コンテンツマーケティングの手法一覧|自社ビジネスにあった手法の組み合わせを解説

コンテンツマーケティングの手法一覧|自社ビジネスにあった手法の組み合わせを解説コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングを動画で理解!【基礎からサービス紹介】

コンテンツは、創意工夫により自由なアイデアでさまざまな施策を考案できます。

その自由の利くコンテンツを扱うということもあり、コンテンツマーケティングにもさまざまな手法が存在します。

ただ、各手法には強みや弱みがあるため、それぞれの内容を理解していないと自社に最適な手法を選ぶことは困難です。

そこで今回は、コンテンツマーケティングの手法を一つずつ丁寧に解説します。

各手法で成功した事例もお伝えするため、具体的な活用方法までイメージできます。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値あるコンテンツを制作し、それを広く伝達することに注力したマーケティング手法の一つです。

コンテンツマーケティング全体像

特定の見込み顧客からのアクセスを獲得し、そのニーズを育成させ、最終的には購買活動やリピート注文などの行動に結び付ける一連の流れを指します。

AISASを知ればコンテンツマーケティングの理解も深まる

コンテンツマーケティングをより深く理解するには、消費者の購買行動プロセスである「AISAS」を知ることが大切です。

AISASとは、「Attention(注意)」から始まり、「Interest(関心)」、「Search(検索)」、「Action(購買)」、「Share(情報共有)」に終わる、消費者が商品を認知してから購買にいたるプロセスを指します。

AISAS
  1. Attention(注意)
  2. Interest(関心)
  3. Search(検索)
  4. Action(購買)
  5. Share(情報共有)

先ほど、コンテンツマーケティングとは「特定の見込み顧客からのアクセスを獲得し、そのニーズを育成させ、最終的には購買活動やリピート注文などの行動に結び付ける一連の流れ」とお伝えした通り、コンテンツマーケティングとAISASの流れは完全に一致します。

そのため、コンテンツマーケティングを活用するにはAISASへの理解が欠かせないのです。

たとえば、消費者が洗濯機や冷蔵庫などの商品を購入する場合、特定のメーカーやブランドを探す前に、まずは商品についての知識を高めようとします。

情報を検索する際に「洗濯機 選び方」や「冷蔵庫 タイプ 違い」などのキーワードを使うイメージです。この場合はまだ特定の商品やブランドについて知らないため、AISASにおけるAttentionもしくは少し関心のある段階にあたります。

Attentionの段階では、消費者の商品知識を満たすノウハウコンテンツが最適です。

洗濯機の選び方を解説するWeb記事や、冷蔵庫のタイプの違いを紹介する動画などがあり、知識欲を満たすことで次の段階であるInterestへ移行します。

Interestに移行すると消費者は特定の商品やブランドに興味を持ち始めるため、自社商品を含めたさまざまな商品の比較コンテンツが適します。

上記のように、消費者の購買プロセスに応じて適切なコンテンツを提供することがコンテンツマーケティングのポイントです。

消費者がAISASの各段階でどのようなニーズを持っているかを分析することにより、それぞれのニーズに最適なコンテンツを結び付け、自社の売上アップやコンバージョン向上につなげることができます。

コンテンツマーケティングが注目されるようになった背景

コンテンツマーケティングが注目されるようになったのは、従来のアウトバウンドマーケティング(マス広告など)による「企業売り込み型」の手法に限界が訪れつつあるからです。

Red Crow Marketing社によると、消費者が1日の間に目に触れる広告の数は4,000~1万にも及びます。

動画を視聴する際にはほぼ必ず広告が流れ、Webサイトでバナーやテキスト広告を見ない日はありません。
参考:https://www.redcrowmarketing.com/2015/09/10/many-ads-see-one-day/

その結果、消費者は徐々に「広告疲れ」を感じ始め、アウトバウンドマーケティングの効果も減衰しています。

さらにライバル企業はますます増えつつあるため、広告を入稿するコストは高まり、年々費用対効果は悪化しています。

一方、コンテンツマーケティングは受動的な手法です。

Web検索や動画検索などの消費者の行動に対してコンテンツを提供するため、アウトバウンドマーケティングのような「広告感」や「売り込み感」といったイメージはありません。

消費者の問い(検索)に対して的確な答え(コンテンツ)を提示することで、見込み顧客の獲得からニーズの育成、ロイヤリティの向上といった効果が見込めます。

コンテンツマーケティングにも様々な種類あり

コンテンツマーケティングには、主に次のような種類があります。

  • 検索エンジンでのコンテンツマーケティング
  • Facebook、Instagram、Twitter等のSNSコンテンツマーケティング
  • YouTube、TikTok等の動画SNSコンテンツマーケティング
  • メールマガジンや既存客への定期配信のDM

上記4種類はそれぞれ役割や利用するプラットフォームが異なります。

以下のプラットフォームごとに特徴や事例をご紹介します。

プラットフォーム一覧
  • 検索エンジン
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube
  • TikTok

