インナーブランディング動画とは|事例やメリット活用方法を紹介

インナーブランディング動画とは|事例やメリット活用方法を紹介動画

すでに社外向けのブランディング動画を制作した経験がある場合、その動画をインナーブランディングに活用してみることをおすすめします。社外だけではなく社内の従業員にもブランドイメージを定着させることで、社員のモチベーションや生産性の向上につながります。

ブランディング動画を社内外に活用することでステークホルダー全体に恩恵をもたらすことから、最近ではインナーブランディング動画に着目する企業が増えてきました。

そこで今回は、インナーブランディング動画の活用方法やメリット、実際に活用する企業の事例などをご紹介します。特に、組織内でのコミュニケーション不足やチーム意識の希薄化などが見られる場合に効果的です。

インナーブランディング動画とは

インナーブランディング動画とは、社内の従業員に向けて動画を活用してブランディング活動を行うことです。そもそもインナーブランディングにはどのような定義があるのか、あるいはどのような効果があるのか、以下で詳しく解説していきます。

インナーブランディングとは

インナーブランディングとは、社外に対してではなく、社内の従業員に向けてブランディング活動を行うことです。消費者や得意先に向けて行う一般的なブランディングをエクスターナルブランディングと呼ぶことから、社内向けのものをインターナルブランディングとも言います。

インナーブランディングの目標は、組織に企業理念や企業文化を浸透させることで、従業員のエンゲージメントを向上させることです。会社へのエンゲージメントが向上した従業員が多数生まれることで、企業そのもののブランド価値を高めたり、組織のパフォーマンスを向上させることがゴールとなります。

具体的な施策で言うと、社内報や社内イベント、インナーブランディング専用のWebサイトの運用といった方法が挙げられるでしょう。基本的に企業と従業員の関係性を構築する活動がインナーブランディングへと結びつきます。

インナーブランディングの効果

インナーブランディングを実施することで以下のような効果を得られます。

・従業員のやる気アップ

従業員が業務に対して意欲的となり、モチベーションが向上する

・業務効率化の実現

自分から進んで行動を行い、自ら考えて動く従業員が増えることで生産性が高まる

・従業員と顧客それぞれの満足度が向上

従業員の企業理解が進むとサービスの質向上にも寄与し、顧客にも恩恵を与える

・離職率が低下

企業へのエンゲージメントが向上し、会社に定着して働こうとする従業員が増える

インナーブランディングの対象となるのは社内の従業員ですが、組織全体に企業理念や企業文化を浸透させることでサービスの質向上が期待でき、最終的には顧客にもメリットをもたらします。さらにエクスターナルブランディングも同時に実行すれば、社内・社外共にブランドに一貫性を持たせることができるでしょう。

動画を活用したインナーブランディング手法

インナーブランディング動画は、ここまでお伝えしたインナーブランディングの施策について動画を使って実行する方法です。

企業文化や企業理念を社員に伝えると言っても、言葉だけで説明するのは簡単ではありません。文化や理念といった形のないものは、抽象的で相手に伝えるのが難しいからです。

しかし、頭に思い描いたイメージまでをも形にできる動画を使えば、企業文化や企業理念といった抽象的な概念も具体的に伝えることができます。

インナーブランディング動画のメリット

インナーブランディング動画を活用するメリットは以下の通りです。

  • 一度に大量の人にメッセージを発信でき、何度も見返すことができる
  • 言葉だけでは伝わりづらい思いや熱量まで伝えられる
  • 短い時間で済むので従業員の仕事の邪魔にならない
  • エクスターナルブランディングにも活用できる

一度に大量の人にメッセージを発信でき、何度も見返すことができる

動画であればWebに公開したURLを従業員に配布するだけで、一度に大人数で視聴することができます。自分のパソコンで視聴できるため、わざわざ会議室に大量の従業員を集める必要もありません。

冊子の場合は人数分の印刷を行う手間や費用がかかったり、資料を紛失してしまう恐れもあります。その点、動画はデータとして半永久的に保存でき、社内メールで一斉送信することもできます。

仮に動画再生中に聞き取りづらい箇所や分かりづらいところがあっても、シークバーを戻せば何度でも同じ映像を流せるため、企業文化や企業理念を浸透させるインナーブランディングには最適なツールと言えるでしょう。

