の出演者を決定します。必要な場合はオーディションを行いイメージに合うキャストを選定します。
4ブッキング・ロケハン
出演者の撮影日の予定、撮影場所の確保を行います。
5当日のスケジュール作成
当日の撮影の流れや動きを台本にします。
6撮影準備(約1週間)
必要な機材の確保やナレーションの準備などを行います。
7撮影(約1日~2日)
クライアント立会いのもと、撮影を進めていきます。
8編集(約2週間)
撮影した動画や写真を使ってPR動画として仕上げていきます。
9試写
編集した動画をクライアントに確認してもらい、必要な箇所は修正をします。
10最終チェック(約1日)
最後に必要な箇所の修正やナレーションをいれて完成です。
アニメーション動画の流れ
1企画(約1週間)
クライアントの要望やイメージをヒアリングし、アニメーション動画の企画を作成します。
2絵コンテ
シナリオをわかりやすく絵などで具体化します。
3素材制作(約1週間~2週間)
4イラスト制作
5アニメーション制作(約1週間~2週間)
アニメーション動画に必要な、素材やイラストを作成してきます。登場するキャラクターや背景等様々な種類を用意します。イラスト制作が完了したら、アニメーション制作を行うことで動きを付けながら、1本の動画として作成していきます。
6初稿チェック
アニメーションが完成したら、クライアントに確認してもらい、必要な箇所は修正します。
7最終チェック(約1日)
セリフの吹込みやナレーションを挿入して完成です。
PR動画で失敗しないために
自治体の魅力を伝え、PRを促進していくためには動画制作が有効な手段の1つとなっています。
初めて動画を作成する際には不安な場合も多いでしょう。
動画制作で失敗しないために、まず動画制作を行うにあたっての目的を明確にしましょう。
目的が明確になれば、目的に合った動画の種類や予算が決まっていきます。
また、動画制作には経験やノウハウが必要ですので条件にあう制作会社に依頼するようにしましょう。
弊社では動画の企画から制作、運用までワンストップで提供しています。
是非お気軽にお問い合わせください。