資産効果の高いコンテンツを有効活用できる、マス広告よりもコストパフォーマンスが高い点がコンテンツマーケティングの強みです。
しかし、運用するためにはある程度の知識や技術も必要です。
数あるマーケティング手段から自社に効果的な施策を選ぶためには、上記のようなメリットやデメリットを知っておくことが何よりも大切です。
そこで今回は、コンテンツマーケティングのメリットとデメリットを詳しく解説します。
両者をよく理解して最適なマーケティング手段を取り入れましょう。
コンテンツマーケティングの仕組み、広告との違い
コンテンツマーケティングとは、ユーザーや潜在顧客にとって価値のあるコンテンツを提供することで、リード獲得や購買活動につなげる施策です。
たとえば、POSレジの導入を考えている小売業者に対し、導入メリットやサービスを比較する記事を発信するほか、動画で機器の使い方を詳しく紹介するコンテンツを制作したとします。
すると、そのコンテンツに価値を感じる潜在顧客を自社サイトへ促すことで、リードの獲得へとつながります。
例えばサイト内に資料請求ページが用意されていれば、獲得したアクセスを自然にリードへと促すことが可能です。
上記のように、コンテンツマーケティングではコンテンツの発信によって潜在顧客に自社を認知してもらい、リードの獲得からニーズの育成、購買活動への促進へと発展させていくことがポイントとなっています。
コンテンツマーケティングと同じように自社の認知をはかる広告とよく似ていますが、両者にはアプローチ方法において違いが存在します。広告は自社からユーザーに向けて何らかの情報を発信する「プッシュ型」に対して、コンテンツマーケティングは潜在顧客層に自ら情報を探してもらう「プル型」の施策です。
テレビCMやWeb広告など、売り込み型の宣伝方法が通用しづらくなってきた昨今、プッシュ型の宣伝方法と、コンテンツマーケティングのように潜在層のニーズを喚起するプル型の施策を併用することで売上や顧客数を伸ばせます。
コンテンツの配信先もGoogle等の検索エンジン、Facebook,Instagram等のSNS、YouTube ,TikTok等の動画専用SNSまで様々です。
それに応じてコンテンツの種類も記事コンテンツ、画像コンテンツ、動画コンテンツと様々で自社ビジネスモデルやターゲットに合わせて使い分け、組み合わせて利用することが大切です。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングを行うメリットは次の通りです。
- 資産性の高いマーケティング手法になり得る
- 費用対効果や投資対効果が高い
- 工夫の余地が大きく、改善の幅が大きい
- 幅広いターゲットにリーチできる
- 他のマーケティング手法との組み合わせができる
創造性を生かしていかようにもアレンジが可能なコンテンツを扱うこともあり、柔軟性に優れる点がコンテンツマーケティングの強みで、さらにリーチ範囲の広さや効果の高さも見逃せません。
それぞれのメリットについては以下で詳しく解説します。
資産性の高いマーケティング手法【メリット1】
自社ブログから発信する記事やYouTubeなどで公開する動画といったコンテンツは、しっかりと保存しておく限りWeb上から無くなることはありません。
また、ユーザーの反応に合わせて自社でいつでもコンテンツの編集・修正も可能です。
一方、広告を主軸とした従来のマーケティングでは、宣伝を行うたびに内容を一から考え直さなければなりません。
そのため、容易に保存ができ、いつでも内容を再加工できるコンテンツマーケティングは、資産性の高いマーケティング手法といえるでしょう。
費用対効果、投資対効果が高い【メリット2】
マーケティング施策への費用対効果や投資対効果が高い点もメリットの一つです。
たとえば、アプリやゲームの最新情報をコンテンツとして提供する「GameWith」では、1ヶ月に7億ものPV数を稼ぎ出しているともいわれています。
仮にPVの1%が広告をクリックし、広告のCPC(平均クリック単価)が10円だった場合、月間広告売上は7,000万円です。
一般的なコンテンツマーケティングではサイト制作を外注する場合は30~200万円程度、記事・画像・動画コンテンツの制作費が月に30万円(月間10記事×1コンテンツあたり3万円)だとすると、非常に少ない費用で高い売上を実現できます。
一方でテレビCMを公開した場合、大手テレビ局で放映すると15秒あたりの映像で75~100万円の放送費と50~70万円ほどの製作費が相場と言われています。
さらにCMからサイトへの来訪を促す場合はサイト制作費やコンテンツ制作料まで加算されるため、コンテンツマーケティングに比べてコストがかかってしまいます。
一般的なWeb広告と比べてもコンテンツが資産として蓄積していくコンテンツマーケティングは時間が経つにつれどんどんと投資に対する効果が大きくなります。