言葉だけでは伝わりづらい思いや熱量まで伝えられる

動画では、チラシやパンフレットでは伝わらない思いや熱量まで伝えられます。インナーブランディングでは社長自ら従業員にメッセージを伝えることも珍しくありませんが、動画であれば企業文化や企業理念に込める熱意を相手の心に訴えかけられます。

また、伝えたいイメージに合わせてBGMを挿入するのも効果的です。特に従業員の多い大企業では、どうしても社長と従業員の距離が遠くなりがちなので、インナーブランディング動画で社長の人柄を印象付けるのも方法の一つです。

短い時間で済むので従業員の仕事の邪魔にならない

冊子に掲載する文章で情報を伝えるよりも、動画で情報を発信したほうが短い時間で済みます。事実、インナーブランディング動画を公開する企業では、わずか数分程度の動画を制作するケースも珍しくありません。

アメリカ国立訓練研究所が発表した「ラーニングピラミッド」では、学習方法の違いにおける学習定着率をピラミッド形式で図式化しています。その研究結果によると、「文章を読んで学ぶ」場合の学習定着率はわずか10%ですが、「動画を見て学ぶ」ことを実践した結果、学習定着率は20%にまで向上することが分かりました。

単純に言えば、動画は文章よりも2倍人の記憶に定着するということです。つまり、同じ情報を発信する場合は、動画は文章よりも2分の1の情報量で済むことを表しています。たとえ短い尺の動画であっても十分に理解促進がはかれるため、従業員にとっては情報を取得する時間を短縮できるのです。

エクスターナルブランディングにも活用できる

インナーブランディング動画の内容は、自社の企業文化や企業理念を紹介するものがほとんどです。そのため、社外に向けて企業文化や企業理念を紹介するエクスターナルブランディング動画と内容が変わらないケースも少なくありません。

内容が変わらないのであれば、1つの動画を制作しておけばインナーブランディングにもエクスターナルブランディングにも活用できるということです。1本あたりの動画の活用範囲が広がることで費用帯効果が高まり、コストメリットが生まれます。

インナーブランディングの活用

インナーブランディング動画はただ制作すれば目的が達成されるわけではありません。制作後には、その動画を従業員に共有する場が必要です。

では、どのように社内でインナーブランディングを遂行していけばよいのか、ここではその活用方法をご紹介します。

日報

日々何気なく行っている日報は、非常に重要なインナーブランディングの一つです。日報メール一つとっても部下の考えや行動を知る手段となるため、情報を発信する側と受信する側がコミュニケーションをとる重要な場所となり得ます。上司からのコメントを通じて企業理念を伝えたり、日報メールでインナーブランディング動画を発信することもできます。

社内報

企業文化や企業理念、ブランドメッセージを組織間で共有するには、社内報が効果的です。最近では社内ポータルサイトに情報を一元化し、従業員へ社内報を一斉送信できるため、短時間で広範囲に情報を伝えられます。

マネジメント・カンファレンス

マネジメント・カンファレンスとは、経営トップと現場の従業員が共に顔を合わせ、経営にかかわる意思決定を協議する社内会合です。情報を発信する側と受信する側が一堂に会するため、インナーブランディングを行う場として最適と言えるでしょう。また、トップダウンだけではなくボトムアップ形式で意見を吸い上げることで、新たなアイデアを創出できる可能性もあります。

座学研修・ワークショップ

研修やワークショップは本来の目的が「技能やスキルを習得すること」にあるため、単なる従業員同士の話し合いに終始せず、「企業文化や企業理念を理解する」という目的をしっかりと果たすことができます。座学研修では経営トップからの講義や動画の視聴を、ワークショップではインナーブランディングを生かしたより実践的な学習をする場合に有効です。

社内イベント

インナーブランディングは従業員とのリレーションシップが構築されて初めて効力を発揮するものです。そのうえで社内イベントは上司や同僚、部下同士が忌憚なくコミュニケーションをはかれ、関係性を深めることができます。創立記念式や社員旅行、スポーツ大会など、従業員同士でアイデアをつのってイベントを企画してみましょう。