それぞれの違いを理解して、目的や用途に適したコンテンツマーケティングを実施しましょう。

検索エンジンでのコンテンツマーケティング【手法1】

  1. 検索エンジン
  2. Twitter
  3. Instagram
  4. YouTube
  5. TikTok

検索エンジンでのコンテンツマーケティングとは、オウンドメディアやブログにSEO対策を施し、Googleなどの検索エンジンへコンテンツを上位表示させて見込み顧客を獲得する手法です。

たとえば、「1人暮らし 料理」と検索すると、上位には「1人暮らしにおすすめの料理レシピ10選」といった記事が表示されます。

こうした検索キーワードに適応した記事がコンテンツであり、より上位に表示されるほどサイトへのアクセス数も増加します。

検索エンジン型コンテンツマーケティングの役割は主に集客ですが、獲得したアクセスを起点にさまざまな施策を実施できる点が特徴です。

サイトへ訪問したユーザーに商品をPRして購買意欲を高めたり、資料請求を促して関心を得るといった方法があります。

検索エンジン型コンテンツマーケティングの事例(1)t-news

https://www.tnews.jp/

「t-news」は、大学生向けに家庭教師や試験監督などのアルバイト求人情報を提供するWebサービスです。サイト内には大学生のアルバイトに役立つさまざまなコラムも掲載しています。

大学生という特定のターゲットに限定することで、検索キーワードを絞り込み、サイトへ流入したユーザーを求人情報ページへと的確に誘導しています。

「大学生におすすめの人気バイトランキング」や「髪色自由のおすすめバイト」といったコラムが人気を集める一方、「吉野家 バイト」など限定されたキーワードでのコンテンツも用意されています。

検索エンジン型コンテンツマーケティングの事例(2)キナリノ

https://kinarino.jp/

「キナリノ」は、女性向けファッションや生活雑貨、インテリアなどのトレンド情報メディアです。

上記カテゴリーに該当する商品を販売する、「キナリノモール」というECサイトも運営しています。

同サイトの特徴は、コンテンツが豊富に用意されていることです。

Google上にインデックスされているページ数は約3万6,000を超え、圧倒的な情報量を誇ります。

コンテンツには「京都のお取り寄せグルメ集」や「韓国伝統インテリア」などを用意し、記事の後半でキナリノモールへのCTA(行動喚起)を行い、商品の購買へとつなげています。

Facebook、Instagram、Twitter等のSNS【手法2】

SNS型コンテンツマーケティングとは、InstagramやFacebookなどに自社商品にまつわる商品を掲載し、そのコンテンツを基にブランディングやユーザーとのコミュニケーションを促進する施策です。

各SNSでは自社の公式チャンネルを作成でき、チャンネル登録者がファンの数を実体的に表します。

「現在、自社や自社商品をどのくらいの人が気に入ってくれているのか」という目安が一目で分かるため、ファンの数に合わせてプロモーションやマーケティングの施策を計画しやすい点がメリットです。

また、SNSプラットフォーム内では「#(ハッシュタグ)」を使って話題性の高いコメントや画像を簡単に検索できます。

話題性や注目度が高いコンテンツほど情報が拡散されやすく、広告費をかけずに多数のユーザーをWebサイトやECサイトに呼び込めます。

SNSコンテンツマーケティングの事例(1)シャープ

  1. 検索エンジン
  2. Twitter
  3. Instagram
  4. YouTube
  5. TikTok

twitterを有効に活用している事例が、家電メーカーの「シャープ」です。

2021年3月9日時点のフォロワー数は82.4万人を記録する通り、優れたSNSコンテンツマーケティングで成功した事例といえるでしょう。

コンテンツの内容は新商品をアピールするプロモーションがほとんどですが、ときおり冗談を交えつつ、フランクにコメントを投稿している点が特徴です。

「コードレス掃除機がその場で当たらない?毎日抽選で計0名様!」など、愛着が湧くようなコメントが多く、ユーザーからも「シャープさん」と呼ばれ親しまれています。

SNSコンテンツマーケティングの事例(2)Visit Japan

  1. 検索エンジン
  2. Twitter
  3. Instagram
  4. YouTube
  5. TikTok

Instagramを有効に活用するのが、独立行政法人の日本政府観光局が運営する「Visit Japan」です。

外国人旅行者の訪日を促進するため、国土交通省が中心になって行われたキャンペーンです。

複数の画像を使って一つのカタログを作成できるInstagramの特徴を捉え、国内観光地の魅力が伝わる美しい画像が掲載されています。

投稿文もすべて英語で記載され、ターゲットに向けて最適なコンテンツが提供されています。

YouTube、TikTok等の動画SNSコンテンツマーケティング【手法3】

動画型コンテンツマーケティングとは、YouTubeやTikTokなどの動画共有サービスでコンテンツの配信を行い、画像よりも直感的な商品PRや販売促進を行う手法です。

