コンテンツマーケティングを行ううえで、グーグル検索エンジンの存在は無視できません。
コンテンツの検索結果をランク付けしているのはグーグル自身だからです。
そのため、グーグルが好むコンテンツを意識することで、Webサイトへのアクセスをより高められます。
今回は、グーグル検索エンジンを意識したコンテンツ制作方法や、グーグルを活用してコンテンツマーケティングの効果を高める方法をご紹介します。
コンテンツマーケティングの仕組み
コンテンツマーケティングとは、価値のあるコンテンツを定期的に発信することで、見込み顧客の獲得やニーズの育成、購買意欲の向上などを図る施策です。
まだ自社商品を知らない消費者や、知った上で情報収集をするターゲットが購買活動をするまでの経路において、各経路上でのニーズを汲み取り、それぞれのニーズに最適なコンテンツを提供するのが基本的な流れとなります。
コンテンツの種類はさまざま
コンテンツマーケティングに活用するコンテンツの種類はさまざまで、グーグルやヤフーの検索画面に表示されるWeb記事や、YouTubeやTikTokなどの動画、リピーター獲得に役立つメルマガなどが該当します。
その中でも、汎用的に利用されているのがWeb記事です。
Web記事は消費者の多様なニーズに応じてコンテンツを幅広く応用しやすく、さまざまなチャネルで活用できます。
たとえば、「結婚式に着用すべき服装が分からない」というニーズがあったとします。
すると、その人は「結婚式 服装 マナー」などのキーワードで情報を検索しようとするでしょう。
もし上記のニーズに該当する商品やサービスを提供している場合、「結婚式の服装マナー」や「結婚式で絶対にやってはいけない服装のNGルール」といった記事コンテンツを用意できます。
その記事は読者のノウハウを向上させる役割がありますが、同時に「結婚式会場なら○○にお任せ」と自社サービスのPRまで行うことで、サイトへのアクセスを購買層へと育成することが可能です。
このように、まずは消費者ニーズの分析から始まり、そのニーズに最適なコンテンツを提示することがコンテンツマーケティングのキモとなります。
広告やSNSとの相乗効果が高い
広告やSNSといった別のマーケティング手法との相乗効果が高いことも、コンテンツマーケティングの特徴です。
仮にWeb記事を発信する場合、グーグルやヤフーの検索結果上位に表示されることが大前提となります。
このように検索結果1位に表示された場合と20位に表示された場合とでは、サイトへのアクセス数が大幅に変わるからです。
しかし、検索結果上位に表示されるためにはSEO対策が必要で、効果が出るまでに長くて半年以上の歳月がかかります。
そのため、より即効性が期待できるWeb広告(リスティング広告など)で集客を行い、集めたアクセスを購買層へと育成する施策にコンテンツマーケティングを活用するといった、マーケティング手法の併用が可能です。
さらにSNSで新商品やキャンペーン情報のプロモーションを行うことにより、コンテンツマーケティングで購買にいたった顧客を、今度はリピーター(ファン)へと昇華させることもできます。
グーグルの好むコンテンツ
コンテンツマーケティングに活用するコンテンツは、Web記事が主流だとお伝えしました。
そして、Web記事を発信するうえで欠かせないのがグーグルという存在です。
世界でもっとも利用者数の多い検索エンジンであるグーグルにおいて、検索結果の上位に表示されるということは多くのアクセス数が望めます。
そのため、コンテンツを制作する際は、「グーグルが好むコンテンツ」をよく理解することが大切です。
以下でそのコンテンツの特徴をご紹介します。
質の高いコンテンツ
グーグルは、何よりも質の高いコンテンツをより上位に表示させようとします。
なぜなら、コンテンツの質が高いほど検索ユーザーの満足度が向上し、グーグルに対する評価も高まる(グーグルの利用者増に寄与する)からです。
ただし、一概に質の高いコンテンツといっても、自己満足で完結しないように注意してください。
質を高めるには、以下でお伝えする3つのポイントを基にユーザー目線でコンテンツを制作しなければなりません。
検索クエリに最適な情報や知識
検索クエリとは、検索ユーザーがグーグルやヤフーなどで情報を調べる際に用いる言葉やフレーズを指します。この検索クエリに最適な情報や知識を提供しなければ、そもそも上位表示はできません。
たとえば、「結婚式 服装 マナー」という検索クエリでグーグル検索を行ったところ、検索結果1~3位には次のような記事が表示されました。
- 結婚式・披露宴の服装|~女性編~【NGな服を写真で解説!】
- 【今さら聞けない】女性ゲストの結婚式服装お呼ばれマナー!