一般的なWeb広告とコンテンツマーケティングのコンバージョン単価を整理するとこちらの図のようになります。
コンテンツマーケティングのコンテンツは資産性が高く、時間と共に投資に対する効果が上がっていくのがわかります。
工夫の余地が大きく、改善の幅が大きい【メリット3】
コンテンツマーケティングの効果は、コンテンツの内容以外にもサイト構成やデザイン、SEOなどによって大きく変化します。
サイトを構成するさまざまな要素を工夫したり、効果を検証して改善しやすい点がメリットの一つです。
広告と比べても各広告の配信先のフォーマットやルールに縛られることがないため、打てる施策のバリエーションも広がります。
サイトを訪れたユーザーの反応は検証サイトの結果に如実に現れます。
たとえば、ブログであればGoogle AnalyticsやGoogle Search Console、動画ならYouTube Analyticsなどです。
検証サイトで明らかになったユーザー属性やPV数、流入経路などを分析しコンテンツを改善すると、販売数や売上の増加につながりやすくなります。
幅広いターゲットにリーチできる【メリット4】
コンテンツマーケティングを活用すると、より幅広いターゲットにアプローチができます。なぜなら、アイデア次第で自由にコンテンツの発信方法を決定できるからです。
仮にコンテンツマーケティングの用途がブランディングだとしましょう。
すると、ブランドの世界観や独自性が伝わる動画を自社サイトに掲載しておけます。
ブランディング動画を観たユーザーがその世界観に共有することで、商品の購買意欲を高める仕組みです。
ほかにもSEO対策を施した自社ブログへ多数の潜在顧客を呼び寄せたり、既存顧客に対して新商品やサービスの情報を発信するなどの活用方法があります。
他にもこの図のようにユーザーは様々な層に別れており、各ユーザーによって欲しがっている情報も変わってくるため、コンテンツを各ユーザーの層ごとに制作することで細かく各ターゲットへのアプローチが可能です。
上記のように多彩な方法でコンテンツを発信することで、多数のリーチ獲得や幅広いターゲットへのアプローチが可能です。
他のマーケティング手法との組み合わせができる【メリット5】
コンテンツマーケティングは、単独で実施するよりも他のマーケティング手法と組み合わせることで効果が高まります。
その代表例がWeb広告です。
広告は費用をかけることで多数のリーチを獲得できる優れたマーケティング手法ですが、人によっては企業からの積極的な売り込みを敬遠します。
一方、コンテンツマーケティングは自ら能動的に情報を検索しようとする潜在顧客が対象となるため、広告と同時に実施すると、企業の売り込みを嫌うリードまで自社サイトに取り込めます。
また、コンテンツマーケティングと相性の良い手法がリターゲティング広告です。
一度サイトを訪れたユーザーへ意図的に広告を配信できるため、コンテンツマーケティングによって興味を促し、リターゲティング広告で購買意欲をかき立てるといった活用ができます。
上記以外にも、SNSマーケティングやメールマーケティングなども併用可能です。
ターゲットや用途に合わせてさまざまなマーケティング手法を組み合わせることで、売上達成や販売数の増加といった目的へとつながりやすくなります。
コンテンツマーケティングのデメリット
一方、コンテンツマーケティングを行うデメリットは次の通りです。
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 方向性や戦略が悪いと全く効果が出ない
- 多種類のノウハウが必要
以上から、コンテンツマーケティングを扱うにはある程度の知識や技術が必要だということが分かります。
そのため、コンテンツマーケティングを実施する前に十分な準備、と大切構築が必要です。
それぞれのデメリットについては以下で詳しく解説します。
成果が出るまでに時間がかかる【デメリット1】
コンテンツマーケティングで十分な成果が期待できるまでに、ある程度の時間が必要です。
特にブログやサイト運営を行う際は、公開した記事がすぐに反映されるわけではありません。
記事がWeb上に反映されるには、検索エンジンが各サイトをクロールし、インデックス(検索結果に表示すること)されるまで待つ必要があります。
サイトの実績などにもよりますが、インデックスまでの期間は数日から1ヶ月ほどです。
さらに、SEO対策を施して上位表示ができるまで半年以上かかるケースも少なくありません。
なぜなら、上位表示を決める要因にコンテンツ数や様々なSEOの要素がが影響しており、記事を増やしたりサイトを充実させるために時間がかかってしまうからです。