Web記事と同様、動画も消費者のニーズに合わせてさまざまなコンテンツを制作できるため、柔軟性に優れます。

特にYouTubeは国内利用者数が6,500万人を超え、動画コンテンツを世の中に広く伝えることができます。一方のTikTokは最長60秒という短い動画が特徴で、主に10~20代の若者の情報共有・拡散に向きます。

動画SNSコンテンツマーケティングの事例(1)ぷりんと楽譜

  1. 検索エンジン
  2. Twitter
  3. Instagram
  4. YouTube
  5. TikTok

「ぷりんと楽譜」は、POPSやクラシック、洋楽などさまざまなジャンルの楽譜を販売するサービスです。楽譜は公式サイトで購入できますが、YouTubeにも「ぷりんと楽譜チャンネル」を開設し、自社商品と結び付くコンテンツを提供しています。

ポニーテールとシュシュ / AKB48 / ピアノ(ソロ) / 中級

本来であれば楽譜は差別化が難しい商品として扱われてきました。

しかし、「ぷりんと楽譜チャンネル」で演奏コンテンツに楽譜を活用することで、楽譜を購入した後の体験イメージを消費者にうまく想起させています。

チャンネルから販売ページへ簡単にアクセスできるため、優れた動画プロモーションといえるでしょう。

動画SNSコンテンツマーケティングの事例(2)江崎グリコ

  1. 検索エンジン
  2. Twitter
  3. Instagram
  4. YouTube
  5. TikTok

TikTokに投稿できる動画の長さは最長でも60秒。

YouTubeとは異なり、視聴者に伝えたいことをピンポイントにおさめなければなりません。

そのような中、「江崎グリコ」の「ポッキー何本分体操」という動画は訴求ポイントが分かりやすく、10~20代のユーザーから多くの支持を得ました。

動画の趣旨は、11月11日のポッキー&プリッツの日に合わせ、「#ポッキー何本分体操」を付けたオリジナルダンス動画を投稿すると、選ばれた動画がグリコビジョン渋谷や公式Twitterアカウントで流れるというものです。

2018年11月6日にキャンペーンが開始され、わずか5日間で2万3,600本もの動画が投稿され、同ハッシュタグが付いた動画の総視聴回数は2,730万回を記録しました。

TikTokを活用した優れたプロモーションといえます。

@pocky_japan##ポッキー花火大会 をつけて投稿してチャレンジに参加してみてね!♬ ポッキー花火大会 – こたつ

メールマガジンや既存客への定期配信のDM【手法4】

DM(ダイレクトメール)を活用したコンテンツマーケティングは、既存客へのリピート購入促進やロイヤリティ向上に役立ちます。

一度でも商品を購入したユーザーを顧客リストに登録しておくことで、より効率的なプロモーション活動が可能です。

たとえば、自社ECサイトでビジネスシューズを購入したユーザーが、「靴を履いてみたが、靴ずれしてかかとが痛い」と悩んでいる姿を想定したとします。

すると、「靴ずれに悩んでいませんか」という案内メールを送り、靴ずれ防止用の商品などの購買につなげることができます。

もしかしたら別の靴の購買につながるかもしれないため、ECサイトへ再訪問する起点を作るコンテンツ制作が重要なポイントです。

もちろん、メールマーケティングでよくありがちな、「いまだけ25%オフ」という売り出し方法や「いま買わなければ損」というアプローチもできます。

しかし、コンテンツマーケティングと組み合わせる場合はWeb記事や動画と同様、ユーザーの悩みや不安を取り除くようなコンテンツを考案し、それを提供することが重要です。

各手法を組み合わせて自社にあったコンテンツマーケティングの運用

ここまで、コンテンツマーケティングの手法を4種類ご紹介しました。

  • 検索エンジン型コンテンツマーケティング
  • SNS型コンテンツマーケティング
  • 動画型コンテンツマーケティング
  • メール型コンテンツマーケティング

それぞれの手法は単独で使用するよりも組み合わせるほうがより効果も高まります。

たとえば、検索エンジン型コンテンツマーケティングでは、ブログやオウンドメディアを活用するケースが少なくありません。

そこへ、TikTokで話題性の高い動画を投稿し、数多くの視聴者をWebサイトに呼び込むこともできれば、商品ページにYouTube動画を掲載し、文章だけでは伝わりづらい使い方や予備知識を発信することも可能です。

さまざまな手法を組み合わせることで、購買促進に強いSNSやリピーター獲得に効果を発揮するメールなど、各手法のメリットを最大限に生かせます。

まずは、どのような目的でコンテンツマーケティングを実施するのか、どのような用途を検討しているかといった計画を立て、目的や用途に合った手法を選びましょう。

コンテンツマーケティングに興味のある企業はぜひお問い合わせください。

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