近年BtoB(企業間)ビジネスにおいて、動画によるマーケティングは欠かせないものになりつつあります。
動画マーケティングと聞くとBtoC、つまり企業が消費者に向けてPRするイメージがありますが、BtoB(企業間)ビジネスにおいても、動画マーケティングは非常に有効な手法の一つです。
動画はスマートフォンや高速インターネット回線の普及により、私たちの生活に、とても身近な存在になっています。
そのため、企業のマーケティング効果を高めるツールとしても、動画を活用した施策は大変効果的で、今後は必須のマーケティングツールになります。
そこで今回は、動画マーケティングをBtoB企業が行う際のポイントや、動画制作の注意点とポイント、動画事例について解説していきます。
動画マーケティングは必須の時代に
動画の普及が進む今、YouTubeやSNSの中で動画を見かける機会も多くなってきました。
静止画やテキストに代わり、動画マーケティングは必須の時代になりつつあります。
なぜなら、短い時間で多くの情報を伝えることが出来る動画は、広告だけでなく、
プロモーションやブランディングに活用すれば、効率よくアピールできる方法だからです。
実際に2020年の動画広告市場は2,954億円、昨年比114%の見通しになっています。
そして2024年には約2.3倍の6,856億円の市場規模に成長すると予想され、動画マーケティングの重要性はより高くなると考えられています。
それでは、動画マーケティングにはどのような理由やメリットがあるのかを、次項で詳しく解説していきます。
動画マーケティングが必須になる理由・メリット
現在、動画マーケティングは多くの企業で取り入れられています。
YouTubeやTwitterなどのプラットフォームだけではなく、一般的なwebサイトでも様々な企業の動画広告を目にする機会が増えました。
なぜ動画マーケティングが必須になのか、理由やメリットを5つの項目で紹介したいと思います。
【短時間で多くの情報を、わかりやすく伝えることができる】
動画ではテキストや静止画よりも、実際の商品やサービスをリアルにイメージできるというメリットがあります。
複雑な内容でも、短時間でわかりやすく情報を伝達できる動画は、ユーザーとのスムーズなコミュニケーションに適しています。
動画マーケティングは、情報の伝達力が高いコンテンツと言えます。
1分の動画の情報量はWebページ3600ページ分とも言われており、特にBtoBビジネスで重要になるロジカルなメリットや特徴を効率よく見込み客に伝達することができます。
BtoBの特徴として端的に文章で自社商材を売り込むことが難しく、Web上でターゲットに長い文章を読んでもらうこと自体が難しいため、その点でも動画に優位性があります。
【ユーザーの印象に残りやすい】
視覚と聴覚を刺激する動画は、人をひきつけて記憶に残りやすくなります。
さらに他のコンテンツに比べて人の目に留まりやすい特徴を持つ動画は、情報を刷り込みやすいというメリットがあります。
テキストや静止画では見向きをしなくても、動画ならつい見てしまう、という人もいらっしゃると思います。
それだけ目に留まりやすいコンテンツである動画は、ユーザーの印象に残りやすいというメリットがあります。
動画により引きつけた見込み客に多くの情報を伝えた上で、さらに記憶にも定着しやすいというメリットもあります。
【BtoB営業で個人のスキルやトークに頼ることなく情報伝達ができる】
願客との相談時に動画を活用すれば、口頭説明を行うよりも提案と説明の効率化が出来ます。
売っているサービスは同じでも、個人の営業力によって売れ行きの差が出るのは、
どの会社でも悩みの種のはずです。
動画による情報伝達なら、営業力の差が縮まり、一定のプレゼン力を期待できます。
【技術の進化で動画は時代背景にあっている】
個人でも気軽に動画を作れる今、動画制作の技術は進化するとともに、以前よりもハードルは下がっています。
コストを抑えながらも短時間で動画を作ることが可能なため、さまざまなビジネスシーンで柔軟に動画を取り入れることが増えてきました。
そのため、ビジネスにおける動画の価値を改めて認識するようになり、高品質な動画を活用することで、パフォーマンスを劇的に高める事が可能になりました。
【プラットフォームの多様化による動画配信サービスの多様化】
現在では動画情報をグーグルで検索するよりも、そのほかのプラットフォームで動画を直接検索されることが主流になりつつあります。
視聴者の生活にこれほど動画視聴が入り込んでくると、企業も動画を活用したのマーケティングが必須となります。
