動画を営業ツールとして活用|営業ツールとしての動画活用パターンとノウハウを解説

動画を営業ツールとして活用|営業ツールとしての動画活用パターンとノウハウを解説動画

営業や商談を行うときは一般的に、製品パンフレットやプレゼン資料、マニュアルといった営業ツールを使います。

テキストや画像を使って商品やサービスを分かりやすく解説できる営業ツールは必須ですが、製品の仕様が細かいほど資料は膨大なページ数に及ぶことも珍しくありません。

そこで、動画を営業ツールとして活用する方法が有効です。

テキストにすると膨大な量になる資料でも、動画にすればわずか数分程度の少ない容量におさまります。

商談においても内容を短時間で理解でき、さらに持ち運びにも優れるメリットがあります。

営業分野でもデジタル化が進む中動画の活用は会社全体の営業力を上げる上で欠かせない営業ツールになっています。

では、その動画をどのように営業ツールとして活用できるのか、営業ツールとしての動画活用パターンとノウハウを解説していきましょう。

商品やサービスの選定はデジタルへ

さまざまな商品やサービスの中から目的のものを探すには、まず情報を調べる必要があります。

たとえば新しいテレビが欲しければ、画面の大きさや価格、機能といった情報をWebから調べます。

より詳しい情報が知りたい場合は商品の使い方を解説する動画を視聴し、目的の商品に近ければ購入を検討するでしょう。

BtoC製品であれば上記の流れが一般的です。いまやスマホやパソコンを使って商品やサービスを選定するのは当たり前になりました。

一方、BtoB向けの商品やサービスでもこのような傾向が強まっています。

以下の図は、メディックス社が、直近1年以内に自社のIT製品やサービス導入に関与した604名の方に対し、企業向けIT製品やサービスの情報収集源を調査した結果です。

上記の調査によると、企業向けIT製品やサービスの購入を検討するうえで参考にしている媒体は、検索エンジンが55.1%、IT系Webメディアが37.8%、SNSが25.8%です。

上位を占めるのはデジタル媒体がほとんどで、BtoB市場でも商品やサービス選定のデジタル化が進んでいることが分かります。

また、商材の種類に関わらず、「検索」を行うユーザーは8割以上いると言われているため、対人だけの営業に頼らない仕組みの構築は不可欠です。

商材にかかわらず検索する人の割合

商材にかかわらず検索する人の割合

ただし、BtoBの商品やサービスは、BtoCのようにデジタルで情報を調べてすぐに購入につながるわけではありません。

BtoBの顧客(企業)は予算や意思決定の都合上、より慎重に購入を判断するからです。

確かに情報収集はデジタル化によって効率的になったものの、商品やサービスの購入前には商談やプレゼンといった営業が必要になります。

この営業において役立つのが、動画です。従来、商談やプレゼンに使っていた営業用資料やパンフレット、PowerPointのプレゼン資料といったツールは、すべて動画で代用できます。

また、初回商談時のデモや受注後のレクチャーにも動画を活用できるため、より効率的な営業活動が可能です。

動画は情報伝達ツールと比べて効率的な営業ツール

これまで営業ツールとして活用されてきたのは、テキストや画像といった情報伝達ツールでした。しかし、複雑な商品やサービスの説明をすることが多いBtoB企業の営業では、テキストや画像が膨大な量になり、すべての内容を理解するには時間がかかりすぎます。

一方の動画の場合、複雑な情報でも映像で端的に伝えられます。商品やサービスの特徴を短時間で説明でき、さらに顧客が内容を理解する速度も高まるため、より効率的な営業が可能です。

