ホテル・観光プロモーションPR動画の作り方と事例・企画ポイントを解説

ホテル・観光プロモーションPR動画の作り方と事例・企画ポイントを解説動画

近年、ホテルや旅館、民泊などのプロモーションPR動画の需要が大いに高まっています。その背景として、外国人観光客増加による宿泊施設需要の高まりが考えられるでしょう。2018年には延べ宿泊者数に占める外国人の数が前年比18.3%増となり、今後も大きな伸びが期待できます。
参考:官公庁(https://www.mlit.go.jp/common/001296050.pdf)

数多くのホテルや旅館が集客にプロモーション動画を活用する以上、自社で制作する動画には他社にはない独自性を持たせなければなりません。よってプロモーション動画の作り方や事例、企画方法などを理解しておくことは重要です。

今回の記事を参考に、成果の出るプロモーション動画を制作していきましょう。

ホテル、観光のプロモーション動画とは

ホテル、観光のプロモーション動画とは、宿泊施設の魅力やメリットを映像で訴求する手法です。本来こうした訴求はWebサイトやパンフレットなどの文字や画像を活用して行われてきましたが、動画ではホテル内の雰囲気やカスタマーサービスなどの情報を立体的に表現できます。

また、ホテル以外にも旅館や民泊といったさまざまな宿泊施設に活用可能で、ホテルや観光等の体験、エンタメ関連のサービスは動画と相性が良く、効果的なPRツールです。

では、ホテルのプロモーション動画を使うとどのような効果が現れるのか、以下で詳しく解説していきましょう。

抽象的なイメージまで伝えられる

ホテルの情報を掲載するWebサイトやパンフレットは、宿泊料金や施設の種類、食事メニューといった定量的な情報を知るのに役立ちます。しかし、文字や画像だけではホテル内の雰囲気や印象、スタッフの人柄といった定性的な情報を読み取ることはできません。

前者が「サービスの量」であるとすれば、後者は「サービスの質」にあたる部分なので、ホテル運営者としてはできるだけ量と質の両面からサービスの強みを訴求したいところです。

そこでサービスの質を伝えるのに役立つのが、プロモーションPR動画です。先ほどお伝えしたホテル内の雰囲気やスタッフの人柄などの情報は抽象的で、文字や画像だけで訴求するのは簡単ではありません。その点、動画であれば映像を駆使して抽象的なイメージまで伝えることができます。

販売促進以外にブランディング効果も

もともとプロモーションPR動画は、直接的な売上につなげる施策です。しかし、動画の内容や演出に変化を加えることで、ホテルのブランディングにも効果を発揮します。

たとえば施設やサービス紹介用の動画を作る場合は、メニューや食事、アメニティなどの独自性を訴求することが一般的です。他社にはない自社独自のサービスなどがあると、宿泊客や付随施設内での売上の増加につながるでしょう。

その反面、ブランディング動画として活用するには、ホテルの持つ世界観や独自のコンセプトなどを発信していきます。その世界観やコンセプトによってユーザーの共感を呼び、ホテルに対する印象や認知度を向上させるのが狙いです。

インバウンド需要も取り込める

観光業において生き残りをはかるためには、国内人口の減少に備えてインバウンド需要を取り込んでいく必要があります。言葉や文化の壁がある以上、外国人旅行者への対応は高度な技術と知識が求められますが、動画だと容易にホテルの魅力を伝えられます。

たとえば京王プラザホテルでは、日本人宿泊客向けのプロモーション動画を全編英語に翻訳して発信しています。以下は同ホテルの日本語版と英語版のプロモーション動画です。

【日本語版】

【公式】京王プラザホテル オフィシャル動画

【英語版】

【Official】Keio Plaza Hotel Tokyo Movie

内容はまったく一緒の動画ですが、映像内に現れるテキストが翻訳されています。視聴者が扱う言語の種類にかかわらず、京王プラザホテルの魅力がしっかりと伝わってくるのが特徴です。

もちろん上記のように動画の内容をまったく同じように設定する必要はありません。訴求するターゲットに合わせ、自由なアイデアで動画を制作していきましょう。

ホテル・観光プロモーションPR動画の事例

次に、有名ホテルや地方ホテル、旅館などの優れたプロモーション動画事例をご紹介します。さまざまな事例をもとに企画や構成のコツをつかんでいきましょう。

事例(1)星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル|コンセプトムービー

日本屈指の景勝地である奥入瀬渓流に建つ星野リゾートのホテルを紹介した動画です。

奥入瀬渓流の魅力と言えば、豊かで四季折々の自然に囲まれた環境にあります。この動画ではホテルのサービスや雰囲気を伝えるだけではなく、奥入瀬渓流独自の美しい風景にも着目しています。