消費者のニーズは時代と共に変化し、その時代によってアプローチの方法も変化していきます。
そのため、企業のマーケティング方法も時代の流れと共に変わっていく必要があり、BtoC、BtoB商材共に動画で情報収集を行う時代になっています。
時代背景もあり、動画マーケティングは今後も必須といえます。
それでは、動画マーケティングにはどのような手法・種類があるのを、詳しく解説していきます。
BtoB企業の動画マーケティングの手法・種類
動画マーケティングにはどのようなやり方や種類があるのか、4つ解説していきます。
プロモーション動画
動画マーケティングを活用する際に、おそらく真っ先に思い浮かぶ方法の一つが自社WEBサイトへの組み込みです。
自社サイトへ訪れる人というのは、社名を検索してサイトへ来られる方がほとんどです。
つまり自社を指名してサイトを訪れている、もしくうは自社商材周りのことを調べている可能性が高いでしょう。
そこに自社WEBサイトのトップに事業コンセプトを伝えるような動画を組み込むことで、ユーザーにより多くの魅力を伝える事が可能になります。
また、動画を活用することで自社のイメージをダイレクトに伝えることが出来て、自社製品やサービスについて深く検討してもらえる期待ができます。
広告動画
企業が広告を出す場所(プラットフォーム)には様々な場所があります。
YouTubeやTwitter、Facebookなど、さまざまな配信方法があるため、どのようなユーザーに何を届けるのか、戦略を立てる事が大切になります。
動画広告プラットフォームは大きく分けて、SNS系と動画コンテンツサイト系との2つに分類されます。
まず、SNS系とはTwitterやFacebookなど、テキストや写真がメインのコンテンツになります。
幅広いユーザーに拡散できる効果があり、新規顧客開拓がしやすいメリットがあります。
そして、動画コンテンツサイト系とはYouTubeやAbemaTVなど、動画がメインとなっているコンテンツです。
テレビ番組の途中でCMが流れるのと同じ感覚で広告が挟まれるため、ユーザーは情報の一つとして広告を受け入れやすいというメリットがあります。
それぞれのプラットフォームごとに特徴を理解し自社のビジネスモデルやターゲットに合わせて、効率よく広告を配信することが重要です。
特にFacebook、Instagram、YouTube、TikTokといった動画広告の中で、自社の商材と相性の良いプラットフォームや配信の方法ができる広告メニューを選択することが大切です。
セミナー動画
最近ではセミナーでも、動画コンテンツは多く活用されています。
Web+セミナーという意味でウェビナーと呼ばれることもあります。
セミナーの様子をそのまま録画したり、動画して編集し、要点をわかりやすく伝える2つの方法になります。
セミナー動画のメリットとは、短時間でわかりやくす、密度のある情報をユーザーに伝える事が可能なところにあります。
また、大きな特徴として後から見返すことが出来るという点もあります。
一度聞いただけでは理解できない内容でも、後から見返して復習が出来れば、ユーザーの満足度も高まるはずです。
ブランディング動画
ブランディング動画とは、企業の商品やブランドを知ってもらう為の映像です。
例えば企業の理念やビジョン、世界観やサービスの特徴などを伝える動画となります。
ブランディング動画の効果とは、新たなユーザーに自社のことについて知ってもらい、商品やサービスの価値を知ってもらいながら、自社に対するエンゲージメントや信頼感を感じてもらい、長い目で見て顧客との関係性を気づくことができます。
BtoBの商材の場合には検討から契約までにかかる時間が長く、どのようなタイミングで検討を始めるかもわかりにくいため、会社や製品、サービスをブランディングしておくことで検討時に選択肢として認識してもらいやすくなります。
BtoBビジネスで利用する動画の制作の注意点とポイント
BtoBビジネスで利用する動画の制作には、最低限押さえておくべきポイントがあります。
これが出来ていないと、情報が伝わりずらくて、魅力のない動画になってしまいます。
- ターゲットは誰か
- ターゲットのニーズ、ウォンツは何か
- ターゲットに伝えたいことは何か(メリットや自社の特徴)
- どのようにリーチするか
それではどようなことに注意して、動画を作成していけばよいのを、それぞれのケースを例に具体的に解説していきます。
【例】「セキュリティ対策サービス」のサイト内動画制作
顧客が課題を自身で認識していない顧客をターゲットにする場合には、まず初めに企業に対してどのような危険があるのかを注意喚起し、対策が必要となる事を伝える内容にすることが必要です。