- マナー講師がアドバイス!【結婚式ゲストの服装&持ち物マナー】
上記のタイトルを見て分かる通り、検索クエリに適した記事ほど上位表示を実現しています。
「結婚式 服装 マナー」の検索クエリを持つユーザーは、「結婚式で恥をかかないための正しい服装マナーを知りたい」と考えているはずなので、各記事の内容を見てもそのニーズを満たす情報や知識が掲載されていました。
反対に、「結婚式 服装 マナー」という検索クエリに対し、「ブライダル姿が美しい有名人10選」などの情報を提供したとしても、検索ユーザーのニーズには適いません。
よって、ユーザーの検索キーワードからニーズを洗い出し、最適解となるコンテンツを提示することが重要です。
E-A-Tを意識したコンテンツ
E-A-Tとは、以下のの3つの頭文字を取ったグーグルによる造語です。
- 「Expertise(専門性)」
- 「Authoritativeness(権威性)」
- 「TrustWorthiness(信頼性)」
専門的かつユーザーにとって信頼ができるかどうかにより、そのコンテンツを上位表示させる指標にもなります。
たとえば、先ほど「結婚式 服装 マナー」の検索クエリの表示結果で、「マナー講師がアドバイス!【結婚式ゲストの服装&持ち物マナー】」という記事が上位に現れました。
この「マナー講師」というキーワードは、実にE-A-Tを明白に表した用語です。
マナー講師であれば一般人よりもマナーに関する豊富な知見を持つことが予想されます。
読者にとっても、一般人からの解説に比べ、プロのマナー講師からマナーに関する解説を聞くほうが、より正確で質の高い情報を得られると感じます。
よって「読者の役に立つ情報」とグーグルに判断され、上位表示される可能性が高まる仕組みです。
ただし、素人が専門家の風を装ってコンテンツを制作することはかえって逆効果です。
たとえば、タイトルに「専門家監修」と記載されているにもかかわらず、コンテンツの中身は稚拙で素人感が拭えないような内容になっているケースがあてはまります。
グーグルは、専門家の情報(監修者など)や専門的な内容をコンテンツの質から判断するため、嘘をついて権威性を高めようとすると評価が低くなる可能性が高くなります。
オリジナリティの高いコンテンツ
コンテンツの質の高さを表す最後の要素は、オリジナリティです。
「そのコンテンツにしかない、独創性の高い情報や知識が紹介されているか」という点で、グーグルは検索結果のランキングを決めています。
Web上に公開された記事や動画は著作権法に守られていますが、その内容を参考にして似通ったコンテンツを作ることは難しくありません。
たとえば上記の「結婚式 服装 マナー」の検索クエリでも、上位の記事を参考に構成を考えれば効率的にコンテンツが作れます。
しかし、すでに公開済みのコンテンツと似通ったコンテンツを投稿すると、グーグルからは「類似コンテンツ」と判断されることも多く、検索結果への上位表示は困難になります。
そのため、オリジナリティを意識したコンテンツ制作が重要です。
コンテンツに独自性を加えるには、自分の経験や体験を組み込んだり、専門家への単独インタビュー、独自アンケート調査結果の公表といった方法が役立ちます。
オリジナリティが高いほど模倣が難しく、代わりに引用や出典が増える(被リンクが増える)ので、より上位表示へと近付けます。
最適なUXに基づいたコンテンツ
UX(User eXperience)とは、「一つの製品やサービスを通じたユーザーの体験」という意味です。
コンテンツマーケティングにおいては、ユーザビリティの高いコンテンツを提供することがUXに適っています。
ユーザビリティを高める方法の一つが、「読みやすさの追求」です。どれだけ価値があり、オリジナリティの高いコンテンツでも、文章が読みにくければユーザーはサイトを離反してしまいます。
正しい日本語を用いるのはもちろん、漢字と仮名のバランスや、難解な用語を分かりやすく説明する工夫が必要です。
また、コンテンツ内にインフォグラフィックスを活用するのもUXの向上に役立ちます。
インフォグラフィックスとは、文章では伝わりづらい情報やデータを画像や動画によって視覚的に表現したものです。
イメージや印象といった感覚的な情報も伝えやすいため、インフォグラフィックスを活用することでUXが高まります。
合わせて情報の伝達量が多い動画もサイト内に埋め込んで記事コンテンツと一体化させることで、よりユーザーの満足度が高まり、結果として問い合わせの向上やSEOに好影響があるでしょう。
SEOに則ったコンテンツ・技術
最後に、SEO対策が施されたコンテンツもグーグルは好みます。
SEOとは、検索エンジンで上位表示されやすい施策をコンテンツ内に盛り込み、意図的に検索結果の上位に表示させようとする対策です。
上位表示させるには必須の技術といえますが、「誰のためにSEO対策を行うか」を間違えないように注意してください。
SEOの中にはサイト内の技術的な施策もありますが、コンテンツでの試作もあります。
SEOを行う目的はあくまでユーザーに有益なコンテンツを提供するためであり、グーグルがインデックスしやすいようにするためではありません。
たとえば、SEO対策の一つに「metaタグの最適化」があります。
titleタグとdescriptionタグの文面を考え、検索結果に表示される記事タイトルと概要を最適化する手段です。