コンセプトムービーなのでナレーションはありませんが、動画を見るだけで同ホテルの魅力や世界観が伝わってきます。

事例(2)グランビスタ ホテルインターゲート

【公式】ホテルインターゲート大阪 梅田 プロモーションムービー/価値体験型ホテル

グランビスタホテル&リゾートが運営するホテルインターゲート大阪のプロモーション動画です。

この動画の特徴は、上方落語家である桂福龍氏がガイドを務めていることにあります。日本語が流暢な桂氏ですが、もともとはカナダ生まれの外国人。その桂氏を起用してホテルを紹介することで、「外国人でも満足できる国内ホテル」というイメージが湧いてきます。

事例(3)ホテルコレクティブ

【ホテル コレクティブ プロモーションムービーのご案内】【Japanese】

沖縄県那覇市にある洗練されたホテル空間を提供するホテルコレクティブ。この動画は、そんなホテルコレクティブの魅力や強みを紹介したプロモーション動画です。

一般的なプロモーション動画のように施設案内の映像を流すのではなく、まるでテレビCMのような洗練された構成になっています。都会の喧騒を忘れ、五感を開放して新たな体験ができることをコンセプトとしており、「たまには田舎でゆっくり過ごしたい」という人の心に訴えかけています。

事例(4)えんホールディングス ホテルトラッド博多

HOTEL TRAD HAKATA[ホテル トラッド 博多]開業プロモーションムービー「Be Trad」ロングバージョン

ターゲットを明確に絞り込んで訴求を行っているのが、えんホールディングスが運営するホテルトラッド博多です。同ホテルは英国伝統の重厚感と北欧のモダンスタイルが融合したコンセプトを持ち、主にビジネスマンをターゲットにしています。

「背伸びはしない、でも背筋は伸ばす」など、映像で紹介されているキャッチコピーが非常に秀逸で、視聴した後の印象に残ります。1分以下の短い動画ではあるものの、ホテル内の上質な雰囲気がしっかりと伝わってきます。

ホテル・観光プロモーションPR動画の作り方と企画

ここまでお伝えしてきた動画は、いずれも質の高いものばかりです。こうした動画を内製化するのは技術的に非常に難しく、時間や手間を要するのでおすすめはできません。

そこで、専門知識が豊富な動画制作会社を活用しましょう。制作会社に依頼すると作品のクオリティが高まるだけではなく、制作業務のほとんどを一任できるので本業に集中することができます。

動画制作を専門会社に依頼した場合、以下のような流れに沿って進めていきます。

ホテル・観光プロモーションPR動画の作り方

ホテル・観光プロモーションPR動画の作り方は以下の通りです。

  1. 企画書・提案書作成
  2. 制作会社からのヒアリング
  3. 動画撮影・編集
  4. 運用・効果検証

プロモーション動画は運用効果が現れて初めて役割を果たしたと言えるため、「運用・効果検証」の段階も踏まえて制作を進める必要があります。決して制作に満足して終わり、ということにならないよう注意してください。

効果を図るためには動画制作の企画の段階で何の目的でどのようなプラットフォームでどのような活用をするのかも考えておきましょう。

企画書・提案書作成

動画制作に必要な企画書は、制作会社によって作成してもらうこともできます。しかし、そのためには制作する動画のイメージを正確かつ入念に伝えなければなりません。企画書や提案書がなく、言葉だけでこうしたイメージを伝えるのは困難です。

そこで制作会社に依頼する前に、できればあらかじめ企画書や提案書の内容になる要素を考えておきましょう。

企画書とは、動画制作の目的や目標、動画の内容、ターゲット、予算などをまとめた書類です。企画書があると動画の抽象的なイメージを制作会社に伝えやすく、想像した通りの作品に完成しやすいメリットがあります。また、プロジェクトメンバー同士でコンセプトや企画内容を共有するのにも役立ちます。

よって事前に社内で企画会議を開き、担当者同士の意見やアイデアをまとめておくとよいでしょう。

各種動画の内容やカスタムで動画の制作費は大きく変わってきます。
企画の前に以下のシミュレーターで希望する動画の料金を計算しましょう。
動画制作お見積もりシミュレーション

制作会社からのヒアリング

動画の企画を整理できれば、今度は実際に制作会社へ依頼を行います。

まず行われるのが制作会社からのヒアリングです。動画のイメージを形にするためにクライアントの要望をまとめ、制作会社独自の企画書や香盤表(スケジュールや制作の流れをまとめたもの)、見積書に反映させていきます。

その後、制作会社から絵コンテや見積書が提示されるため、担当者と話し合いながら細部を詰めていく流れです。この時点で決定した企画内容や構成、制作スケジュールなどが動画の品質や納期に多大な影響を与えるため、忌憚のない意見を出しておくことが重要となります。

