コンテンツマーケティングはデジタルマーケティングの中でも、費用対効果が高く日本でも導入されることが多くなってきたマーケティング手法の一つです。
今回はコンテンツマーケティングの始め方から導入の際に準備が必要なこと、さらに導入した後に必要な運用の部分まで解説します。
コンテンツマーケティングの導入の際に必要最低限抑えておきたい要素に加えて、さらに効果を高めるために有効な施策もご紹介します。
基本的な部分から1つ1つ解説しますので、順に見ていきましょう。
コンテンツマーケティングの導入にあたってのポイント
始め方や導入の前にそもそもコンテンツマーケティングがどのような構造になっているのか、といった点を理解して導入の際に活かしましょう。
コンテンツマーケティングとは自社のターゲットにしている見込み客と、検索エンジン経由、SNS経由等の、主にWeb上のプラットフォームを介してコミュニケーションをとり、自社サービス、商品の購入へとつなげます。
一般的なコンテンツマーケティングはGoogle等の検索エンジンに対してSEO対策(検索エンジン最適化)を行い、自社サイトのコンテンツ(Webページ)を上位表示させてアクセスを集めるという集客方法として使われています。
基本的にはWebサイトを主なコンテンツの投稿場所として、SNSを組み合わせて使うことが多いでしょう。
コンテンツマーケティングの始め方と導入時に必要なもの
コンテンツマーケティングの導入時に最低限必要なものを解説します。
かなり最低限の項目になりますが、コンテンツマーケティングの方針と戦略設計、コンテンツを載せるWebサイト、コンテンツ、の3点が揃っていれば始めることができます。
コンテンツマーケティングの方針と戦略設計
導入後や準備中に行うことの全ては戦略次第になりますので、まずは方針と戦略を設計する必要があります。
ここがコンテンツマーケティングを行う上でもっとも大切な要素になります。
戦略選定の一部を具体的に紹介します。
- 自社のターゲットとキーワードをリサーチする
まずは誰に対して発信するのか、ということを明確にする必要があります。
自社サービス、商品の情報を誰に届けたいのか、を明確にしないと誰にも届かないぼんやりとしたコンテンツになってしまいます。
- コンテンツのポートフォリオを設計する
コンテンツを作り始める前にどのようなキーワードをターゲットにするのか、をあらかじめ調査しておく必要があります。
検索される回数が多いキーワードばかりをターゲットにしてしまいがちですが、検索ボリュームは少ないが、購買に繋がる可能性が高いキーワードもあります。
また、直接購買には繋がりそうにないが、自社内にその検索者の役に立ちそうな情報がある場合にはそういったコンテンツも用意しておくと、企業名、ブランド名の浸透にも繋がり、その後どこかのタイミングで見込み客になることもありますので、そういったキーワードも調査しておきましょう。
- コンバージョンのポイントを設定しておく
コンテンツマーケティングにおけるコンバージョンは業界、BtoB、BtoC等によって企業ごとに違ってくると思いますが、サイトに訪れたユーザーにどのようにコンバージョンして欲しいのかを定めておきましょう。
ECサイトの運営であれば商品の購買かもしれません、BtoBの企業であれば資料請求がコンバージョンかもしれません。
その後のサイト制作やコンテンツ制作の際にも、どのようなコンバージョンを設定するかで制作内容が変わります。
- 競合調査とコンテンツ制作の優先順位
コンテンツマーケティングは検索エンジンからアクセスを集めることが多く、また上位表示させた記事からアクセス流入がほとんどであるため、他のコンテンツマーケティングを行っている競合他社との競争の面があります。
各キーワードに対しての検索結果を奪い合う形になるので、どのキーワードにリソースを投下するのか、を事前に決めなければコンテンツの制作は始められません。
大規模な投資を行い、ありとあらゆるキーワードを網羅することは現実的ではないため、競合他社や自社が得意な業界、領域で質の高いコンテンツを作って結果を出した後に展開した方が費用対効果が結果的に高くなりやすいです。
コンテンツマーケティング用サイト制作
コンテンツを投稿するWebサイトが必要ですが、始め方としては基本的に3通りです。
まずはコンテンツマーケティング用のWebサイトを新たに立ち上げるパターン、サブドメインを活用する方法です。
コンテンツマーケティングの目的を達成するために最適化したサイトの設計にすることができるので、いろいろな施策が打ちやすくなります。