1分間の動画に含まれる語句は180万語

仮に1分間の動画を作成したとすると、その中に含まれる語句の数は180万語にも及びます。

これはWebページ1,800個(1ページ1,000文字の場合)にも相当する情報量です。

たとえば、営業用資料を1商品につきA4用紙30ページ作成していた場合、動画ならすべての内容を伝えきるのに30秒もかかりません。

このように、より効率的に営業を行うなら動画の活用が大切です。

営業ツールとして動画を活用して営業効率を上げる

動画を営業ツールとして活用するには、次の3通りの方法があります。

  • 営業資料の動画化
  • 対面営業と動画を併用
  • メールマーケティングや顧客へコンタクトする際に利用

活用するシーンによって効果的な動画の種類は異なります。

そのため、「営業資料をすべて動画に代用する」「対面営業のサポートツールとして動画を活用」など、あらかじめ用途を決めておきましょう。

考え方としては、営業活動全体をカバーする動画を制作するのも良いですが、営業の過程においてどの過程を動画でカバーするか、を考えると動画の役割が明確になります。

マーケティングや営業の各工程を動画で置き換える例

営業はBtoC、BtoB、業種等によっても様々ですが、営業のどの部分、どの目的を動画で効率化するのかを考えることで考えやすくなります。

それでは具体的にご紹介します。

営業資料の動画化

従来、営業資料にはパンフレットやPowerPointのプレゼン資料などが利用されてきました。

しかし、膨大な情報量を短い動画におさめ、それをタブレットやモバイルPCなどで顧客にも共有できるようになったことから、営業資料の主役は動画に変わりつつあります。

たとえば、商談で新しい製品を詳しく紹介するとします。

いままでなら製品のスペックや細かい機能などをA4用紙にまとめ、数十ページにも及ぶ膨大な資料を顧客に見せる必要がありました。

しかし、その資料を一つひとつ精細に確認しようものなら、顧客の貴重な時間をムダにしてしまいます。

一方、動画であれば、長くても数分程度で詳しい商品紹介が可能です。

顧客の時間をムダにせず効率的な営業が可能になるばかりか、商品の売り手にとってもペーパーレス化や資料作成の時間削減といったメリットにつながります。

また、営業資料の内容を映像にしたものを、自社WebサイトやSNSに埋め込むこともできます。

そもそも営業資料は特定の商品やサービスを売り込むためのツールですが、動画を公式サイトなどに埋め込んでおくことで、サイトに訪れた能動的なユーザーにも自社商品をアピールできます。

対面営業と動画を併用

商品紹介やプレゼンを短時間に行える動画は、見方によっては「素っ気ない営業手段」と捉えられることもあります。

たとえば商談で短時間の動画を紹介するだけでは、相手によっては「紙の資料でもっと詳しく説明してほしい」と求められることもあるでしょう。

そこで、対面営業を行うときに、動画をサポートツールとして併用する方法も考えられます。

製品のスペックや機能など、テキストや画像を使って説明できる部分は紙の資料を使い、具体的な製品の使い方など、映像があったほうが分かりやすい箇所だけ動画にするのです。

製品のスペックや機能といった情報は、映像が度々切り替わる動画よりも用紙で見せるほうが、顧客はじっくりとその製品を検討できます。

一方、製品の使い方といった情報はテキストや画像だけでは伝わりにくいものです。

そこで、使い方をまとめた映像を動画で見せることで、その製品を実際に使う姿をイメージしやすくなります。

メールマーケティングや顧客へコンタクトする際に利用

動画は持ち運びが便利なだけではなく、さまざまな媒体へ簡単に貼り付けられる点もメリットの一つです。

掲載する媒体によっては、メールマーケティングや顧客へのコンタクトの際に役立ちます。

たとえば、商品の紹介動画を顧客へのメールに貼り付けるとします。

商談やプレゼンを行う前に案内メールを送る際、その文面に商品紹介動画を掲載しておくと、顧客は実際に商談を行う前に商品の詳しい情報を理解できます。

商談をする際にはすでにある程度の情報を知っているため、よりスムーズに話しを進めていけるのです。

ほかにも、リピーター向けのメルマガに割引クーポンを掲載した動画を添付したり、入社を希望する求職者向けに働き方の紹介動画や社員へのインタビュー動画を掲載するなど、さまざまな活用方法があります。

動画の役割のイメージとして、これまでは営業担当が定期的に顧客に電話したりメールを送って、顧客のニーズやアポイントを獲得していた部分を動画を添付したメルマガだ代用できるケースもよくあります。

また、制作する動画の種類に応じて製作費が変わってきますのでこちらで費用を確認しましょう。

営業ツールとして使える動画の種類

営業ツールとして使える動画には次のような種類があります。

  • 商品・サービス紹介動画
  • デモ動画
  • 事例、お客様の声

3種類の営業ツールは単体で使用するだけではなく、それぞれを組み合わせ、顧客のニーズに応じて適切なタイミングで提供できます。

Webサイトに事例紹介動画を掲載して商品の信頼を高め、商談時にデモ動画を見せて具体的な使用イメージを想起させる、といった併用方法です。

それぞれの違いを理解し、用途に合わせて使い分けましょう。

商品・サービス紹介動画

商品やサービスの特徴や魅力、類似製品との違いなどをアピールするための動画です。

いままでテキストや画像を使用していた製品パンフレットやカタログの内容を、すべて映像形式に置き換えたものと考えると分かりやすいでしょう。

商品・サービス紹介動画をさらに理解するために、まずは優れたプロモーション動画の事例をご紹介します。

以下は、NTTコミュニケーションズが提供する教育クラウドサービス「まなびポケット」のサービス紹介動画です。

【まなびポケット】サービス紹介動画

国内ではまだ認知度が低い教育クラウドサービスですが、その事情を踏まえ、「教育クラウドサービスとは」という概念から具体的なサービス紹介へとつなげています。

「まなびポケット」を導入すればどのようなメリットがあるのか、という点が分かりやすく表現されています。

映像はすべてモーショングラフィックス(インフォグラフィックス)を採用。

モーショングラフィックスとは、イラストやロゴ、テキストなどに動きを付けた映像のことです。

実写よりもポップな表現ができ、より馴染みやすい動画を制作したい人に向いています。この動画ではナレーションに合わせて適切なインフォグラフィックスが表示されるため、2分弱という短い動画時間でも内容を理解できます。