また、一度公開したコンテンツは、数ヶ月ごとにユーザーの反応を見返して検証や改善を行うべきでしょう。より価値の高いコンテンツは何度も改善することで生まれるため、効果が出るまでに時間を要します。
そのため、コンテンツマーケティングの効果が実感できるまでの忍耐力も必要です。
常に効果を検証してコンテンツの改善を図るなど、忍耐強く施策を行っていきましょう。
方向性、戦略が悪いと全く効果が出ない【デメリット2】
まったく知識がない状態でコンテンツマーケティングを実施することはできません。
マーケティングを行ううえで方向性や戦略が誤っていると、ほとんど効果が期待できないからです。
たとえば、Web上に記事を投稿したにもかかわらず、なかなか検索結果に表示されないケースも珍しくありません。
投稿した記事が上位に表示されないのは、十分なSEO対策が施されていない証拠です。
上位表示されないと検索ユーザーの目に触れる機会も少なくなるため、コンテンツマーケティングの成果も薄くなってしまいます。
先ほどメリットとして解説したコンテンツマーケティングの資産性がもたらす、費用対効果の高さですが、このようにどんどんとCPAが下がっていく状況になるには適切な戦略と方針で投資を行う必要があります。
魅力的なコンテンツの拡充は大切ですが、方向性や戦略に不備がないかも確認しておきましょう。
継続的な運用に工数が必要【デメリット3】
価値のあるコンテンツを提供するには、継続的に新鮮な情報や面白いネタを発信することが重要です。
しかし、継続的にコンテンツを制作するのに必要な労力や工数を考えなければいけない点が、コンテンツマーケティングのデメリットといえるでしょう。
特に、コンテンツマーケティングを行うために自社ブログやオウンドメディアを新たに開設する場合は、時間的な余裕を見つけるのは簡単ではないケースも多いでしょう。
サイトの運営や記事の更新などに時間を割く必要があるからです。
上記のような業務が自社だけでまかないきれないときは、戦略から制作・運用を外注に出すのも方法の一つです。
たとえばWebライティングの業務委託やディレクション業務の外注を行うだけでも、自社ブログやオウンドメディアの運用が随分と楽になり不適切な方向性で投資してしますリスクも軽減することができます。
多種類のノウハウが必要【デメリット4】
コンテンツを1つ制作するだけでも、必要なリソースや制作方法、人材リストなど、考えるべきことは多岐に及びます。
こうしたノウハウが必要な点もコンテンツマーケティングのデメリットです。
仮に自社ブログへ記事を投稿する場合、ライティングやSEOの知識に秀でたスタッフが社内にいるとは限りません。
記事制作を外注に出せばコンテンツは揃いますが、「どのような内容やテーマ、検索キーワードを想定するか」や、「1ヶ月に何人のライターへ、どれくらいの価格で依頼するか」などのプランを練っておく必要があります。
また、納品された記事をチェックする人員や体制も整えておかなければならないでしょう。
特にコンテンツマーケティングの場合には戦略設計面、制作面(記事、画像、動画)、Web解析、分析運用まで様々なノウハウが必要になります。
そのため、事前に計画を立てる際にコンテンツ制作に必要なリソースやノウハウ、人材リストなどを書き出しておくことが大切です。
自社ビジネスに合わせた導入、運用
ここまでお伝えしたメリットとデメリットを踏まえ、自社ビジネスに適したコンテンツマーケティングの運用方法を考えていきましょう。
同じコンテンツマーケティングでも、ビジネスの種類や目的、ターゲットによって利用するプラットフォームや戦略が異なります。
たとえば、リフォーム会社の場合。
あらかじめ自社サイトに用意された見積依頼のフォームへ見込顧客を促すために、写真を使って過去のリフォーム内容を公開できるブログが効果的かもしれません。
一方、商品イメージが売上につながりやすい化粧品会社では、画像や文章よりも動画を使ってプロモーションを行ったほうが効果が期待できるケースもあるでしょう。
自社に合わせたコンテンツマーケティングを実施するには、最初にゴールを設定し、そこから運用設計へと落とし込んでいくことが重要です。
サイトへの流入増加やコンバージョン向上など、まずはコンテンツマーケティングを行うゴールを定めましょう。
そして、ゴールから逆算する形で、必要人員や社内体制を含めたプランを立てていきます。
コンテンツマーケティングのメリットを最大限享受するために
コンテンツマーケティングのデメリットを抑えながらメリットを最大限享受するために、弊社Wondersでは各企業のビジネスモデルに合わせて支援をしています。
コンテンツマーケティングはどのような戦略をとるのか、また運用をしながらどのように利益につなげていくのかを設計することが最も大切です。
コンテンツマーケティングに興味のある企業様はぜひお問い合わせください。