近年、動画マーケティングを採用する企業が増えています。
インターネットが急速に発達し、さまざまな媒体で動画の発信が可能となったことも要因の一つです。
しかし動画マーケティングは、適切な方法で活用しないと効果が見込めないこともあります。
本記事では動画マーケティングの活用方法について説明した上で、企業の動画マーケティングの活用事例についても紹介します。
これから動画マーケティングを活用しようと考えている企業はぜひ参考にしてください。
動画マーケティングの活用は必須に
これからのマーケティングで、動画マーケティングの活用は必須です。
動画は静止画や文字だけのコンテンツや広告と違い、伝えたい情報を正確にユーザーに届けられます。
ユーザーの視覚にも直接アピールできるため、魅力が伝わりやすいのも動画の良い点です。
「1分間の動画はWebページ3600ページ分の情報量がある」と言われており、自社のサイトや広告の画像やテキストでは伝えきれない複雑で詳細な情報の伝達ができます。
そして近年では5Gサービスなどが導入されたことによって、高速・高画質で動画を見ることができるようになりました。
そのため動画マーケティングの需要は今後も伸び続けていくと予想されます。
動画広告市場は年間で1000億円単位で成長しいていくと予想されており、あらゆるビジネスの集客やブランディングが画像やテキストから動画への置き換わっていくと考えられます。
またSNSに需要のある動画を発信すると、「いいね」や「リツイート」などで一気に拡散されます。
結果、文字広告では考えられないような集客効果を得られる可能性が高いという特徴もあります。
このように動画マーケティングにはさまざまなメリットがあります。
時代の流れに遅れず集客をするためにも、動画マーケティングの活用は必須なのです。
動画マーケティングを行う方法
やみくもに動画を発信しても集客効果は得られません。
動画マーケティングもほかのマーケティング方法と同じように、しっかりと戦略を練る必要があります。
動画マーケティングで重要なことは「目的から逆算して動画の用途を考える」ことです。
動画の目的が明確でないと、ターゲット層が絞れません。
ターゲット層が明確でないとニーズを把握できないため、誰にも需要のない動画になってしまいます。
まずは動画マーケティングを行う上で企業の目的をしっかり定めましょう。
動画マーケティングの目的
動画マーケティングの目的は企業によってさまざまですが、代表的な目的としてあげられるのは「企業や商品、サービスのブランディング、認知獲得」「購買促進」「採用マーケティング」の3種類が最も一般的です。
企業や商品、サービスのブランディング、認知獲得
どんなに質の高い商品を提供しても、ユーザーに知ってもらえければ全く意味がありません。
そのため認知獲得のために、企業の商品やサービスをブランディングします。
創業したばかりの企業やブランディング、認知獲得が必要な企業などに有効な手段です。
購買促進
例として発信した動画から、自社のECサイトやLPに誘導してユーザーが購買するまでの導線を作ります。
動画は商品イメージがしやすいことから、文字広告よりもユーザーの不安感や情報不足がなくなり、動画広告はユーザーの購入に繋がりやすいケースがあります。
しかし逆を言えば、質の低く、メリットの薄い商品だとユーザーに見抜かれてしまうため商品の質も高め、動画で訴求できるメリットを大きくする必要があります。
店では売れているが、オンライン上ではなかなか売れてないといった商品の宣伝に効果的に利用されることも多くあります。
採用マーケティング
自社のHPなどに会社紹介動画を載せることで、会社の魅力をユーザー(求職者)に伝えます。
最近では、会社の仕事風景や採用PR専用のコンテンツを動画化している企業もあります。
自社の採用希望者が増加するため、人手不足や若手社員の少ない企業には有効な手段であります。
特に転職希望者はじっくり情報を仕入れて企業を選ぶため、動画化したコンテンツを配信して求職者からの興味を引くことは必須になっています。
このように一口に動画マーケティングと言っても企業によって目的はさまざまです。
自社はどんな目的で動画マーケティングを行うかをしっかり考えることが大切です。
そして目的がはっきりしてターゲット層が絞れたら、そのニーズを解決できるような動画を作成しましょう。
マーケティングでの動画の活用場面
では具体的に動画をどこで活用できるのかを紹介します。
動画は新しく作成する必要がありますが、内容はこれまで発信していた何かを動画に置き換えているというケースも多くあります。
動画マーケティングの効果を最大限に活かすために、いろいろな活用場面を知っておきましょう。
広告としての動画の活用
インターネット上に広告として動画を活用する方法です。
会社の認知度向上やユーザーの購買促進を目的とするのに効果的な手段です。
広告の種類はさまざまで「youtube広告」「SNS広告」「他社サイト広告」などがあります。
YouTube広告