社内SNS

社内SNSを活用すれば、部署や拠点の垣根を越えた従業員同士の関係性を構築できます。特に大企業の場合、一人ひとりの従業員がそれぞれの存在を理解しているわけではなく、部門間やプロジェクトチーム間でコミュニケーションがとれるSNSは有効に機能します。SNS内では動画を投稿することもできるため、インナーブランディング動画を発信する場としても効果的です。

動画制作の際に大きなポイントとなるのは制作費です。
各種動画の内容やカスタムで動画の制作費は大きく変わってきます。
以下のシミュレーターで希望する動画の料金を計算しましょう。
動画制作お見積もりシミュレーション

インナーブランディング動画の事例

最後に、インナーブランディング動画を活用する企業の事例をご紹介します。

事例(1)パパまるハウス

パパまるハウス インナーブランディングムービー「社長が語る」篇

新築の低価格住宅や一戸建て住宅を提供するパパまるハウスは、社長自らが企業文化や企業理念を発信するインナーブランディング動画を公開しています。

「在庫ゼロでの獲得」や「妥協のない高品質な仕上がり」など、メッセージがポイントごとに分かれており、短時間で要点が理解できる点が特徴です。動画内に社長が登場するだけではなく、ナレーションも社長自身が務めており、社長の人柄も映像から伝わってきます。

動画はわずか2分24秒の短さで仕上がっており、映像制作に対するこだわりも垣間見えます。インナーブランディング動画というタイトルですが、エクスターナルブランディングにも十分に活用できるでしょう。

事例(2)NTTPCコミュニケーションズ

インナーブランディング動画「変わるNTTPC、つながる!わたしたち」

NTTPCコミュニケーションズは、NTTコミュニケーションズの子会社です。主にIoTやクラウド基盤、ネットワークなどのワンストップサービスを提供しています。

この動画は尺が16分を超え、非常に力を入れて製作されています。

営業本部やサービスクリエーション本部などから責任者が登場し、それぞれの部署で行っている仕事内容や働き方、仕事に対する姿勢などを紹介。NTTPCコミュニケーションズは従業員数が600名近くにのぼり各部署の仕事内容を把握するのは困難ですが、インナーブランディング動画があることで、「自分と違う部署でいま何が行われているのか」ということが理解しやすくなります。

すると従業員同士でコミュニケーションをとるきっかけにもなり、最終的にインナーブランディングへとつながる仕組みです。インナーブランディング以外にも採用動画としても活用可能で、非常にコストメリットに優れた動画と言えるでしょう。

事例(3)カルチュア・コンビニエンス・クラブ

CCCグループ コンセプトムービー

Tカードを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ。上記は、そんなカルチュア・コンビニエンス・クラブのインナーブランディング用コンセプト動画です。

いままで紹介した事例はすべて実写映像でしたが、この動画は全編アニメーションで制作されています。この動画のようにイラストやテキスト、図形などのグラフィック要素に動きを加えたものを「モーショングラフィックス」と呼びます。

通常は動きのないグラフィック要素に動作を加えることで、動画の内容を理解しやすくなるのがメリットです。

たとえば「自分らしさの足跡を残してもらい」というテキストに合わせ、足跡のようなイラストが軽快に動きます。すると視聴者の脳内にも「足跡」というメッセージが記憶され、情報が印象に残りやすくなる仕組みです。企業文化や企業理念といった抽象的なメッセージを伝える場合に有効な手法と言えます。

事例(4)PSソリューションズ

PSソリューションズ_ブランディング動画

インナーブランディング動画は研修や社内会議などの場で用いられやすいことから、非常に実用的な内容となりがちです。しかし、PSソリューションズのようにテレビCMのようなオシャレな動画を制作することもできます。

PSソリューションズは、ソフトバンクグループ傘下のシステムソリューション事業を担う企業です。同社が公開するインナーブランディング動画は尺がわずか30秒で、「情報革命で人々を幸せに」というメッセージを端的に伝えています。

こうしたシンプルな動画があると社内だけではなく社外に情報発信する際にも有効なので、活用の幅が広がります。また、短時間で情報を取得できるため、従業員も肩ひじを張らずに動画を視聴できるのがメリットです。

 

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