記事タイトルと概要がコンテンツの内容を的確に表していれば、ユーザーは一目でそのコンテンツの内容を理解できます(ユーザビリティの向上)。
そのため、metaタグを最適化してグーグルの上位に表示されるのは、決して目的ではなく、あくまで結果にしか過ぎません。
ほかにも「構造的な見出し(h)タグの配置」や「関連用語を含めたコンテンツ」などがSEOに有効ですが、いずれも「ユーザーが便利だと感じること」を意識して対策を施すようにしましょう。
グーグル検索とコンテンツマーケティングは好相性
ここまでグーグルに好まれるコンテンツを詳細にご紹介したのは、グーグル検索とコンテンツマーケティングの相性が良いからです。
その理由として、グーグル検索とコンテンツマーケティングはどちらも、ユーザーのニーズを満たす有益な情報を提供しようとすることが挙げられます。
たとえば、先ほどから例に挙げている「結婚式 服装 マナー」という検索クエリに対し、実際にマナーに則った結婚式の服装の情報を提供すればユーザーの悩みは解決されます。
そして、グーグルは検索クエリに対して役立つ情報を提供しようと、マナーに則った結婚式の服装の情報を提供するコンテンツを、より目にとまりやすい箇所へ表示しようとします。
上記の通り、グーグル検索とコンテンツマーケティングは同じ目的や手段を持っていることが分かります。
「ユーザーに価値のあるコンテンツを提供する」ことが手段であり、その延長線上に「サービスの認知拡大やコンバージョンの増大」という目的が存在するのです。
進むべき道が同じであれば共存もでき、なおかつ相乗効果までもたらすことができます。
コンテンツマーケティング×グーグルでより効果を出すために
ここまで、コンテンツマーケティングとグーグル検索を組み合わせることで相乗効果が期待できること、そしてグーグルに好まれるコンテンツの重要性をお伝えしました。
グーグルに好まれるコンテンツを基にサイト制作を行えば、確かに検索結果の上位表示に寄与し、アクセス数は飛躍的に高まります。
ただ、その一方で、獲得したアクセスがコンバージョンにつながるには、コンテンツの内容次第というのが実情です。
そこで、コンバージョンにつながるコンテンツ制作のコツを解説します。
リンクの活用
コンテンツマーケティングの効果を高めるには、リンクの活用が非常に重要です。
なぜなら、リンクをうまく活用することによってユーザビリティやUXが改善され、コンバージョンに寄与しやすいからです。
リンクについては、被リンクや発リンク、内部リンクをすべて活用しましょう。
上記のうち、発リンクと内部リンクはユーザビリティ向上に直接効力を発揮します。
たとえば、具体的な事例を解説する際は、官公庁や公的機関が発表するデータを添えるだけで随分と内容が理解しやすくなります。
また、検証結果の証拠となる発リンクを引用に使うことで、情報の信憑性が増し、ユーザーの再検索の手間を抑制できます。
また、コンテンツの内容に関連する内部リンクを掲載しておくと、ユーザーは必要な情報へ容易にアクセスできます。
たとえば、「女性向けの結婚式の服装マナー」を解説する記事の中に、「男性向けの結婚式服装マナーの記事はこちら」というように内部リンクを貼るイメージです。
もしカップルで結婚式に招待された場合、一度に女性と男性用の情報を調べられるため、ユーザビリティが向上します。
一方、被リンクはSEO対策において有利です。
さまざまな外部サイトから被リンクを掲載されたということは、「役に立つサイトである」ことが広く認知されている証拠なので、グーグルからの評価が高まり上位表示の可能性が増します。
本来、グーグルは各サイトのリンクをたどって(クロール)コンテンツの評価を行うため、リンクを最適な状態に保つことは理に適っています。
カスタマージャーニーに基づいたコンテンツの提供
カスタマージャーニーとは、ユーザーが商品の認知から購買・リピート購入にいたるまでの経路です。
コンテンツマーケティングを行う際は、カスタマージャーニーマップを作成し、各経路に存在するユーザーニーズの分析や検証が欠かせません。
たとえば、最近になって自社商品を知ったばかりの潜在顧客に対し、いくらメルマガを大量に送信したとて購買を促すことはできないでしょう。
メルマガは、一度商品を購入したユーザーをリピーター化させる役割が強いからです。そのため、潜在顧客の購買意欲を高めるという目的と施策の内容が合っていません。
上記のような食い違いが発生しないよう、カスタマージャーニーマップが必要です。
カスタマージャーニーマップを作成すると、「ユーザーがいまどの時点にいて、どのような悩みを抱えているか」が明確になります。
そこで、商品の比較検討中であればさまざまな商品の見比べができるコンテンツを、「今すぐ客」の段階であれば資料請求フォームを案内するコンテンツを用意する、といった訴求が可能です。
コンテンツマーケテティングをGoogleで行う際に
Google検索エンジンを活用してコンテンツマーケティングを行う際に最も大切なのは、自社の狙うキーワードやSEOの難易度、投資と回収のサイクルを予め計画することです。
コンテンツマーケティングはビジネスにおいてとても高い費用対効果を出すこともあれば、全く効果を出せないケースも多くあり、事前の戦略選定が大きく影響します。
コンテンツマーケティングに興味のある企業様はぜひお問い合わせください。