また、もし対策をしなかった場合にはどのようなデメリットがあるのかを解説すると、自社のサービスの必要性を増すことが出来ます。
続けて自社のサービスを利用するメリットや特徴を伝えて不安解消を促すことで、どのように問題を解決するか提案していきます。
これまでの実績や、もしトラブルが起きた際にはどう対応するのかを動画でわかりやすく解説することで、企業はこのサービスを利用することでどうメリットがあるのかをリアルにイメージできます。
制作する動画は自社Webサイトに埋め込んで表示するのであれば、どのページに動画を設置してそのページを見て、動画を見てもらうためにはどのようなユーザーをどのようにサイト内で回遊させるのか、最終的には問合せや資料請求はどのような流れて獲得するか、といった設計もするようにしましょう。
【例2】「クラウド型経費精算システム」の動画広告の制作
ターゲットが持っているであろう課題、例えば1ヶ月ごとの使った経費をまとめて、クレジットカードの請求書や領収書を突き合わせするという作業はかなりの時間を要します。
そういった企業に向けて動画マーケティングを制作する際には、従業員の多大な労働時間をカットできるサービスである事を説明できる動画を制作することがポイントです。
また、例えば外国語の領収書も確認できるといった、付加価値のあるサービスであることを動画内でアピールすれば、自社のサービスを魅力的なものに伝えることができます。
実際にサービスを取り入れた企業がどのようなメリットがあったのかを動画で説明すれば、サービス導入後の具体的な例の参考になります。
広告として配信するケースでは配信するプラットフォームに合わせて動画の長さや、形を調整します。
またプラットフォームごとにターゲットにどのようにリーチするのか、といったことも考慮して最適化した動画にしましょう。
BtoBマーケティングに使われる動画事例
参考になるBtoBマーケティングに使われる動画事例をご紹介します。
「レンタルドレスモール dressy(ドレッシー)」のサービス紹介動画です。
ホワイトボードアニメーションを使用することで、サービスの内容をわかりやすく紹介してあります。
また、ユーザー目線に立って問題を投げかけることで、どういった悩みをどのように解決するかを提案しています。
実際のユーザーの声を紹介しているのも、信頼感を増すポイントです。
ヴイストン株式会社「企業受付 for Sota」のサービス紹介動画です。
企業の悩みを動画で実際に紹介して、ユーザーの問題を解決できるサービスを映像化でわかりやすく紹介しています。
また、実機を使用して状況を動画で説明することで、どのような使い勝手なのかをリアルにイメージできます。
サービスの利便性やメリットを、動画でわかりやすく解説してあります。
「SUNTORY」の健康サービス紹介動画です。
企業が抱える悩みから始まり、自社のサービスで解決できることを紹介しています。
アニメーション、ナレーションに加えて、フルテロップを使用しています。
視覚と聴覚で情報が入って来るので、ユーザーに伝わりやすい動画になっています。
また、実際のサービス内容を映像化することで、簡単にわかりやすく紹介してあります。
「Purple Line」サービス紹介動画です。
動画の冒頭で企業向けにどのような商品を取り扱っているか、紹介をしています。
実際の商品や、どのような特徴があるのかを、映像化して解説。
また、自社の強みや独自性、実績を紹介することで、ユーザーに向けてわかりやすく訴求しています。
動画時間を短くしているのも、ユーザーが飽きずに視聴できるポイントです。
「集客販売パートナーズ office zero」のサービス紹介動画です。
飲食店向けにセールスライティングを使って商品や価値を伝えるサービスの動画を作成してあります。
多くの飲食店が抱える悩みを提案し、どうように解決するかをアニメーションで解説しています。
自社のサービスが集客や売上アップに貢献できることをアピールし、飲食店に向けて向けてわかりやすく訴求しています。
BtoBの動画マーケティングまとめ
BtoB企業では購買活動や情報収集方法の変化に合わせて、今後ますます動画を利用したマーケティングを進めていく必要があります。
BtoBビジネスの中でもそれぞれに、状況や課題に応じて最適な動画の活用方法があります。
特にBtoBでは、動画を利用する前にその動画は何の目的で制作するのか、目的を達成するために動画が有効なのか、ということを考えた上で、動画マーケティングを始めることが大切です。
BtoBの動画マーケティングのご相談はぜひお問い合わせください。