動画撮影・編集

動画制作の流れを決めた後は、いよいよプロジェクトが開始されます。動画制作のなかでも花形業務となる、動画撮影と編集の段階です。

動画撮影と編集の工程は、制作する動画の内容によって作業方法が大きく異なります。

たとえば実写動画を撮影するにはキャスティングや撮影、編集工程が必須ですが、アニメーション映像ならキャスティングと撮影工程を省くことが可能です。また、実写動画でも出演者やナレーターを自社で用意する場合は、キャスティング工程をスキップできます。

制作工程を省略するほど制作費も抑えられるため、予算とのバランスを考えて動画の内容を考えることも大切です。

運用・効果検証

撮影や編集工程を経た後、映像データを受け取って完成を迎えます。そして、ここから行う動画の運用と効果検証は、ホテルの運営会社が進めていく必要があります。

特に初めて動画を制作する場合、始めから期待した成果を出す動画を作るのは難しいものです。よって事前に運用期間を決めておき、その間に現れたデータから検証と改善を繰り返すことが重要になります。

適切な運用と効果検証を行うためには、あらかじめKPIを定めておきましょう。KPIとは検証可能な数値目標のことで、目標と実数値との差を視覚化することで改善点が把握しやすくなります。

また、マーケティングに精通した動画制作会社であれば、運用や効果検証についてもアドバイスを提供してくれる場合があります。単に価格の安い制作会社を選ぶのも悪くありませんが、運用ノウハウが不足する場合にはマーケティング分野に詳しい制作会社がおすすめです。

特に動画は動画広告として利用するケースも多く、配信する動画プラットフォームに最適化させた動画を最適な配信方法で運用する必要があります。

プロモーションPR動画の企画のポイント

ホテル・観光のプロモーション動画の制作では、最初に考案する企画がもっとも重要な要素と言っても過言ではありません。動画の企画次第で、その後の作品の品質や成果が大きく変わるからです。

そこでプロモーション動画の企画を行ううえでのポイントを解説していきます。

ホテルの独自性を加味する

日本には2020年1月時点で5万1,987もの宿泊施設があり、そのなかでユーザーの心をつかむにはホテルの独自性を打ち出さなければなりません。
参考:HotelBank(https://hotelbank.jp/japan-hotel-statistics-2020january/)

独自性と言えば奇想天外なアイデアや革新的なサービスを思い浮かべがちです。しかし、他社にはないまったく新しい発想をすれば、必ずしもユーザーに受け入れられるとは限りません。以下3つの要素が組み合わさって初めて、ホテルの独自性が生まれると言えます。

  • 新規性:いままで見たこともないような新たなアイデアやサービス
  • ユーザーメリット:メリットのないものにユーザーは支持をしない
  • 自社メリット:自社メリットがなければ企業存続はありえない

プロモーション動画は販売促進やブランディングに役立つツールではあるものの、その効果はあくまでホテルの独自性があってこそ生まれます。動画を制作する前に改めて業界における自社の強みや弱みを見直し、訴求ポイントを絞り込んでいきましょう。

5W1Hに則る

そして訴求ポイントを絞り込むうえで重要になるのが、5W1Hのフレームワークです。

たとえば動画を作る際は、特に「Who(誰に)」と「What(何を)」の2つが重要となってきます。両者はつまり、「ターゲットが(Who)何の(What)課題や悩みを抱えているのか」を表し、自社はそれらを解決するためにサービスの訴求を行わなければなりません。この2点がおろそかになってしまうと、独自性を生み出す「ユーザーメリット」が欠如した動画になってしまうからです。

また、「Where」は配信媒体、「When」は配信のタイミング、「How」は動画の内容や構成を表しており、すべての要素を考慮したうえで企画を考えることが大切です。

メッセージはシンプルに

ホテルのプロモーション動画を制作する際は、1つの動画にメッセージを詰め込みすぎないようにしましょう。メッセージが多すぎると本当に伝えたいポイントが分かりづらく、結局誰にも刺さらない動画になってしまうからです。

企業がマーケティング用に利用する動画の尺は長くても5分、短ければ15秒程度となっています。たとえばその短い動画のなかで「宿泊料金の安さ」を訴えかけたい場合、「宿泊プランの豊富さ」や「充実した施設」に重点を置いてしまうと「安さ」のメリットが薄く感じてしまうでしょう。

幸いにも動画はコンセプトごとに複数に分けることができるため、伝えるべきメッセージがたくさんあるときは動画を分散させることも検討が必要です。

弊社では動画の企画から制作、運用までワンストップでサービス提供しています。

動画制作をご検討の方はぜひお問い合わせください。

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