youtubeの広告として動画を活用する方法です。
youtbeは年々市場が伸び続けていて、今後も伸び続けていくことが予想されます。
また若者向けツールのイメージですが、著名人の流入や大人向けのコンテンツも増えたことから、幅広い年代のユーザーが利用しはじめ、あらゆる層の利用が拡大しており、今後はあらゆるビジネスがYouTube広告を活用できると考えられます。
またyoutube広告は種類が豊富であるため、動画を作成する前にどの広告を利用するかを決めることが大切です。
それぞれにメリット・デメリットがあるため動画の作成方法も変わります。
自社の商品はどの種類の広告が適切であるかを考えましょう。
youtube広告の種類とメリット・デメリット
youtube広告の種類とメリット・デメリットのについて紹介します。
[メリット]
- 多くのユーザーにアプローチを仕掛けられる
- ユーザーに動画をスキップされたら料金が発生しない
[デメリット]
- スキップされることがほとんどで見られない
- 5秒でユーザーを引きつける動画のクオリティが必要
[メリット]
- 多くのユーザーにアプローチを仕掛けられる
- 動画を最後まで視聴してもらえる
[デメリット]
- 表示回数に応じて料金がかかる
- スキップできない広告はユーザーのイメージが悪い
[メリット]
- サムネイルをユーザーに見てもらえる
[デメリット]
- ユーザーがクリックしないと全く見てもらえない
- サムネイル作成の手間がかかる
[メリット]
- 動画が短くユーザーに嫌がられない
[デメリット]
- 6秒でユーザーの興味を引かなければならない
[メリット]
- 多くのユーザーにアプローチを仕掛けられる
[デメリット]
- クリックしないと音声が流されない
SNS広告
Twitter・Instagram・FacebookなどのSNS広告に動画を活用する方法です。
SNSは拡散力が高く、口コミが広がれば一気に集客を得られる可能性を秘めています。
ただSNS上の長い動画はユーザーは興味を示さないため、短くて質の高い動画を作成する必要があります。
他社サイト広告
他社サイトに自社の動画を広告として活用する方法です。
すでに多くのユーザーが訪れるサイトに動画広告を掲載すれば、多くの人の目に見てもらえます。
また自社に関連のあるサイトに掲載すれば、狙ったターゲット層にアプローチをかけることができます。
しかし、他社サイトへの掲載であるため、ある程度のまとまった広告費が必要であることも多く、各プラットフォームの動画広告を利用した後に利用されるケースが多くなります。
自社サイトへの埋め込み
自社サイトへ動画を埋め込んで活用する方法です。
この動画の活用方法は動画マーケティングにおいて最も基本的かつ効果的であるケースが多く、特に自社のサービス、商品紹介ページには動画を埋め込んでリッチコンテンツとして訴求する形です。
自社のECサイトやホームページに訪れるユーザーは、少しは自社に興味を持っているということもあり、商品の魅力を動画でしっかりアピールできれば、商品購入まで繋げることができます。
そして商品購入動画で大切なことは、ユーザー目線に立って考えることです。
またHPなどで会社紹介の動画を活用する方法や、ランディングページに動画を埋め込む手法もあります。
会社の良い点や特徴をしっかり伝えられれば、採用希望者の増加が見込めます。
ランディングページに埋め込む場合にもコンバージョン率が上がったりといったメリットがあります。
営業資料の動画化
自社の商品をアピールできる営業資料として動画を活用する方法です。
企業は個人ユーザーだけでなく他の企業との取引もあります。
そして企業同士の取引のほうが、取引金額も大きく継続的な収入が見込めるケースが多いため、営業への投資が大きくなるケースが多くあります。
パンフレットだけでは商品の魅力が伝わらないものは、営業資料に動画を活用しましょう。
また動画に商品の説明をわかりやすく埋め込めば、自分で商品を説明する手間も省けます。
また優れた営業資料を動画化することで、各営業人材の営業力の違いに頼ることなく動画で顧客に訴求することができます。
企業同士の契約を狙った営業資料では動画の活用や営業資料の動画化は効果的です。
顧客サポートや、マニュアルとしての動画活用
顧客をサポートするために、商品のマニュアルを動画活用する方法です。
商品に取扱説明書をつけても、静止画と文字だけではどうしてもわかりずらいものがあります。
動画で商品マニュアルがあれば、ユーザーは動画をみながら簡単に商品を操作することができます。
顧客のリピート率を増やしたり、購入前のユーザーに見せることで商品やサービスの利用がイメージできるようになり、コンバージョンをあげたりするのに効果的です。
ウェブセミナーでの活用
リモートワーク等の普及でで家にいる時間が増えました。
それに伴い増加したのがセミナーの動画化です。
セミナーは実際に会場まで運んで受講するのが一般的でしたが、最近ではyoutubeやzoomを利用したセミナーが増えています。