このように、商品やサービスの魅力を数分程度で伝えられるのが、商品・サービス紹介動画のメリットです。Webサイトへの埋め込みやメールへの添付、商談時の案内動画など、さまざまな活用方法があります。

デモ動画

商品やサービスを実際に使用した映像を流す動画です。

「商品やサービスの使い方」という意味で、「How to動画」とも呼ばれます。

一般的に見込み顧客は、製品パンフレットや商品・サービス紹介動画を見た後、「その製品をどのように活用すればよいのか」という自分の姿をイメージします。

そこで実際に製品を使う動画を見せることで、製品を活用する場面や姿を具体的にイメージできるようになるのです。

その結果、見込み顧客の購買意欲を高められます。

デモ動画をうまく活用した事例がChatwork株式会社です。

同社ではビジネスチャットツール「Chatwork」を提供していますが、基本的な操作方法や各機能の使い方を約1分ずつの動画に分け、YouTube公式チャンネルにて公開しています。

チャットワーク(ChatWork)の使い方 メッセージ送信

それぞれの動画時間は短いものの、動画ごとに「メッセージ送信方法」や「引用の使い方」といったタスクに分け、ユーザーが不明に感じる箇所だけを即座に理解できるように工夫しています。

メッセージツールを利用したことがない人でも、数本の動画を見るだけで基本的な操作が可能です。

上記のように具体的な利用方法を事前にイメージしておくと、見込み顧客は安心感を得られます。

また、大型機械や特殊機材を扱う場合、商談時に直接デモを見せるのは困難です。

一方のデモ動画であればタブレットやモバイルPCにデータを保存できるため、持ち運びにも優れています。

事例、お客様の声

商品やサービスを実際に使った顧客の事例やインタビュー、お客様の声を掲載した動画です。

「テスティモニアル(推薦)動画」とも呼ばれます。

その商品やサービスの購入にいたった経緯や利用してみた分かったメリットなどを端的に伝えることができ、さらに商品やサービスに信頼性まで付与できます。

特にBtoB企業の場合、顧客が大手や有名企業であるほど高い信頼性が生まれます。

株式会社HRBrainは、事例やお客様の声の動画を上手に活用しています。以下は、同社が提供する人事評価クラウドサービス「HRBrain」のインタビュー動画です。

【人事評価クラウド HRBrain】お客様インタビューCM 30秒_B

実際にサービスを利用した経営者や人事担当者の声を掲載しています。

人事評価で起こりがちな課題に加え、HRBrainを導入することでどのような部分が改善されたか、という内容がわずか30秒の動画におさめられている点が特徴です。

サービスの信頼性を高めるだけではなく、しっかりとプロモーションにもつなげている優れた事例と言えるでしょう。

また、事例やお客様の声を紹介する動画は、数分ほどの長さでじっくりと内容を伝えることもできます。

HRBrainのようにプロモーション映像に使う場合は端的に、じっくりと時間をかけて信頼性を高めたいときは長めの動画を使うとよいでしょう。

動画の費用対効果は高い

商談用やプレゼン用の資料を作成しようと思えば、複雑な商品やサービスになるほど膨大な時間がかかります。しかし、動画であれば制作会社へ外注することもできるため、資料制作時間を抑えられます。

制作会社へ外注する場合は数秒の動画であれば5万円前後、数分のサービス紹介動画だと200万円ほどの予算が必要です。制作時にはこのような費用がかかるものの、動画は資産として残るため、活用期間が長いほど費用対効果は高くなります。

たとえば、サービス紹介動画の制作を外注し、納品された作品をYouTubeの公式チャンネルへ投稿したとしましょう。

その動画は6,500万人を超えるYouTube利用者数(2021年3月13日時点)の目に触れる機会があるだけではなく、管理している限り動画ファイルは手元に残ります。

YouTubeの動画URLを貼り付けるだけでWebサイトやメールへ転用できるなど、汎用性が高い点も特徴です。

商談やプレゼンに利用するなど自ら動画を発信せずとも、WebサイトやSNSに動画を掲載しておくだけで、そのプラットフォームに訪れたユーザーへ自社サービスをPRしてくれます。

さまざまな状況で常に動画が営業してくれるということです。

上記のように費用対効果や利便性が高い性質があるため、今後はますます動画を営業ツールとして活用する企業が増えてくるでしょう。

早く始めるほど資産効果が高くなるため、ぜひ営業ツールの動画化を検討してみてください。

営業ツールとしての動画活用に興味のある企業はぜひお問い合わせください。

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