また上述の、定めたコンバージョンへ誘導する導線の設計や、カスタマージャーニーを考慮したデザインにすることが可能です。
サイト内で様々なイベントを発生させることも、開発しやすくなります。
サイト内でポップアップで資料請求をお勧めしたり、他の記事への回遊、ランディングページへ誘導することもしやすくなるでしょう。
コンテンツマーケティング用のサイトは0から開発する必要はなく、WordPress等の制作基盤を無料で利用することができます。
2パターン目は既存の会社のWebサイトのサブディレクトリで記事配信用のページを制作する、というパターンです。
コーポレートサイトでコンテンツマーケティングをすると、既存のコーポレートサイトのデザインと、自社メディアとしてのコンセプトの両立をすることが難しいケースがあります。
また、すでにできているサイトに対して、機能追加のために追加開発をすることや、開発の時間、費用がかかることも多いというデメリットもあります。
一方、WordPress等のオープンソースをサブディレクトリにインストールする、といった対応もできますし、コーポレートサイトと一体化されていることで、どこの会社が運営しているかということが分かりやすくなり、安心感からコンバージョンに繋がりやすくなることもある、というメリットもあります。
3パターン目は現在のサイトのサブドメインを取得して、そのサブドメインでコンテンツマーケティングを行うケースです。
またいずれにしても、サイトとユーザーに関するデータを取れるようにしておく必要があります。
基本的にはサイト内に計測用のタグを設置しておくケースが多いですが、これもGoogleの計測ツール等を利用することで無料で対応できることも多いです。
サイトの制作やツールにはその有用性を見極めて、なるべく有料のものではなく無料ものでも代替できる方針で考えましょう。
予算は限られているので、なるべくコンテンツやその他施策に予算を投入する方が費用対効果が高くなると考えられます。
このサイト制作の方針に関しては業態やターゲットの属性(個人、法人)等によっても変わってきますので、自社のターゲットや状況に合わせて最適化させるようにしてください。
コンテンツ制作
コンテンツマーケティングの構成要素の中で最も大切なのはコンテンツです。
戦略性がなく、質が低いコンテンツを配信してコンテンツマーケティングがうまくいことはありません。
自社のコンテンツを作る際の設計やポーフォリオは、戦略と設計の部分で既にご説明しましたが、各具体的なコンテンツを、どのように誰がどれくらい作るのかを大まかに決めておく必要があります。
またコンテンツには記事、画像、動画といった種類があり、それらのコンテンツを生産する体制を構築しておく必要があります。
記事を書くにしても、文字だけの構成だと分かりにくくなってしまったり、最後まで読んでもらえる確率が下がったりということもあります。
また、画像もWeb上でいろいろなサイト上で見かけるようなフリー素材の写真等を使うと、ブランド価値をむしろ下げる可能性もありますので、内容や業態にあわせて気をつけるようにしてください。
動画に関しても、Web上のみで情報を伝えて見込み客とコミュニケーションをとり、コンバージョンへつながる必要があるため、自社製品やサービス、戦略的に大切なページには動画を使った方がよい場面もあります。
また業種によってはホワイトペーパーの制作も必要です。
作ったコンテンツを読んだターゲットが次にどのような情報を求めるか、を考えてホワイトペーパー(資料、e-book)を制作するようにしましょう。
会社によっては事例集や保存しておくと便利な情報、特定の課題に対するノウハウ等をまとめておくとよりダウンロードに繋がるでしょう。
そういったコンテンツは社内なのか社外へ外注なのか、どれくらい作るのかといったことの計画をある程度立ててから導入するようにしましょう。
必須ではないが、導入前に準備しておきたい項目
コンテンツマーケティングを「導入」するためには必須ではないですが、導入前に準備しておくとさらに効果が上がる項目をご紹介します。
SNSとの連携
導入前にコンテンツマーケティング用のメディア用としてSNSアカウントを開設する会社も多くあります。
もちろん既存の会社用のアカウントでも運用はできますが、集客用として、かつブランディング用として目的別に応じてSNSアカウントを開設する場合も多いです。
各SNS内のルールにもよりますが、目的を明確にして運用するはずですので、ターゲットに深く刺さるコンテンツを投稿しやすくなり、フォロワー、いいね、コンバージョンの獲得へと繋がりやすくなります。