企業側は会場準備などの経費が削減できて、ユーザーは交通費や移動時間がかからなくなるため両者ともにメリットが大きいのです。
セミナーの多い会社に効果的な活用法です。
動画でのコンテンツマーケティング
自社のビジネスの領域の情報をYouTubeやTikTok、自社サイト等で動画で発信して見込み客とコミュニケーションを取る手法です。
不動産屋の例で考えます。
転勤などで家を引っ越す場合は、不動産屋で家を探す必要があります。
不動産サイトで見ても実際の部屋の広さや雰囲気がわかりにくいためです。
この状況を防ぐために、最近は不動産屋が家の動画撮影をしてYoutube等に投稿してイメージが膨らみやすくしています。
360度カメラを利用すれば、自分の好きな方向に動画を見ながら動かせるため、実際に見ている感覚を味わえます。
そのため不動産屋に行かなくても家を探せるようになりました。
様々な活用方法の中でどのような目的でどのような効果を求めるか、で費用感や予算も変わってきます。
制作前に以下のシミュレーションフォームでぜひ費用感の把握をしてください。
実際の動画マーケティングの活用事例
動画マーケティングを活用して大きな経済効果をあげた企業はたくさんあります。
最後に動画マーケティングを活用したさまざまな好例を紹介します。
[TSUTAYA動画配信サービス]
TSUTAYAの動画配信サービスの宣伝動画です。
構成や長さとしてはyoutube広告のTrueView広告を活用することもできる内容になっています。
動画の累計再生回数は現在87万回以上となっていて、配信中の映画やアニメを紹介しています。
TUTAYAのもともとの認知度や実績もありますが、サービスの利用を検討している人の不安を解消できたことが大きな集客に繋がったと考えられます。
[携帯アプリ「逆転オセロニア」]
人気携帯アプリ「逆転オセロニア」の宣伝動画です。
youtube公式チャンネルを開設し、ゲームのPVや攻略動画を発信しました。
キャラクターのビジュアルが高く、オンライン対戦などゲームの魅力も最大限に伝えていて、引き込まれるような演出になっています。
チャンネルの登録者数は22万以上、動画の累計再生回数は2,200万回以上となっています。
[パナソニックスチームアイロン]
パナソニックの衣類スチーマーの商品紹介動画です。
商品を3分弱の動画で紹介していますが、アニメーションと実写を併用しており、商品の魅力が伝わります。
[ライザップ]
ライザップジムの紹介動画です。
「結果にコミットする」というキャッチコピーを全面に押し出し、ジムに通う前の体と通った後の体を比較して見せることで、たくさんのユーザーを引きつけました。
話題性があり、ライザップ社の提供サービスと視覚的に訴求できる動画はとても相性が良く、集客効果に合わせてブランディングにも貢献している恒例と言えます。
[株式会社ベルク会社採用PR]
株式会社ベルクの社員採用PR動画です。
就職活動をする女性に焦点をあてて、1つのストーリー動画を作成しています。
感動できる内容で会社の宣伝も感じさせないため、youtubeで150万回再生されています。
この動画で株式会社ベルクを知った新卒人材は多く、大きなブランディングと集客効果が見込めます。
[株式会社ウィーゴー]
株式会社ウィーゴーの商品紹介動画です。
Instagramで動画投稿を続け、オンラインの購買数を増加させました。
ウィーゴーは若者向けのアパレルブランドであるため、若者ユーザーの多いInstagramが上手くハマったと考えられます。
https://www.instagram.com/wego_official/?hl=ja
[アクセルホーム]
不動産会社の物件紹介動画です。
動画にはイラストや見取り図も埋め込まれていて、ユーザーがわかりやすいように動画が作成されています。
不動産に行かなくてもユーザーは部屋を決定できるため、ユーザーも企業も労力が改善できます。
[クラウド会計ソフトfreee(フリー)]
確定申告などに便利なクラウド会計ソフトfreee(フリー)のセミナー動画です。
スライドと口頭で非常にわかりやすく説明しています。
またリアルなセミナーと違い、動画を停止したり戻したりできるため自分のペースに合わせて聞くことができます。
このような直接的に自社サービスをアピールしない動画を活用したコンテンツマーケティングはユーザーに対して有益な情報を配信するため、新たなユーザーとの接点を作りやすく、新規顧客の獲得や知名度の向上に役立ちます。
動画マーケティングの活用方法まとめ
動画マーケティングの活用法は企業のビジネスモデルや状況、課題によって様々です。
マーケティングの中での動画の利用シーンによって制作する動画の種類も全く異なるため、動画マーケティングは企画段階が最も大切です。
動画はテキストや画像の制作よりもコストも大きい分、効果的に活用できた場合のリターンも大きいという傾向があります。
動画マーケティングの企画や運用、制作のご相談を承っておりますので、ぜひお問い合わせください。