準備としてはサイトに記事として投稿したコンテンツを、SNSで拡散させるときに、SNSに投稿する用の画像準備があらかじめできること、や連載系のコンテンツを時系列に沿ってリアルタイムに配信することができるため、ユーザーもフォローしてくれる可能性が高まるでしょう。
このようなことからコンテンツマーケティングに合わせてSNS運用の準備もできるだけしておきたいところです。
MA(マーケティングオートメーション)等のツールの導入
一般的にMAツールというのはメーリングリストに対して一斉にメールを配信できたり、顧客の情報を管理できたり、資料請求の種類ごとに管理ができたり、といった見込み客や既存顧客とのコミュニケーションを自動化、管理できるツールのことです。
似たものでCRM(Customer Relationship Management)という種類のツールもあり、これも顧客管理、特に見込み客や既存顧客の情報を登録して営業のリストとして管理しやすくしたり、統計的な情報をまとめたりすることができるツールです。
コンテンツマーケティングで資料請求をしてくれた見込み客に対するアプローチをしやすくしたり、見込み客リストの管理ができます。
こういったツールももちろん導入時にあれば工数を削減できることもあり非常に便利です。
一方、ツールに高額な費用を支払ってしまったり、まだあまり見込み客からのコンバージョンもない段階で、ツールを導入してしまうと予算の投下方法としては非効率になることもあります。
コンテンツマーケティング経由でリードが一定数以上コンスタントに取れて管理ができなくなってきた際、もしくは最初はWordPress等に内製されているテーマやプラグインといった付属している無料で使えるCMSを利用すると良いでしょう。
BtoBなのかBtoCなのか客単価はどれくらいなのか、によって効果的なリードの扱い方、管理方法も変わってきますので、自社にあった形で始めましょう。
他の販促、広告との連動
企業のマーケティング、集客活動はコンテンツマーケティングだけではないと思います。
実はコンテンツマーケティングは他の販促と組み合わせることでとても費用対効果が高くなります。
昨今のマーケティング、集客の手法といえば以下のようなものが主だと思います。
- Web、デジタル広告
- 営業によるアポ獲り、新規開拓
- セミナーの開催
- 顧客の口コミや紹介による新規開拓
実はコンテンツマーケティングはこれらの販促手法との連動が効率的にできます。
Web広告とコンテンツマーケティングの組み合わせはその方法もたくさんありますが、例えば上位表示した記事を読んだ見込み客に対してその後SNS広告を配信することも可能です。
コンテンツマーケティングのページを見たのが、通勤中の電車の中だったりスマホ画面だっりすると細切れの時間でしか見れないため、コンバージョンせずに2度とサイトに戻ってこないこともよくあります。
コンバージョン率が1%だとすると100人中99人は、何らかの情報を検索エンジンで検索して自社のページを見ているのにコンバージョン(資料請求、注文等)をせずに去ってしまいます。
これはあまりにももったいないので、その後SNS広告等と組み合わせて、コンバージョンしやすいランディングページ を見せるといった様々な施策を打つことで、広告単体、コンテンツマーケティング単体では出せない高い費用対効果を実現することが可能です。
コンバージョンした見込み客に営業するのはテレアポ等の営業手法に比べて効率が良いのはもちろんのこと、サイトにある程度のアクセスが集まっていれば、いきなり商談等はしたくないが、セミナーがあれば行きたいといったニーズを持つ見込み客もいるため、セミナー出席の予約といったコンバージョンにつなげてその後の関係構築をすることも可能です。
また、見込み、既存に限らず得た顧客情報に情報発信や役に立つコンテンツ等を常に配信することで口コミや他の見込み客の紹介を得たりといった広がり方をすることもあります。
コンテンツマーケティングを導入、始め方についてのまとめ
コンテンツマーケティングに必要最低限必要なものやプラスアルファで、あるといいものをご紹介しました。
コンテンツマーケティングは準備するものは一緒でも、進め方はサービス内容や業態、ビジネスモデルによって大きく変わってきます。
結果を出すために、ぜひよく考えられた戦略で進め、運用中にもPDCAを回すようにしてください。
弊社では各企業にあった、コンテンツマーケティングの支援しております。
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